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迷うのはいい。自由になるために迷うのです。
大学2年生の学生が東京農工大学教授にインタビューした記事です。
【学生】今、学生の皆さんに向けて伝えたいことは何ですか?
【教授】農工大の「農」と「工」って二つではあるのですが、それぞれの中の組み合わせは様々で十分すぎるくらいに可能性があります。自由度を表す有名な式で、「エントロピー」に関する式があります。この式を学生生活で用いて考えることを教えたいです。大学生になると、高校の時と比べて自由にな
研究は「道具」になる!大学で直接体験から学ぶ力を育てる
大学では学ぶ人(学生)が主役です。研究を「道具」とすることで、学生が成長するための効果的な学びが得られます。大学は組織的に学生の成長を支援する役割を担っています。
研究室は、学生が知識・スキルを自分で生み出すための仕組みを提供するところです。文献や指導教員の助言は大切ですが、あくまでも手がかりにすぎません。
本当に「使える知識・スキル」は、学生自らの直接体験を通して得なければなりません。自転車
間違った決断をすることができる場所を探す?成功につながる経験の作り方【Q&A】
Q: 成功の秘訣は何ですか?
A: 正しい決断をすることです。
Q: どうやって正しい決断をしますか?
A: 経験を通じて学ぶことです。
Q: どうやって経験を積みますか?
A: 間違った決断を恐れずに挑戦することです。
Q: 間違った経験を得るにはどうすればいいですか?
A: 間違った決断をすることができる場所や環境に出会うことです。
“If you want to be succ
「速い」企業研究から「遅い」学際研究へ:基礎研究の新たな可能性
近年、日本の企業は、基礎研究を大学に委託する傾向が強まっています。材料プロセスと微粒子工学の専門家である私は、広島大学で9年間、微粒子工学系の研究室で、20社以上の企業と共同研究を実施しました。その中で、LEDや二次電池の原料となる機能性材料の開発に取り組みました。ほとんどの企業が四半期決算制度を使用しているため、それらの共同研究は、企業のスケジュールに合わせた「速い」ものでした。「速い」スケジュ
もっとみる(研究室紹介2022)農学のための微粒子工学:材料合成から環境・生物応用まで
1.研究室の概要
2007年1月に(国立大学法人)東京農工大学で研究室を立ち上げ、これまで50名以上が卒業・修了し、多種多様な分野で活躍している。現在(2022年)は14 名の学生(卒論生3名,博士前期5 名,博士後期6 名)が在籍している。
2.研究内容
微粒子工学が専門である。気中または液中に浮遊する粒子の挙動に着目し、粒子材料の省エネ型の製造法とその量産化やナノ粒子の粒径計測・熱分析法
ノーベル賞受賞者が使用した実験室
2000年に米国Yale(イェール)大学で数か月間、研究をする機会をいただきました。そのとき与えられた実験室は、その2年後にノーベル賞(2002年、化学)を受賞したFenn教授が過去使用していたもの(写真のMason Lab, 1Fにある実験室)であり、光栄に感じました。
全米のトップ大学には華やかなイメージがありましたが、このような実績のある研究室でありながら、意外にもシンプルな様子に驚きまし
日本の教育に留学生がもたらす価値: An Investment in the Future
私は政府派遣奨学生として日本の魅力を知らないまま来日し、日本語学校、学部、大学院を経て、教員という立場となりました。学部生の時は日本になじめず苦労しました。
各国からの留学生や外国人研究者を受け入れるようになった今疑問をもつようになったのは、多くの大学等の機関が留学生を受け入れる目的を、留学生は日本を選び留学する目的を、深く考えないまま、政策主導で留学生が増えている現状です。長期的なビジョンがな
見えない敵を排除?0.3μm以下の物質がもたらす安心生活
人間の目に見える波長は300から800 nmまでとされ、0.3μm以下の物質は肉眼で見えない。省エネ型照明素子の白色LEDに使用される蛍光体粒子の場合、工業的にbreak-down型の粉砕法で製造された数μmの粒子(粉)が使われている。理論的には0.3μm以下の蛍光体粒子を使えば、光の散乱が減り、LED素子のエネルギー効率が高まると考えられる。しかし、粉砕(微粒化)を用いた物質の微細化には高いエネ
もっとみる適正技術の研究教育で世界の課題解決に挑む
私がエアロゾル(気体中に浮遊する微粒子)の研究と出会ってから約10年が過ぎた頃のことです。「ナノ粒子」国家プロジェクトに関わる中で自分たちが開発する「テクノロジー」はどの国のモノとなるかが気にかかるようになりました。日本から24時間以上離れたある鉱物の採掘現場に足を運んだとき、そこで暮らす人々の生活や環境破壊を目にしました。一方、研究開発サイトである日本では、鉱物成分を用いた材料の性能を向上するこ
もっとみる研究者のジレンマ:技術開発と環境保護の両立
電子材料の研究開発が速い
私は25年前から微粒子工学を研究してきました。 1998年から2006年まで、私は(日本人の)教授が大学の研究グループを運営するのを補佐しました。 この間、インドネシアからの博士課程後期の学生の受け入れるルーツを再開する機会が与えられました。 2001年から2006年は、ナノ粒子に関する国家プロジェクトに関与した10社の約15人のスタッフを含む40人以上の構成員で最も忙
多様性を活かす研究室づくり
東京農工大学で研究室を立ち上げた時(2007年)から、異分野や異文化を含んだ多様性のある研究室であるよう心掛けてきました。以前は私自身が外国人であり異文化であることは弱みであるとしか感じられませんでしたが、今はアイデンティティの一つとして認められる時代になったと感じています。
研究室の多様性を維持するのは簡単ではありません。博士課程前期(M)や学部卒論生(B)は内部進学者であることが多いので、
発芽、まつ。学生も教員も共に成長する
東京農工大学で研究室を立ち上げてから15年が過ぎました。研究室の運営方針として「徹底的に自主性を重視する」を掲げたところ、本研究室を希望した学生たちの多くが強い個性を持っています。研究室では学生が自主性を持って研究テーマを組み立てるため、教員の指示を待つタイプの学生はいません。そのため2020年のパンデミック時も、大学に来なくても研究ができる方法を各自が考えるなど、研究活動は止まることはありません
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