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リップマン著「世論」⑧情報機関について
新聞などのジャーナリズムは民主政治の基盤となる「世論」を提供することはできません。
「国民の意志」が形成されるためには、専門家による分析と記録のシステムを基盤とした社会組織・情報システムが必要です。
情報システムによって新聞などに対してもニュースが提供されると共に、そのシステムは新聞などジャーナリズムに対するチェック機能を果たすでしょう。
自治を行う人々は、情報機関を発明、創造、組織して自分たち
リップマン著「世論」⑦ニュースの本質・新聞の役割🫡
民主主義にとって大切な「国民の意志」の根拠となるべき情報はどこからくるのでしょうか?
民主主義の先駆者は「国民の意志はどんなときにも存在する。見出しさえすればよい。」
と考えていました。
つまり、民主主義者たちは世論形成の問題を市民的自由の問題の一つとして取り扱ってきたのです。真実を認識する能力はあらゆる人間に備わっており、自由な状態で伝達される真実は受け入れられるとしたのです。
しかし、この意
リップマン著「世論」⑥ 民主主義の虚構?
民主主義について
個人的な利害関心で動いている多数の人々が、どうやって何らかの共通意志を民主主義理論で展開するのでしょうか?
「人民の意志」とか「国民の決意」とか「世論」として知られるものがどうやってこのように移ろいやすい一時的な心象から結晶として取り出されるのでしょうか?
身近なコミュニティーで生活しているわれわれが、より大きな環境のことに関心を持たなくてはならなくなったとき、未知の広大な
リップマン著「世論」⑤ステレオタイプと偏見
われわれは自分たちの目が見慣れないものは見ないでしまいます。
ステレオタイプと異質のものは排斥され違うものは目に入っても見えないのです。
われわれは知らず知らずのうちに自分の哲学に合致するような事実に強い印象を受けるのです。
したがってステレオタイプは人間の好みを担わされており、愛情に満たされ、恐怖、欲望、強い願望、誇り、希望に結びつけられています。ある特定の、ステレオタイプを喚起する事物があれ
リップマン著「世論」④防御手段としてのステレオタイプ
なぜ私たちはステレオタイプに固執してしまうのでしょうか??
ステレオタイプは、私たちにとって欠かせないものでもあるのです。
ステレオタイプの体系はわれわれの個人的習慣の核ともなり、社会におけるわれわれの地位を保全する防御ともなっているからです。
ステレオタイプの体系は、秩序正しい、ともかく矛盾のない世界像であり、われわれの習慣、趣味、能力、慰め、希望はそれに適応してきました。
そうした世界では
リップマン著「世論」②なぜ人は事実と異なるイメージを持つのか?
前回で人々は頭の中に浮かぶイメージに基づき行動していると述べました。
このような人々の脳裏にあるもろもろのイメージ、つまり、頭の中に思い描く自分自身、他人、自分自身の要求、目的、関係のイメージが「世論」というものです。
ではこのように作られたイメージはなぜしばしば人を誤らせてしまうのでしょうか?
人々が事実に接近することを制約する要因は何なのでしょうか?
その原因を探ります。
1, 検閲と秘密保
リップマン著「世論」①「人は見てから定義しないで、定義してから見る」
国際NGO「国境なき記者団」(本部パリ)が3日、2024年の「報道の自由度ランキング」を発表しました。
調査対象180カ国・地域の中で日本は70位(前年68位)でした。🥺
何とハンガリーやコンゴ共和国よりランクが下です。
日本の状況について「伝統の重みや経済的利益、政治的圧力、男女の不平等が、反権力としてのジャーナリストの役割を頻繁に妨げている」と批判しています。
特に記者クラブ制度が閉鎖的
大東亜戦争?戦争の反省はどこにいった?自衛隊の歴史観は戦前のまま!
先日、陸上自衛隊大宮駐屯地(さいたま市)の第32普通科連隊がX(旧ツイッター)の部隊の公式アカウントで「大東亜戦争」という用語を投稿しました。
投稿は硫黄島(東京都)であった日米合同の戦没者追悼式を伝えたものでした。
その中で「大東亜戦争最大の激戦地硫黄島」と記したのがネットで「日本の侵略戦争を正当化する用語」などと批判され、同隊は投稿を削除。
「大東亜戦争」を使わない文章にして再投稿しました。
え、馬?🫏平和デモにウマ出動?!
みなさん、今アメリカの大学で、平和デモが広がってるのをご存知でしょうか?
それは、アメリカのコロンビア大学から先日より始まったとされます。
大学キャンパス内で学生や教職員が、イスラエルへの抗議&パレスチナ市民への連帯を示したものであり、それがニューヨーク大学、イエール大学、カルフォルニアのバークレー、ミネソタ大学、マサチューセッツ工科大など日本に居ても聞いたことある大学にどんどん広がってゆきまし
ホロコースト否定論にどのように対抗するか。映画「否定と肯定」
映画「否定と肯定」(2016年 英米)
を紹介します。
事実を元にした映画です。
実際にあったユダヤ人歴史学者とホロコースト否定論者の裁判を描いた映画です。
根拠のない嘘でも、何度も声高に主張すれば世論に認められてしまいかねないという怖さを感じさせる映画です。
ホロコースト否定論者アーヴィングは裁判で被告側の弁護人から尋問され、窮地に陥ると、思いつきで書いただけとか言うのです。
ヒトラーの専門
ホロコーストに関わる映画紹介🎬
アウシュビッツやホロコーストに関わる映画はたくさんあります。
1960年前後、ドイツでは戦争の記憶は薄れ、戦争責任の追及はニュールンベルグ裁判で終わったという意識でした。
ナチの戦犯でも海外に逃れたものは、名前を変えて普通の生活を送り、ドイツ国内でも、元ナチの党員や親衛隊員が過去を隠して普通の市民生活を送っていました。
ホロコーストもドイツ市民にはそれほど知られていなかったのです。
そのようなな