一般意志はどこにあるか。

一般意志はどこにあるか。    近代民主主義精神の根幹にあるジャン=ジャック・ルソー(Jean-Jacques Rousseau、1712年6月28日 - 1778年7月2日)の「一般意志」の概念をアップデートした東浩紀(1971年5月9日 -)の『一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル』(講談社文庫・2011年)は表題に関わらず実は、リチャード・ローティの『偶然性・アイロニー・連帯』(岩波書店・2000年)に多くのヒントを得ている。    東浩紀の当時の語彙としてはミ

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一番簡単な東浩紀の誤配についての説明

今回は、東浩紀が用いる誤配という概念について説明したいと思います。 東浩紀とは(そもそも)誰か。東浩紀とは、現代日本における重要な思想家の一人です。 西洋哲学におけるこれまた重要な哲学者のジャック・デリダという人の研究をしていたり、日本のオタク文化を分析してみたり、情報社会について語ったりなど、様々な分野で活躍しています。また、ゲンロンカフェというトークスペースを作り、対談を主催しています。 誤配とは何か。誤配とは、ひとことでいえば、様々なものを成立させる影の主役のよう

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「ゲンロン12 (特集)無料とはなにか」を巡る考察。前半・私の広告屋人生・1983年→2021年の広告変化を考える。 後半 サッカーワールドカップ最終予選アウェイ戦地上波放送なしの問題点を考える。

 「ゲンロン12」には、「無料とは何か」という特集がある。 「無料」について論じるには、大きく、ふたつの異なる切り口が存在する。ひとつは、「広告モデル(一見無料)」vs「有料課金型配信サービス」という、主に現実的なビジネスの仕組みとしての、情報消費生活の中で機能している無料のあり方をテーマにするものである。東浩紀氏が、今、このテーマを設定したことは、東氏自身のビジネス、ニコニコ動画でゲンロンのコンテンツを有料配信していたものを発展させる形で、「シラス」という有料配信サービスと

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パフォーマンス・アートについて

私は2000年代に世界各国を飛び回って「パフォーマンス・アート」の分野で活躍した作家です。その間、さまざまな経験をしました。 パフォーマンス・アート・フェスティバルの多くは国際的ですが、それはそのままグローバリゼーションの産物です。芸術家自身が国と国との間を移動しなければならないからです。それは、コロナ禍による移動制限と共に実質的に終わりました。ただしオンラインによる作品発表は続いており、私の関わる限りでは、舞台芸術や音楽のライブ、各種イベントのオンライン化、インターネット

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誰でもなく、自分自身の〈忘却〉に抗して

書評:山本昭宏『原子力の精神史 ――〈核〉と日本の現在地』(集英社新書) あの東日本大震災から、そして福島第一原発事故から、早10年。私はずっと大阪在住で、阪神淡路大震災の経験者だから、東日本大震災には「最近」という印象がどこかにある。 先日、榊原崇仁『福島が沈黙した日 原発事故と甲状腺被ばく』(集英社新書)を読んで、レビューを書いた時には、今年であれから10年だとは、そこに書かれていてすらピンと来ず、本書を購入した際にもまだ気づいていなかった。その後、書店に福島原発事故

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ゼロ年代、10年代、ハイエク

オマル マン氏との対談、第9回目。 K「オマル マンさん、こんにちは。前回の対談の余談だったかと思いますが、オマル マンさんによる、対談が三名の形式でも良いかも?という提示(現在「消息不明」の美術評論家・矢田滋さんを加える形を例に。例えば、「マイク・ケリーについて」)が本質的に面白いものを含んでいると私は思いました。」 「ここでも、私はハイエクを参照したくなるのですが。」 フリードリヒ・ハイエク『致命的な思いあがり』(1988年) 第五章 致命的な思いあがり 4 

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月ノ美兎と"Death and All his friends" ーー人生が「ただの暇つぶし」で、全ては滅びるのだとして

人格があり、内面がある。それはどのVtuberも同じなのだが、彼女たち(月ノ美兎と樋口楓)にまつわるファンの言動(創作物よりも、むしろ言動である)については、現実における人物とファンの関係、マナーになぞらえた議論が特に目立つものだった。                                          内面があるとは、誰にも強制のできない、決める権利などない「謎」を心に持つということでもある。                                 泉

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東浩紀氏を巡る対話ーー孟子的儒教主義と義父のリアル

家族の言語ゲーム

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商売と信念 11月6日の日記

批評家・哲学者の東浩紀氏がお店に来て三日経ったが、興奮冷めやらぬ僕です。 ジャニーズファンにおける嵐やV6という感覚と言ったら分かっていただけるだろうか。 (東浩紀氏が来店した件については別途書きたいと思ってる) 緊急事態宣言が明けて時短や酒提供の縛りも無くなったら、商店街の状況ももう少し落ち着くものかと思っていたけれど、まあ平日はちょっと落ち着いたかな感はなきにしもあらずだが土日は相変わらず忙しい。 東氏が来店した11月3日の祝日もそうだったのだが、かなりの人が商店街

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動物化するポストモダン オタクから見た日本社会 東浩紀さん

前半のオタクに対する考察が面白い。小さな物語とは、ギャルゲーにとっては攻略する女性キャラクターのストーリーを指している。そして、データベースとは、ツンデレ等の萌え要素を指しているのだろう。そして、それぞれの女性キャラクターを攻略することによってデータベースの消費も進むということだろう。 2001年に発売された本書だが、2019年の時点で30刷に至っている。著者が最後の謝辞で述べているように、この種の本は発刊された時には時代遅れになっているものが多いのに、これだけ長い期間読ま