不確定な未来の内側で
その微笑ましい君の横顔を見るたびに、あぁ、
いつかちゃんと言わないとって思ってしまう。
悪いことをした訳じゃないのに、騙しているみたいでモヤモヤする。
最寄りのバス停の前には、小さな保育園がある。
バスが来るまでの間、ガラス越しに見える小さな生き物達を眺めては、勝手にアフレコをするのが私達の日課だ。
上手に靴が履けなくて泣いている子や、それを
手伝ってあげる優しい子。
そして、彼らを愛おしそうに見つめる君の横顔。
本当は子供好きなこと、見ていれば分かる。
昔から子供が苦手だったけれど、大好きな君に
そっくりな子なら、育ててみたいかも。
なんて、烏滸がましく望んでしまうことがある。
だけどね。
私には、君をお父さんにしてあげられる保証が、限りなくゼロに近い。
生理不順は改善されたけど、肝心ソレまで完治したわけじゃない。
これを言ったら、君が離れていくんじゃないか。
だって、君の描く理想の未来じゃないから。
それを理由に振られた女の子をドラマで観てから不安でたまらなくなってしまった。
旅行終わり、ヘトヘトお布団の中で、本当にさりげなく、聞いてみた。
病気のことは言わずに、あくまでも“if”として。
間髪おかず、当たり前のように話す君の言葉が、
私の心をまあるく包み込む。
やっぱり君なら大丈夫。そう思える何かがある。
だから、ちゃんとifじゃないって伝えなきゃ。
その時も、今日と同じ言葉をくれますように。
もうすこし、もうすこしだけ時間をください。
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