責任の一端が欲しかった

兄がピアノ教室を開講するに当たり、隣人宅の西岡母娘が挨拶に来た。

兄が引きこもって二年、俺以外の人と対面するのはこれで二度目だ。この機会に兄は伸ばした髪を自分で切り揃え、奇妙なお河童頭になった。変態性は残るが、少なくとも清潔感はある。二人をリビングに案内し、レッスンについて大まかな取り決めを行った。レッスンのカリキュラム、受講日、受講料の諸々を。西岡瑞樹の母が尋ねた。

「レッスンは、先生宅で行

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宇宙からのお手紙⑤リーディング紹介

私のリーディングでは、内容を短い物語にして、お渡ししています。
先日リーディングさせて頂いた、Aさんの未来、これからの姿を、物語に綴りました。
許可を頂いて、こちらに公開します。

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浜辺を、一組の家族が歩いていました。
お母さんは白いワンピースに身を包み、大きな麦わら帽子をかぶっています。
お父さんは、たくましい肩をして、少し

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一生|16. 行列だけできるアイドル

いまにもつぶれそうな蕎麦屋に行列ができている。先頭は若い女の子たちでおなじ衣装を着ている。アイドルの卵だろうか。

彼女たちのファンと思われる群衆もうしろに続き、彼女たちとおなじくカレー蕎麦を食べる。大行列につられて一般の人々も「なんだなんだ」と並びはじめる。せっかくなのでーも並んでみる。

彼女たちはいまや大盛況となった蕎麦屋を出ると、今度はいまにもつぶれそうな本屋に行列をつくる。ファンたちもう

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緋色のサージ 13

5 満天の星     
 

 サージは、海の上の城の大理石の階段を一番下まで降りて座り、海を見ながら休みました。
 心地好い音楽のように、藍色の波が夜の海の静けさを奏でていました。一日の終わりを告げる空の紫色のカーテンが揺らめくと、サージは体から急に水蒸気が小波の方へ抜け出たように感じました。すると小波の光の粒がひとつ、サージの隣へ弾けました。海洋の塩水による働きを司る神様にお仕えしている海の精

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ありがとうございます !  嬉しいです !
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正八面体の世界の中へ

タロットカードを指定して、その中にイメージを使って入り込む。
そしてビジョンやメッセージを持ち帰るのが、私の日課だ。

この日はいきなり違う世界がやってきた。
ただスタートする前に、薔薇の香りがただよったのを記憶している。

天の父のところへ行って、メッセージを貰った。
その後は、気づいたら正八面体のエレベーターの中に入っていた。

オレンジと黄色と茶色が混じったような、マーブルの模様のような色合

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【本音へダイブ】

建前の上で舞い踊る者たち
それが心地よくて楽だもの

スルスルと滑るような会話
ガリガリとすり減るような心

一回寝るとすぅーっと消えてなくなるの
この物語
なんておかしな話でしょう

バッ

ひとりの少女がダイブした
建前のさき、本音へと

キレイな飛込み姿
見惚れてしまう

ハッ

舞い踊ってた者たちの顔が変わった
ゆるゆるとした表情がみるみるうちに変わってった

少女はにひっと笑った

どっ

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ぽかぽかな心なりました
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ストーリーを意識するギフト

おはようございます。
プレゼント選びが苦手で、欲しい物を直接聞いた方が早いじゃん!と節操のない考えを控えたいえーさくです。

さて。
今日は『ストーリーを意識するギフト』というテーマでお話します。
プレゼント選びにも繋がるのでアウトプットしておきます。

販売員のお仕事をしている方はピンとくる話かもしれません。
ストーリーを意識する事でギフト選びや提案が少し楽になるかもしれないというお話です。

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あなたのnoteも見に行かせていただきます♪
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どこからも読める大人の恋愛詩小説『月華物語』 第十二段「トゥー・ヘヴィ」

今 若い男は酔っていた。一人、アパートで。

 若い女とのデートがキャンセルになって、会社帰り、あてもなく街をぶらついた。夜の繁華街はもうクリスマスのイルミネーションで飾られ、街行く人々も幸せそうだった。

 特に若いカップルたちはお互いに体をくっつけて、暖かそうだった。一瞬たりとも、離れると世界が崩壊してしまうかのように。傍から見ると、そのぐらい馬鹿げているが、彼らにとって、それは真実なのだ。

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スキ、ありがとう!私も大好きです(笑)!
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明日を思い煩うことなかれ

生前、父親は庭にエサ台を作って、やってくる野鳥にエサをあげていた。

初めは何か残り物とか、鳥が食べそうな物を置いたたりしていたが、いつからかパン屋さんでパンの耳を買ってきて、ハサミで細かくちぎってあげていた。

父が亡くなり、やがてエサ台は朽ち果て、忘れられた。

それなのに、いつからか私も、庭にエサを撒くようになった。

やってくる野鳥は何種類かいるけど、年間を通して毎日食べにくるのはスズメ。

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ひやっほ~!ありがと~
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星の子のこと

ある真夏の寝苦しい夜でした。
突然、流れ星に乗って、とある星の子がこの世界に落ちてきました。
彼女は、突然、村人たちの目の前で夢を語り出しました。
ここで一等星になりたいのだと。
でも、こうも言いました。
誰よりも近い存在でありたいと。

その飾らない笑顔は、すぐにたくさんの人を惹き付けました。
歌も上手かったし、演技も得意でした。
何より、誰かと仲良くなるのがとても得意でした。
だから星の子は、

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