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想いたいなら、想いましょう
昔も昔、好きな人が女性だった。
男の子みたいなまっすぐな黒髪にショートカット。
男の子みたいな、ちょっと低くてハスキーな声色。
変な子だった。
僕たちは図書室で出会った。
美術室で出会った。
驚くぐらい美しい絵の中で出会った。
・・・どうしようもないな。
***
僕は私になりたくて、私は僕になりたくて
そんなバカみたいな話もどうでもよくて
容姿を変えても、駅前でたくさんティッシュをもらう
葡萄の蔓、あるいは噂の話について
14歳のことを思い出した。
当時の私は、家にも学校にも、居場所がなく
ただ夜空を見上げて、タバコを吸っていた
明日がくるなんて悪夢だった。
***
「君が何かを想って痛むなら
いつになく優しく振る舞えそうです」
***
他人の手首の傷や、他人が飲みすぎた薬の話、他人が出会い系で出会った男と何をしたかとか
そんなことをただ受話器で聞いていた。
「そんなに死にたければ死ねばいいのに」なん
よく笑う理由と、ギランバレーの話。
学生時代、顔面麻痺を患ったことがある。
そもそも実家が大学から遠く(片道2時間程度)、それでも最初は気合いで通学をしていたのだが、属していた専修のせいもあって、やれレポートだの授業だのバイトだの部活動だの(最後については趣味だ。必ずしも必要がない)に精を出していた私は、ついに倒れてしまったわけだ。
(第一文学部は、必ずしも暇ではない。専修にもよるだろうし、今となっては分からないが。)
真白い
パルプ・フィクション
King Gnuの「三文小説」を聴いた。
私は物心ついた頃から「ロック」と称される音楽が好きなもので、正直、最初は「今回はまぁ随分と「売れ線」を狙ってきたな」と思った。
「白日」が売れて、「どろん」や「飛行艇」がそこまでのヒットにならなかったことからだろう。この曲では、あの畝るようなギターもベースも鳴り響いていない。
しかし、私はそのMVから目を離せなかった。
初聴にも関わらず、その映像は
天才になれなかった全ての人と、報われなかった全ての天才へ
「左利きのエレン」という作品の主人公、朝倉光一が新聞広告賞を獲った。
この広告はとてつもないメタ構造で、漫画の主人公がその漫画の中で新聞広告を制作し、それが実際の新聞に載るという、とても複雑な様相を呈している。
そのあたりの面白さは別の記事で書くとして、この広告が賞を獲ったということは、自分にとってとてつもなくエモい出来事だった。私自身、「才能」について考えることがよくあったのだ。そしてこの漫