くれもとなおき

復職後の書店員。                          哲学・社会学・宗教…

くれもとなおき

復職後の書店員。                          哲学・社会学・宗教学・教育・音楽・漫画・バイク・サッカー。

記事一覧

無・生命・宇宙

宝石の国の続きを読んでいる。 ずっと仏教だと言われてはいたが、 しっかり仏教なうえに科学的でもあった。 それはそもそも仏教が量子力学的であることも含める。 シメ…

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諸法無我

3月がやっと終わろうとしている。 というのも、このひと月はずっと苦しかった。 それが、バランスを崩した精神の周期的な運動によるのか、 環境的な要因によるのか、その…

2月28日の日記

2月も末となり、仕事も年度末のもう一山ほどになった。 メインとして走っていたことは、中旬にある程度終えた。 そんな、とりあえず走っていた事がすんでみると、 なんだ…

葬送のフリーレンと「原罪」

葬送のフリーレンは、もはや紹介するまでもない。 それほどにヒットし、多くの人が触れるコンテンツである。 私は魔法試験的なところで読むのを一度止めたが、 その設定や…

意味にしがみつかない

最近、日に日に抑鬱的な状態に落ちている感覚がある。 それははじめ、気にならないほどの距離で横に座っていて、 ふと横目に見ると、気味の悪いほどやけに近くに座ってい…

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人生は刺激的なのか   VTuberは生きている

Weekly Ochiai 落合陽一×東浩紀の新しい対談を見た。 産業、消費、コンテンツのAI化に対する、 人類の対極的態度が見れて、大変な傑作だった。 きっと、高性能AIの出…

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ダンジョン飯と資本主義   欲望 神話 創作

ダンジョン飯の最終巻を読んだ。 発売日に読んでから、暫くおいて読み直した。 初見は興奮して、物語の顛末を追うだけになってしまうから、先を知ってからようやくあれこ…

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ねこのゆめ

涼しげな風が、体を撫ぜる感覚を遠くに感じる。 風に吹かれた茂みがそよぎ、さわさわと頭上で音を立てる。 それと同調して、暗く朧げな視界に柔らかな光が明滅する。 交…

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復職の診断 僕のゼロ地点

8月22日、復職の診断が出た。 担当医は(今でこそ)いい意味でユルい人柄なので、 休職期限までに復職の診断が出るのは既定路線だった。 診断は、近況の報告や考えている…

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少女終末旅行 終末の旅人の作法

少女終末旅行を読んだ。 昔は途中まで、それとアニメをみていたが、 普通に終末モノのユル女子旅程度に片付けていた。 しかし、漫画(特に作者のあとがき)を全て読むと、…

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創作と祈り バッドエンドはあり得ない

フランツ・カフカは書くことについて、 「人は、どうあっても    書かねばならぬものだけを、        書かねばなりません。」 と言ったという。 この言葉の真…

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僕の親と子 勉強すること

今週は何かと忙しく過ごした。 というか、忙しく過ごしてしまった。 三連休は実家に帰り、母方の祖父母に会ったり、 漫画家の山田玲司先生の個展に行ったりした。 この三…

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7月18日 ノスタルジアを見る

最近noteに下書きばかり増える。 ガンダム水星の魔女を見終わって考えること、 友ヶ島に行った経験と思い出から湧く創作意欲、 暫く疎遠だった祖父母に会いに行ってわかっ…

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ガンダム 水星の魔女 5〜8話

昨日5話まで見たと思っていたけれど、4話までだった。 今日は5話〜8話でひと区切り。4話ずつしか保たない気力。以外感想と考察を、キャラの関係性とテーマごとに書く。 …

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7月7日 ガンダム 水星の魔女を見る

最近は物語を摂取するのにさえ、少なくない気力を使う。 見たいと思う作品は数あれど、体も頭も心もついていかない。「見れる気がする…」という感覚が起らなければ見られ…

3

雑記 書きたいこと、表現について

文を書き始めると、どうしようもなく長くなる。 いつも頭でぼんやりと考えて続けていることや、 全く思考の表面にさえ出てこなかったことも現れる。 文字にしようとする…

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無・生命・宇宙

宝石の国の続きを読んでいる。

ずっと仏教だと言われてはいたが、

しっかり仏教なうえに科学的でもあった。

それはそもそも仏教が量子力学的であることも含める。

シメジシミュレーションは、科学を背景としたテクスト(文)によって、文学的でロジカルなアプローチで生命のあり方を考えた。

一方で、宝石の国は、宗教を背景としたコンテクスト(物語)によって、芸術的でエモーショナルなアプローチをしている。

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諸法無我

3月がやっと終わろうとしている。

というのも、このひと月はずっと苦しかった。

それが、バランスを崩した精神の周期的な運動によるのか、
環境的な要因によるのか、その両方かはわからない。

いつの間にか、また本をよく読むようになった。

はじめこそ、新鮮な知識と可能性の広がりに悦んだが、
もしそうだと仮定したときのやるせなさに絶望した。
どうしてこんな重荷をわざわざ背負い込むのか。
自分に自虐趣味

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2月28日の日記

2月も末となり、仕事も年度末のもう一山ほどになった。
メインとして走っていたことは、中旬にある程度終えた。

そんな、とりあえず走っていた事がすんでみると、
なんだかどうにも、また無意味によって目が霞む。

それは、そもそも仕事に対するやり甲斐というか、
これが何に役立ち、今後どう生きるのかわからない。
というのもあるが、それは塞翁が馬。と思うことにする。

なのでそれよりは、あるゴールの瞬間に次

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葬送のフリーレンと「原罪」

葬送のフリーレンは、もはや紹介するまでもない。
それほどにヒットし、多くの人が触れるコンテンツである。

私は魔法試験的なところで読むのを一度止めたが、
その設定や導入において、時世をくむセンスに関心した。

私は本作(冒頭)での読解において、
ボードリヤールを補助線として考えた。

特にに、「象徴交換と死」を意識しながら読むと、
エルフ・人間(老人・若者)・魔族の対比は興味深い。

これらの人種

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意味にしがみつかない

最近、日に日に抑鬱的な状態に落ちている感覚がある。

それははじめ、気にならないほどの距離で横に座っていて、
ふと横目に見ると、気味の悪いほどやけに近くに座っている。

私はなるべく関わりたくないし、
それは私のかげみたいなものだから、
ただ離れてほしいと願うことしかできない。

昨晩から朝にかけて、それはほとんど真横に座っていた。
もし誰かがみれば、きっと気の置けない友人と思うだろう。
僕はまっ

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人生は刺激的なのか   VTuberは生きている

Weekly Ochiai 落合陽一×東浩紀の新しい対談を見た。

産業、消費、コンテンツのAI化に対する、
人類の対極的態度が見れて、大変な傑作だった。

きっと、高性能AIの出現に対して、
人間とは、意識とは何かを自問するタイプと、
そんなことはどうでもよい(よくなる)タイプで分かれ、
その思想の違いは、真面目に今後の戦争の火種となるだろう。

その勝敗の結果として、偽・新人類の区別、
あるい

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ダンジョン飯と資本主義   欲望 神話 創作

ダンジョン飯の最終巻を読んだ。

発売日に読んでから、暫くおいて読み直した。
初見は興奮して、物語の顛末を追うだけになってしまうから、先を知ってからようやくあれこれ考えて読めるようになる。

ぼんやりと色々なことが頭に浮かんだが、
最後に残ったイメージは、同じ九井諒子の短編であった。

たぶん初期のほうのやつで、天使のような(あるいは竜か?)翼をもった少女の初飛行を、少年が手助けするというような短

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ねこのゆめ

涼しげな風が、体を撫ぜる感覚を遠くに感じる。

風に吹かれた茂みがそよぎ、さわさわと頭上で音を立てる。

それと同調して、暗く朧げな視界に柔らかな光が明滅する。

交互に訪れる刺激に反応して、沈殿した意識が徐々に解ける。

まだぼんやりとしながら、半分無意識に強張った体を伸ばす。

前足を突き出し、お尻を後に突き上げると、尾がピンと張る。

自然と欠伸が出る。野蛮に口を大きく開く、自由な欠伸。

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復職の診断 僕のゼロ地点

8月22日、復職の診断が出た。

担当医は(今でこそ)いい意味でユルい人柄なので、
休職期限までに復職の診断が出るのは既定路線だった。

診断は、近況の報告や考えていることをただ聞いてくれる。
こちらから話さなければ、薬を出して様子見と言うだけ。
(かといって、話しても対応が変わるわけではない)

精神的衰弱の状態において、他者は基本的に何もできない。
それは本人が本人の問題を、本人で自覚し解決す

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少女終末旅行 終末の旅人の作法

少女終末旅行を読んだ。
昔は途中まで、それとアニメをみていたが、
普通に終末モノのユル女子旅程度に片付けていた。

しかし、漫画(特に作者のあとがき)を全て読むと、
今ではまた新しい視点で色々と解釈ができる作品であった。
最近は長々と駄文を連ては下書き送りなので、短く纏める。

少女終末旅行の基本的なストーリーは、終末の世界の旅だ。
タイトル通り、二人の少女が、戦争で滅びた世界を旅する。

今回は

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創作と祈り バッドエンドはあり得ない

フランツ・カフカは書くことについて、

「人は、どうあっても
   書かねばならぬものだけを、
       書かねばなりません。」

と言ったという。

この言葉の真意はそれぞに想像するところだが、
この頃の私は、これを逆説的に感得している。

というのも、適応障害による鬱という、はじめての経験、
想像以上の精神的苦痛が回復に向かいつつある中で、
私は初期の絶望感や無力感の感触を失い始めた。

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僕の親と子 勉強すること

今週は何かと忙しく過ごした。
というか、忙しく過ごしてしまった。

三連休は実家に帰り、母方の祖父母に会ったり、
漫画家の山田玲司先生の個展に行ったりした。
この三連休も色々あったが、とにかく疲れた。

大して珍しくもない、俗人的で個人的で矮小な悩みだが、
そうと分かっていても、動くほど絡まり、重く自らを縛る。
親子や、家族の関係というのは、そういうモノなのだろう。

感情的に酷く疲れた上に、犬も

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7月18日 ノスタルジアを見る

最近noteに下書きばかり増える。

ガンダム水星の魔女を見終わって考えること、
友ヶ島に行った経験と思い出から湧く創作意欲、
暫く疎遠だった祖父母に会いに行ってわかったこと…。

色々な出来事と、感情と思考がぐるぐると廻る。
それを形にしたいけれど、うまく表現できない。
体感としては朧げにあるが、言語化が難しい。
微妙な心持ちのまま日々を過ごしている。

自らの思考と感情に、納得できる形を与える

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ガンダム 水星の魔女 5〜8話

昨日5話まで見たと思っていたけれど、4話までだった。
今日は5話〜8話でひと区切り。4話ずつしか保たない気力。以外感想と考察を、キャラの関係性とテーマごとに書く。

・エランとスレッタ、「自分」を持つ者・持たぬ者
5、6話はエランという影武者的青年に焦点が当たる。
氷の君と呼ばれる彼は、無表情で無関心で無感情な男だ。
彼は役目を果たすため、「自分」の顔すらも失った人間だ。
その彼がスレッタに興味を

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7月7日 ガンダム 水星の魔女を見る

最近は物語を摂取するのにさえ、少なくない気力を使う。
見たいと思う作品は数あれど、体も頭も心もついていかない。「見れる気がする…」という感覚が起らなければ見られない。そんなバカな、と思うかもしれないが、感覚的にそうなのだ。

有名な新書、稲田豊史「映画を早送りで観る人たち」の中で、
ネタバレや結末を見てから作品を観る若者の事例について、
その理由を感情的エネルギーの消耗軽減とする例がある。

これ

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雑記 書きたいこと、表現について

文を書き始めると、どうしようもなく長くなる。

いつも頭でぼんやりと考えて続けていることや、
全く思考の表面にさえ出てこなかったことも現れる。

文字にしようとすると、自分の頭上で渦巻いていた混沌が、
堰を切ったようにだくだくと溢れ出して一面に広がる。

それは純粋な好奇心や表現欲といった清いものだけでなく、
承認欲求や自己満足などの不純物が多分に含まれる汚水だ。

それをなんとか濾して、残せる程

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