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生存確認程度のことでも尚
ただの学校終わり。
家の目の前に救急車が止まっていた。
向かいのお婆ちゃんは元気に水やりしていたから、きっと私のアパートの誰かだ。
一人暮らしの人ばっかりだろうから、相当大変だろうに。
会ったこともない人に余計な心配をしている時、
ふと嫌な妄想をしてしまった。
もし、私が倒れても、恋人は助けに来ないだろう。
そして、それは逆も然り。
私達は、互いに連絡不精で、ラインが3日空くことだって
君が初恋じゃなくて死ぬほど良かった
もっと昔の君と出会えていたら…
お揃いの制服で2人乗りする高校生を見て、ふいにパラレルワールドの私達へ思いを馳せる。
バド部の君と、吹部の私。
朝は一緒に登校して、廊下で手を振って、帰りは公園でお喋りした後、家まで送ってくれる。
みたいな。
君は優しいから、演奏会は毎回必ず顔を出してくれるはず。
「泣いてないもん」
なんて言いながら、きっとボロボロ泣いて定期演奏会の感想を教えてくれるん
だからライバルなんだって
「まつり縫い大丈夫かな?ってちょっと心配」
いつも通りの屈託のない顔で笑いかける。
分かっていることや、もっと出来たことばかりを
そうやって純度100%の親切心で伝えてくる度に、
心の奥底が、張り裂けそうになる。
だって、私にとって、あなたは永遠のライバルなのだから。
❄︎ ❄︎ ❄︎
ものづくりへの憧れは、母の背中からだった。
ピアノの発表会は、毎年母の作るドレスを着て、
図工や自由