アウシュビッツやホロコーストに関わる映画はたくさんあります。
1960年前後、ドイツでは戦争の記憶は薄れ、戦争責任の追及はニュールンベルグ裁判で終わったという意識でした。
ナチの戦犯でも海外に逃れたものは、名前を変えて普通の生活を送り、ドイツ国内でも、元ナチの党員や親衛隊員が過去を隠して普通の市民生活を送っていました。
ホロコーストもドイツ市民にはそれほど知られていなかったのです。
そのようななか、過去のドイツの戦争犯罪をドイツ人の手で裁こうと奮闘した検察官の姿を描いた映画を2本紹介します。
「アイヒマンを追え、ナチスがもっとも畏れた男」(2015年 ドイツ)
「顔のないヒトラーたち」(2014年 ドイツ)
1963年のフランクフルト・アウシュビッツ裁判に至るまでの検察官たちの苦闘を描いた映画です。
フランクフルト・アウシュビッツ裁判は、ホロコーストに関わったナチの親衛隊員たちを戦後ドイツ人の手で裁いた初めての裁判で、この裁判をきっかけにドイツ人のホロコーストに対する意識が大きく変わりました。
アウシュビッツ裁判は1963年に始まり、収容所の生存者211名が証言台に立ちました。
19名の元親衛隊員たちが罪に問われ、17名に有罪判決が下りました。
20ヶ月の裁判中に自責の念を表わす被告はいなかったそうです。
そしてこの裁判をきっかけにドイツではナチスの徹底的な排除につながり、それは歴史反省としての優等生につながりました。
執筆者、ゆこりん