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子育て日記 ポコ・ア・ポコ

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仕事と子育てを両立しながら地域社会と積極的に関わる川島ゆかさんの奮闘記。子育て世代の暮らしを研究するアイ.創建が提供するコラムです。地域社会で活躍する女性の日常から、暮らしのヒン…
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2022年9月の記事一覧

「かこさとし」さんで、大きくなりました(1)

「かこさとし」さんで、大きくなりました(1)

皆様こんにちは。
 
先日、しんみりとさみしい気持ちになってしまうニュースが飛び込んできました。絵本作家で児童文化研究者である加古里子(かこ・さとし)さんが5月2日に天国に旅立たれたとのこと。92才でした。
 
90才を過ぎても、神奈川県藤沢市のアトリエで毎日制作活動に励まれていた加古さん。新聞各紙で大きく取り上げられ、書店や図書館でも哀悼コーナーが次々と設置されていたので、ご存知な方も多いかと思

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「かこさとし」さんで大きくなりました(2)

「かこさとし」さんで大きくなりました(2)

皆様こんにちは。
 
「だるまちゃん」シリーズは全部で11作。子どものとき大好きだった「だるまちゃんシリーズ」は、私が母になっても新作が次々と出され「え?だいこく(大黒)ちゃん?え?てんじん(天神)ちゃん?」とびっくりもしましたが、日本の伝統文化を大切にされてこられた加古里子さんの思いが詰まった作品ばかり。
 

今年の1月にもシリーズ新作3冊を同時刊行し、その中には東日本大震災や福島の原発事故に

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「かこさとし」さんで、大きくなりました(3)

「かこさとし」さんで、大きくなりました(3)

皆様こんにちは。
 
さて、『からすのパンやさん』は、偕成社から発行された「かこさとし おはなしのほん」の7作目。私は小学生の頃、このシリーズをほとんど読んだと思うのですが、8作品目の『にんじんばたけのパピプペポ』に出てくる建物のことは強烈に覚えています。
 

 
にんじん色のレンガで建てられたキノコ型の保育園、分厚い本型の図書館、グランドピアノ型の音楽ホール、そしてブタ頭型のマイホーム。耳が”

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金澤翔子さんの魔法の言葉(1)

金澤翔子さんの魔法の言葉(1)

皆様こんにちは。
 
5月の第2日曜日は「母の日」でしたね。皆さん、何かされましたか?私は母と母のようにいつもかわいがってくださる叔母たちに、「そんなに高価じゃないけど自分ではなかなか買えないであろう」モノをあれこれ箱に詰め、手紙も添えて送りました。
 
いやぁ~こうして母の日にプレゼントができる、ということを当たり前だと思ってはいけない!ということがありましたので今年の母の日の仕掛けが(私にして

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金澤翔子さんの魔法の言葉(2)

金澤翔子さんの魔法の言葉(2)

皆様こんにちは。(前回のつづきです)
 
さて前置きが長くなりましたが、書家・金澤翔子さんを少々ご紹介。翔子さんは1985年生まれ。生まれてすぐにダウン症と診断されました。ダウン症は、正式には「ダウン症候群」といい、遺伝に関わる情報を持つ染色体の異常によっておこる先天的な疾患。染色体の数が通常46本のところ1本多く47本あり、その原因は医学的に解明されていません。
 
「ダウン症の子どもは天使」と

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金澤翔子さんの魔法の言葉(3)

金澤翔子さんの魔法の言葉(3)

皆様こんにちは。(前回のつづきです)
 
2回にわたり、大変お待たせをいたしました。ここでやっと、席上揮毫のあと行われた翔子さんのお母さまである金澤泰子さんのトーク話。神さまから1本多くプレゼントを授かってこの世にやってきた「天使」を、人間が育て上げるということはやはり大変だったそうで、子育て中イライラすることもやはりたくさんあったそう……
 
お母さまが怒りそうになると……翔子さんは笑顔で「じょ

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座りたくなる椅子(1)

座りたくなる椅子(1)

皆様こんにちは。
 
先日、近くの公民館にある図書室に立ち寄ったときのこと。入り口手前の特集展示が「わたしの部屋」になっていました。フムフム…と眺めつつ(あれ?どうして『3びきのくま』?)と少し不思議に思い、久しぶりに手に取りました。

『3びきのくま』は、元はイギリスの古い童話なのですが、日本ではロシアの文豪トルストイによる翻案絵本(発行元:福音館書店)がよく知られているかと思います。
 
さて

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座りたくなる椅子(2)

座りたくなる椅子(2)

皆様こんにちは。
 
突然ですが「いつかは座ってみたいイス」ってありますか?
 
あまり詳しくない私でもヤコブセンやイームズのデザイナーチェアはシンプルで美しいなって思いますし、近代建築の三大巨匠と呼ばれるル・コルビジェやフランク・ロイド・ライトが製作したチェアは、イスというよりも芸術作品のように思えます。
 
西洋の人たちは、たたみ文化のDNAを受け継ぐ日本人と「イス」に対する考え方が違うのでし

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何階建てがお好き?(1)いわいとしおさんのこと

何階建てがお好き?(1)いわいとしおさんのこと

皆様こんにちは。
 
突然ですが、みなさんは何階だてのおうちに住んでみたいですか?我が子は小さかった頃、「2階建てがいい!いや、私の部屋だけ3階にして」とよく言っていました。
 
“子どもあるある”かもしれませんが、我が家は平屋だったので、特に「何階だて(しかもこの”何”に入る数字が大きければ大きいほど嬉しい)」に憧れたのでしょね。そう言えば私もそうだったような気がします(が、年を重ねるごとに「や

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何階建てがお好き?(2)100階建ての家プロジェクト

何階建てがお好き?(2)100階建ての家プロジェクト

皆様こんにちは。
 
いわいとしおさんに『100かいだてのいえ』の読み聞かせをしてもらった後に、みんなで「海の中の100かいだてのいえ」を作りました。会場が瀬戸内海の島々が美しい町、牛窓だったため、建てるおうちも「海の中の家」バージョン!100人の子どもたちそれぞれ描いてから、それらの絵をつなげて、つなげて…見事100階になりました。
 

余談ですが、あとから一枚一枚、いわいとしおさんが描き手に

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何階建てがお好き?(3)いわいさんちへようこそ!

何階建てがお好き?(3)いわいさんちへようこそ!

皆様こんにちは。(前回の続きです)
 
いわいさんの子育て話、著書に書かれているのですが、ではここでその『いわいさんちへ ようこそ!』(著:岩井俊雄、出版:紀伊国屋書店)を少しご紹介。

シンプルな表紙をめくると、淡い水色をした八角形のような3階建ての窓から、女の子がこちらを見つめています。窓の外には背の高いグリーンカーテンのようなミニトマトとダンボールに書かれた看板。そこには「いわいさんちへ よ

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雨の日。子どもだからこそ(1)

雨の日。子どもだからこそ(1)

皆様こんにちは。
 
梅雨明け宣言が待ち遠しい昨今ですが、みなさま、お健やかにお過ごしでしょうか。雨の日ばかりだと、ヤル気がでにくいし、なかなか調子があがらない…洗濯ものだって乾きにくい!梅雨って嫌いだな~って思われる方、多いと思います。「いえいえ、お気に入りのレイングッズが使えるから、私は雨の日が大好き!」という方もいらっしゃるかも。
 
とってもステキですね。私もそうありたいのですが、家から舗

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雨の日。子どもだからこそ(2)

雨の日。子どもだからこそ(2)

皆様こんにちは。
 
そんな風にあれこれ雨の楽しみを先々取り上げてしまうくせに、「雨の日は、子どもたちが外遊びできなくて不完全燃焼気味だわ」って、つい憂鬱になってしまう。それ以前に、
 
「今の時代、日常的に子どもが自然の中でのびのびと心ゆくまで遊べるって難しいのよね」  「豊かな感性を育もうって言われるけど、それがなかなか難しいのよ」って、常日頃なんとなく思っていらっしゃるかもしれません。
 

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雨の日。子どもだからこそ(3)

雨の日。子どもだからこそ(3)

皆様こんにちは。
 
センスオブワンダーを気軽に刺激してくれる方法。その一つが「カメラ作戦」。大人だって、SNSが出現した時、まずはきれいな風景やお花などときめくものを撮りたくなりませんでしたか?
 
“ときめくものを撮りたい欲”が高まり、それに比例して”センス・オブ・ワンダー”が高まった方も多いかと思います。美しいと感じる気持ちが強まり、きれいな空や海、花や生きものを見るとバチバチ撮りたくなるの

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