適正技術の研究教育で世界の課題解決に挑む
私がエアロゾル(気体中に浮遊する微粒子)の研究と出会ってから約10年が過ぎた頃のことです。「ナノ粒子」国家プロジェクトに関わる中で自分たちが開発する「テクノロジー」はどの国のモノとなるかが気にかかるようになりました。日本から24時間以上離れたある鉱物の採掘現場に足を運んだとき、そこで暮らす人々の生活や環境破壊を目にしました。一方、研究開発サイトである日本では、鉱物成分を用いた材料の性能を向上することであり、そのゴールは自動車や携帯型電子機器の性能向上であるという現状に疑問を感