はがの森

人類学を学んだミレニアムベイビーは服飾学生になりました🪡 大好きなみんなの服を縫うこと…

はがの森

人類学を学んだミレニアムベイビーは服飾学生になりました🪡 大好きなみんなの服を縫うことが夢です 💫💫💫

マガジン

  • 魔法使いの弟子日記

    服の魔法を使えるようになるために、洋裁学校のことや、その時の気持ちをツラツラ紡ぎます。

  • たおやか日記

    恋人との健やかな日々を紡いでいきます。 SNSをやっていない人なので、記念日にまとめてお披露目しています。 「彼氏・彼女」ではなく「恋人」という言葉にこだわっていると話したら、「俺も友達に恋人って言うようにしている!」って教えてくれました。

  • はがの思想

    普段考えたこと・感じたことを自由に綴っています。

  • 添削エッセイ

    文化・社会特殊講義という大学の講義では、毎回エッセイを提出し、教授に添削してもらいます。 先生からのアドバイスを元に、書き直したエッセイをまとめました。

  • 国内交換留学日記

    国内交換留学での思い出や出来事を書いています。忘れないように、尊い半年間にするために。

記事一覧

グラニースクエア

もこもこ、ふわふわ、きゅっきゅっ、ちゅるん。 多様な糸に囲まれて、ただただ手を動かす。 この毛糸に触れている時だけは、確かに、私が私でいられるような気がして。 …

はがの森
6日前
8

生存確認程度のことでも尚

ただの学校終わり。 家の目の前に救急車が止まっていた。 向かいのお婆ちゃんは元気に水やりしていたから、きっと私のアパートの誰かだ。 一人暮らしの人ばっかりだろう…

はがの森
13日前
4

ふぃ!

ただ少しおすすめに出てきたから。 ちょっと見てみよう。 ほんとうに軽い気持ちだった。 ふーん、新曲ね。どれどれ。 ふーん、番組やるんだ。ちょっと見てみるか。 ふー…

はがの森
3週間前
6

ちゃんと、自分の脚で

am 4:50 梅雨入りに相応しい激しい雨。 雨の匂いを嗅ぎたくて、ほんの少し窓を開ける。 夜と朝の狭間で、雨の音だけが、部屋に響く。 蒼い光越しに見る君の横顔があまり…

はがの森
1か月前
6

「じゃあ、君の雑貨屋は辞めるってことですね」 そんなの続けたいに決まっているじゃないか。 でも、まずはちゃんと働きたいと思ったから、 御社を受けたのですよ。 あ…

はがの森
1か月前
4

君を知るための衣服

君を、知るため。君の世界を教えてほしいの。 君と生きる温かな未来を、共に創るための衣服。 ❄︎ ❄︎ ❄︎ 多様性が認められつつある現代社会。 けれど、その実態は…

はがの森
1か月前
14

HELLにあ

こんなことしてる場合じゃないのに。 大事な時に限って私の体は言うことを聞かない。 ヘルニアだと言われて、もうすぐ一週間になる。 毎日、だくだくの汗と、さながらロ…

はがの森
1か月前
7

個性だなんて

「あんまり個性を出し過ぎないように」 貼り付けたような笑顔と当たり前のような口ぶり が今も脳裏を焼きついて離れない。 第一志望だったブランドのOB訪問。 “ポート…

はがの森
2か月前
9

これさえあれば

今、私たちに一番の試練が押し寄せている。 何度も無理だと押しつぶされそうになるけれど、 そのたびに優しく光る薬指がそっと力をくれる。 大丈夫。うちらなら、絶対や…

はがの森
2か月前
11

言葉の奥行き

「このエッセイ、ゆきっぽくて非常に良いね」 去年と同じ場所、同じ時間、同じ服装の君に、 1年間かけて綴ったラブレターを本にして渡した。 時間をかけて、丁寧に読み進…

はがの森
2か月前
12

踊り場

結婚に大きな願望を抱いたことは無かった。 好きな人と末永く一緒にいられたら、それだけでもう十分じゃないか。 けれど、周りの子達は、最近急に具体的な話をするように…

はがの森
3か月前
12

てまひまてまひま

私の悪い癖。 すぐに簡単な方法を模索しようとするところ。 授業時間内に終わらせるために、課題の〆切を守るために、クラスメイトから遅れを取らないために。 「どっち…

はがの森
3か月前
5

君が初恋じゃなくて死ぬほど良かった

もっと昔の君と出会えていたら… お揃いの制服で2人乗りする高校生を見て、ふいにパラレルワールドの私達へ思いを馳せる。 バド部の君と、吹部の私。 朝は一緒に登校し…

はがの森
3か月前
19

だからライバルなんだって

「まつり縫い大丈夫かな?ってちょっと心配」 いつも通りの屈託のない顔で笑いかける。 分かっていることや、もっと出来たことばかりを そうやって純度100%の親切心で伝…

はがの森
3か月前
9

溢れんばかりの春を揺らそう

「あれ、なんでいるの!え!どうしよ!」 今日に限ってJRではなく、御堂筋だった私。 自転車を置いた君にばったり会った。 予定よりも早く会えてラッキー!なんて思って…

はがの森
4か月前
10

不確定な未来の内側で

その微笑ましい君の横顔を見るたびに、あぁ、 いつかちゃんと言わないとって思ってしまう。 悪いことをした訳じゃないのに、騙しているみたいでモヤモヤする。 最寄りの…

はがの森
4か月前
14
グラニースクエア

グラニースクエア

もこもこ、ふわふわ、きゅっきゅっ、ちゅるん。

多様な糸に囲まれて、ただただ手を動かす。

この毛糸に触れている時だけは、確かに、私が私でいられるような気がして。

だからか。

❄︎ ❄︎ ❄︎

なんだか、急にバッドなムーブから抜け出した。

来年からどこで働くかも決まっていないし、
毎日やらなきゃいけないことは山積みだし、
あの頃から何かが劇的に変化したわけでもない。

ただ、なぜだか急に、

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生存確認程度のことでも尚

生存確認程度のことでも尚

ただの学校終わり。
家の目の前に救急車が止まっていた。

向かいのお婆ちゃんは元気に水やりしていたから、きっと私のアパートの誰かだ。

一人暮らしの人ばっかりだろうから、相当大変だろうに。

会ったこともない人に余計な心配をしている時、
ふと嫌な妄想をしてしまった。

もし、私が倒れても、恋人は助けに来ないだろう。

そして、それは逆も然り。

私達は、互いに連絡不精で、ラインが3日空くことだって

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ふぃ!

ふぃ!

ただ少しおすすめに出てきたから。
ちょっと見てみよう。

ほんとうに軽い気持ちだった。

ふーん、新曲ね。どれどれ。
ふーん、番組やるんだ。ちょっと見てみるか。
ふーん、メイキングね。なるほど。かわいい。

あれ、なんか、めちゃくちゃ好きになってる??

ガチャン。新しい扉の鍵を開けた音がした。

「わたしのいちばんかわいいところ」

こんなキャッチーな歌詞を、誰もが一度は聴いたことがあるんじゃな

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ちゃんと、自分の脚で

ちゃんと、自分の脚で

am 4:50 梅雨入りに相応しい激しい雨。

雨の匂いを嗅ぎたくて、ほんの少し窓を開ける。
夜と朝の狭間で、雨の音だけが、部屋に響く。

蒼い光越しに見る君の横顔があまりにも綺麗で。

いつまでも、この静かな隙間が続けば良いのに。
ずっと、君だけを見ていられたら良いのに。

なんてね。

❄︎ ❄︎ ❄︎

最近、ほんとうにバッド続きな気がする。

天気の悪さに比例して、腰もギュッと痛くなるし

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棲

「じゃあ、君の雑貨屋は辞めるってことですね」

そんなの続けたいに決まっているじゃないか。

でも、まずはちゃんと働きたいと思ったから、
御社を受けたのですよ。

あなたならって、そう思ったから。なのに。

❄︎ ❄︎ ❄︎

最近、気になっていた会社の2次面接を受けた。

「世界で作って世界で売る」なんて壮大な会社。

憧れのテキスタイルデザイナーになれるなら、
温かな衣服を、より多くの人に届け

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君を知るための衣服

君を知るための衣服

君を、知るため。君の世界を教えてほしいの。

君と生きる温かな未来を、共に創るための衣服。

❄︎ ❄︎ ❄︎

多様性が認められつつある現代社会。

けれど、その実態は?

多様性という言葉が一人歩きして、私たちの意識は何も変わっていない。

相変わらず戦争や搾取は起こり続けているし、
毎日どこかで争いが起こっている。

自分の中の善悪を押し付け合った諍いは、一向になくなる気配が無いじゃないか。

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HELLにあ

HELLにあ

こんなことしてる場合じゃないのに。

大事な時に限って私の体は言うことを聞かない。

ヘルニアだと言われて、もうすぐ一週間になる。

毎日、だくだくの汗と、さながらロボット歩きで
“ただ普通に歩くこと”が、どれだけ素晴らしく、
尊い行為だったのかを毎秒思い知らされる。

たった少しの階段が、途方もなく高い壁に見えて
数メートル先のコンビニが、果てしなく遠い。

同じ姿勢と大荷物が腰に負担だからと言

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個性だなんて

個性だなんて

「あんまり個性を出し過ぎないように」

貼り付けたような笑顔と当たり前のような口ぶり
が今も脳裏を焼きついて離れない。

第一志望だったブランドのOB訪問。

“ポートフォリオを作成する上で注意すること”を
尋ねると「個性を出し過ぎないこと」だと言われた。

あまりにも普通のことみたいに言うから、この
違和感に気付くまで、1ヶ月もかかってしまった。

これほど大好きなブランドなのだから、きっと、

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これさえあれば

これさえあれば

今、私たちに一番の試練が押し寄せている。

何度も無理だと押しつぶされそうになるけれど、
そのたびに優しく光る薬指がそっと力をくれる。

大丈夫。うちらなら、絶対やれるよって。

❄︎ ❄︎ ❄︎

ファッションショーまで、残り2週間。

人類学のエッセンスを、最大限ファッションに
落とし込んだブランドをお披露目する。

誰もが、着るだけで他者の存在を意識できる服があれば、この世界はもっと温かくな

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言葉の奥行き

言葉の奥行き

「このエッセイ、ゆきっぽくて非常に良いね」

去年と同じ場所、同じ時間、同じ服装の君に、
1年間かけて綴ったラブレターを本にして渡した。

時間をかけて、丁寧に読み進める君の横顔が、
この世界の何よりも美しいと思う。

初デートに感じた忘れられない胸の高鳴り、
中々会えずに淋しくなってしまったあの夜、
離れていてもそばにいると実感した日のこと。

木漏れ日の中で、共に振り返る思い出達は、
1人で綴

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踊り場

踊り場

結婚に大きな願望を抱いたことは無かった。

好きな人と末永く一緒にいられたら、それだけでもう十分じゃないか。

けれど、周りの子達は、最近急に具体的な話をするようになって。

今の彼氏と2年後に結婚する約束をしているとか、
もうすぐ同棲を始める予定だとか。

ついこの間まで制服を着ていた女の子たちが、次々に結婚へ向かっているという現実に、すごく焦りを感じてしまう。

そこまで興味もなかったはずの”

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てまひまてまひま

てまひまてまひま

私の悪い癖。
すぐに簡単な方法を模索しようとするところ。

授業時間内に終わらせるために、課題の〆切を守るために、クラスメイトから遅れを取らないために。

「どっちのやり方なら私でも出来ますか…?」
1年生の頃、複数の選択肢が迫った時に、私はこの言葉を何度も使っていた。

リボンの通し方、ポケットの作り方、裾の始末。
その度に、先生は簡単なやり方を教えてくれた。

けれど、どれだけカタチになったと

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君が初恋じゃなくて死ぬほど良かった

君が初恋じゃなくて死ぬほど良かった

もっと昔の君と出会えていたら…

お揃いの制服で2人乗りする高校生を見て、ふいにパラレルワールドの私達へ思いを馳せる。

バド部の君と、吹部の私。

朝は一緒に登校して、廊下で手を振って、帰りは公園でお喋りした後、家まで送ってくれる。

みたいな。

君は優しいから、演奏会は毎回必ず顔を出してくれるはず。

「泣いてないもん」
なんて言いながら、きっとボロボロ泣いて定期演奏会の感想を教えてくれるん

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だからライバルなんだって

だからライバルなんだって

「まつり縫い大丈夫かな?ってちょっと心配」

いつも通りの屈託のない顔で笑いかける。

分かっていることや、もっと出来たことばかりを
そうやって純度100%の親切心で伝えてくる度に、
心の奥底が、張り裂けそうになる。

だって、私にとって、あなたは永遠のライバルなのだから。

❄︎ ❄︎ ❄︎

ものづくりへの憧れは、母の背中からだった。

ピアノの発表会は、毎年母の作るドレスを着て、
図工や自由

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溢れんばかりの春を揺らそう

溢れんばかりの春を揺らそう

「あれ、なんでいるの!え!どうしよ!」

今日に限ってJRではなく、御堂筋だった私。
自転車を置いた君にばったり会った。

予定よりも早く会えてラッキー!なんて思っていたのに、なんだか君はオロオロ落ち着かない…

大丈夫??なんかあった??

「実は、会った時にお花渡したくて…買いに行く途中で…間に合わなくてごめんね」

なんてこった!!!

私が1番好きだと言ったお花を覚えていてくれて、バレンタ

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不確定な未来の内側で

不確定な未来の内側で

その微笑ましい君の横顔を見るたびに、あぁ、
いつかちゃんと言わないとって思ってしまう。

悪いことをした訳じゃないのに、騙しているみたいでモヤモヤする。

最寄りのバス停の前には、小さな保育園がある。

バスが来るまでの間、ガラス越しに見える小さな生き物達を眺めては、勝手にアフレコをするのが私達の日課だ。

上手に靴が履けなくて泣いている子や、それを
手伝ってあげる優しい子。

そして、彼らを愛お

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