お題

#眠れない夜に

夢のような話、目を閉じるのが怖くなる怖い話……。夜に読んでほしい物語を投稿ください!

急上昇の記事一覧

小説 | 天才少女ルナの物語②

前話はこちら(↓) 「これは女神ビブリオン・モーヴだ」  ソフィアは興奮していた。    こんなに遥か昔からビブリオン・モーヴがいたなんて。  ソフィアは自分の持つすべての知識を動員して、ビブリオン・モーヴという女神の発祥がここオークニーだとしたら?、という仮説をたてた。  すると、後世のギリシア・ローマ世界とヨーロッパ世界との間の、失われた歴史のピースが次々と埋まっていくのだった。逆にこれほどうまく説明できるのが怖いくらいであった。 「いや、ちゃんと検証しなくちゃダ

【詩】空を見上げた日

大きな空を見上げて 青い空の間を飛んでく飛行機 どこまで飛んでく ぐるんと回って飛行機雲 夢を乗せて いつの日か 大きな空から街を見たい 大きな空を自由に走る 白いもくもく ひつじ雲 後から後から追いかける 空を見上げた昼下がり 青い空に白い雲 #詩 #自由詩 #詩歌 #創作 #短編 #空の日 #スキしてみて #眠れない夜に

中秋の名月

 二〇二四年。九月一七日。中秋の名月の日。夜も遅い時間にそっとベランダに出る。家族の人が目を覚まさない様に足音と気配を殺して外に出る。ベランダに出れば其処は宵闇の景色。そして宵闇の空にポツリと浮かぶ中秋の名月。圧倒されてたった一つ息を飲みこんだ。宵闇も中秋の名月も何度見ても華美ではないのに秀麗で全てが引き込まれる。現在、想い浮かんた感情も。ずっとコトリと抱え込んだ心の片隅に散らばる不安も。上手い言ノ葉でどうしても紡ぎたいのに紡げない。言ノ葉で紡ぐが稚拙でチグハグでちっぽけな言

鹿狩 【詩/現代詩】

午後になると 鹿狩に出かける 川崎駅東口には 気取らない鹿がいる 素行の悪い野犬もいる 銃口を光らせて立つ非常階段 灰色の熊が多い 襟巻きをした狐もいる 内臓はカレーのにおいがした 電車が空中を走る 「世界一まずい蕎麦屋」でトリ蕎麦を デパート前の停留所に 鹿が近づく クリクリしたかわいい眼 痩せ形 角と尻尾と立髪がよじれる交差点 電線でウグイスが鳴き 引き金に油汗 こめかみからも ガード下でレッサーパンダの演説 公務員アパートの悲劇を語る 電車が空中を走る音 年老いた

「人殺し」を楽しむ……

 今も、世界で繰り広げられる戰や、国内にあっても殺人事件などのニュースに接すると誰でも暗澹たる気分に沈むだろう。  どこの誰に問うても、「人殺し」を喜ぶ人間など皆無のばすと信じたい。  しかし……我々は期せずして、「人殺し」を楽しんでもいるのだ。  ドラマや映画……はたまたアニメに於ても、多くの「人殺し」が繰り広げられている。 戦記モノなどは、大量虐殺もマレではないし、いかに残虐にいかに大量の人間を、よりリアルに殺し続けるか……演出の見せ所なのだ。中には、殺し屋が主役を

詩|朝のあしおと

「おいで」とわたしを呼ぶ声は 明け方の湖のように透明で重厚で 真夜中の月のように凛としている 恋人の肩に顎をのせて 今日という日がどんなだったか とろとろと話をする時間は 少し憂鬱で 少し哀しくて 少し幸福だった まるで気まぐれな猫のように 時々毛繕いなんかをしながら そんなひとときを過ごす 恋人に頭を撫でられるだけで 満ち足りた気持ちになってしまう そんな簡単な自分に少し腹が立った 朝が近づいてくると 部屋に散らかった感情たちが 行き場を失ってウロウロし始める 今

小説 | 天才少女ルナの物語①

 今となっては昔のことだが、ルナという一人の天才少女がいた。  Lunaが生まれたのは、古代遺跡が多く残るイギリス・オークニー諸島。  この島々には、数多くの古墳が点在しているが、非常に謎の多い地域だ。  シーザーがルビコンを渡るよりも、もっとずっと遥か遠い時代。いや、それどころか、フェニキア人が交易により栄えた頃よりも、もっと古い時代の遺跡が眠っている。  時折、古墳から土器や石器が発見されることがある。もちろんその当時は、英語という言語は存在しなかった。フェニキア

書こうとして忘れそうになる、わたし。

秀逸なアイデアが浮かぶ瞬間のことを、 天使が舞い降りる瞬間と誰かが言った。 何か書こうと思って 天使が舞い降りるがごとく、 書く内容を、気持ちよく忘れた。 (※↑お疲れさまでした。もう寝てください。) マジで何書く予定やったんやろ… まったくもって、思い出せない。 先日の記事で、気持ちよく爽快に 下ネタをぶっ放した報いだろうか。 (※↑創作の天使もお前の側に降りたくないて) もう私はとっくに、 創作の天使に嫌われているのかもしれない。 いや、知らんけど ←※

いつ終わりが来ても

ご報告。 想いを込めた手紙、彼に読んでもらうことができました。 驚くくらい涙をぽろぽろと溢すわたしのそばで、 ''俺も泣いちゃうよ〜、、'' と言いながら丁寧に手紙を読んでくれる彼。 ''ありがとう。すごく読みやすい、分かりやすい手紙だった。時間をかけて書いてくれたんだよね'' そう言って受け止めてくれた。 彼の好きなところ、大切だからこそ幸せな結婚をしてほしいということ、それができないならわたしが幸せにするからわたしを選んでほしいということ、などを書いた手紙。

わかりづらい愛の表現

夏、久しぶりに父方の祖母の家を訪ねた。祖母は長男(つまり私の父の兄)と二人で暮らしていて、祖父は五、六年前に他界していた。私の両親と妹、父と一回り歳の離れた叔父とその妻と子どもたちが集まった。 祖母は少し、というかだいぶ変わっている。どう説明すれば伝わるだろうか。祖母の家には時計が五つくらいあってすべてが違う時刻を指しているとか、白い猫を五、六匹飼っていて見分けがつかないというのでそのうちの一匹の額に緑の油性ペンで眉毛を描き足しているとか、そんなことを言えば伝わるだろうか。

何度でも

#小説 #短編小説 #イヤミス #何度でも 

【詩】雨降る日のこと

窓を打つ雨 空は黒く染まり 心をかきむしる 深呼吸 落ち着くまで #詩 #自由詩 #詩歌 #創作 #短編 #雨 #スキしてみて #眠れない夜に

宝石が降る空に願う。

宝石をみて 「透明だ」って言いたいんじゃない。 光にかざして 「虹色だ」って言いたいの。 だから晴れて。今すぐに。 然有琉 湊(さあり みなと)

【ショートショート】箱

 顔を上げると、街路灯の白々とした明かりがぼんやりと、アスファルトの道を丸く照らしていた。近づくにつれ明かりは明度を増し、茶色く腐食した支柱の根本を、かさぶたのように浮かび上がらせた。  ――蹴ってやろうか。  私は右足を後ろに引いたが、蹴るための動作から歩くための動作へと切り替えた。馬鹿馬鹿しい。今どき子供でもそんなことしないだろう。それに、そう。あの茶色く腐食した柱を蹴ったら、ぐしゃ、と音がして、膿を潰したように中から何か、どろりとしたものが出てきそうだ。そんな気がする。

私とnote83 「おめでとう」はなくても、あなたは素晴らしい

※先にお詫びしておきます。 あくまでも私の考えなので、もし、気分を害される方がいたら、ごめんなさい😹 創作大賞中間選考結果が発表された。 私はこれまで、真剣に応募を考えたことがなかったが、今回は「ホワイトな学校へ」をまとめなおして応募してみた。 通るとは思っていなかったし、もちろん通らなかったけれど、通らなくて残念とは思ったが、悔しいという気持ちはなかった。 たぶん、私は、賞を取ることが目的ではなく、自分のこれまでやってきたことをまとめることが目的だったからだと思う。 ま

詩 : おじぎそう(含羞草・辞儀草)

「おじぎそう(辞儀草)」 普段は何処にでも観る様な 羊歯の草のように 見過ごしてしまいそう こんにちはって 撫でると 全ての葉っぱを折りたたみ 恥ずかし気に お辞儀をしているように見える 花の姿は 線香花火のように 愛しい丸さで どちらから見ても愛らしい 照れているような 二人の関係に似ているね 挨拶上手な お辞儀草… #おじぎそう #含羞草 #お辞儀草 #草花 #かわいい #ポエジー #自由詩 #現代詩 #イラスト #ChatGTP #画像生成AI #現代詩 #p

光のわっかに いるような こんなにあかるい お月さま やさしい灯りを あびたので 今夜はぐっすり 眠れるかしら どなたさまも よいゆめを

日記2024/09/20

⬛︎移動をした 明日は群馬。 山人音楽祭。 我々が暮らす 東京の街からも さほど遠くはないから 当日に行けることは 行けるんだけれど、 過去、 渋滞にハマり めちゃくちゃギリギリに着いたりとか そう言ったこともあったので 念の為に 前乗り。 まあ当日は 普通に渋滞も予想されるし 朝も早いことなので これが最適解 と 言えるのではないかと思う。 夕方の東京の街 慌ただしい車の流れ 少しずつ 街灯や窓にあかりが灯りはじめ 高速道路から見る街並みは なんとも味わい深いものだ

【物語】共演者の舞台裏 

       舞台裏へのご案内 この度は、こちらの作品にお越しいただき、誠にありがとうございます。 ○この作品は、『【物語】共演者』をご覧になってからお進み頂くことをお勧め致します。目次より、『【物語】共演者』へご案内いたします。 ご準備いただけましたら、 どうぞこちらにお入りください。 【物語】共演者 ※この下から『【物語】共演者の舞台裏』となります。 【物語】共演者の舞台裏 ~始まりのチェロ~ 最初は、背中の温かさ。 次に、わたしを圧倒する光。 そ

【イラスト集】AI×手描きポートレートの世界 第十四弾

〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜 このたびから題名を変更致します。"AI×手描きポートレート" 様々な加工アプリを駆使しておりますが、前回から導入したアプリ "You Cam AI Pro:Art Generator" サブスクリプション年額:¥4,500 今までは手描きで補完していたポートレート作品ですが より精緻に仕上げ、お届け出来るのではないかと思っております。 それでは作品発表致します。 #71 門脇麦さん(女優) 天に向かってまっすぐに伸

オーロラのうたかた時間

夏休み明けの学校の帰り道、自分の影を見つめながら歩く。久しぶりに顔を合わせた友達と、はしゃぐ同級生たちが眩しかった。入学したらすぐに友達ができて、夏休み中も友達と遊び回っているはずだったのに。人見知りが激しく口下手な私は、結局1人も友達が作れないまま2学期に突入してしまった。 強烈な日光が首の後ろを焼いている。自分を変えるって、どうしたらいいのだろう。行動を変えればいいのだろうか。自分がやりそうにないことをやってみる、とか? ぐるぐると考えながら歩く。ふと顔を上げた時、可

note創作大賞2024【お仕事小説部門】中間選考通過しました♪

約3ヶ月前に応募した「note創作大賞2024」のお仕事小説部門の中間選考を私の書いた小説が通過した。 最初gmailに気づいたときには、もう一瞬思考停止してしまった。けど次の瞬間に私は飛んでいた。 そう、うれしくてうれしくて、滞在中のタイ、チェンマイの舗装されていない道路の地を踏みしめて、本当に飛んだ。 もちろん、私の背中に鳥のような羽根などついていないし、脚力はほぼゼロといっていいので、飛んだといってもたかが10センチ程度などだけれど、うれしいとき、人は本当に飛ぶの

スースーとネルネル

その夜、ウサギはベッドの中でじっと天井を見つめていた。窓から差し込む月明かりが、部屋全体を柔らかく包み込むように照らしている。彼女の瞳はいつの間にか暗闇に慣れ、静かに夜の静寂を見つめていた。 今日も一日、精一杯やり遂げたはずなのに、なぜか今夜はまぶたが重くならない。体は疲れているはずなのに、頭の中は何かを探し続けているようだった。 彼女は深く息をついて、そっとベッドを滑り降りた。足音を立てないように小さな本棚の前に立つと、一冊の絵本に手を伸ばした。 「眠れない夜にはこの本

【創作】城の地下通路で【スナップショット】

すごい埃だ 本当に この先に倉庫などあるのだろうか この古地図ではそうなっている 何か魔物でも出そうではないか 見たことがないから分からない あるいは宝箱でも それはあるかもしれない これだけ古い城なのだから だが我らが探しにいくのも ある種の宝と言えるかもしれない この国の地形、鉱脈、気候といった 古代の先人が国を治めた知恵がつまった 文書だ これがあれば 多くの問題は解決する 大臣閣下に多くの策を上申できるし 戦争にはやる騎士団連中を

されど「アナログ」……

 テレビ等を見ていると、どうも「アナログ」を茶化すシーンに出くわす。 調子の悪いパソコンを叩いたりしている図である。  思えば、かって映りの悪いテレビを叩くという非常手段があったはず。今は昔の、昭和レトロの紙芝居である。    かく「アナログ」的姿勢、感性は古く、オジン臭く、垢抜けない……とでも言いたいらしい。  「アナログ」の対局が「デジタル」であることは言うまでもない。  「デジタル」の方が、スマートで若々しく、最先端なのだろうか?  もちろん「アナログ」「デジタ

決意表明 _ 詩

夢を膨らませて そのまま浮かんでしまえば 燻る胸もショートした脳も 関係ない所まで飛んで行く 闇が押し寄せて 負のままの僕を誘い込むけど 嫌がる羽根もロードした記憶も 関係ないくらい夢中でいたい ついでに膨らませた頬が 僕の決意表明代わりだ 月蝕くらい偶発的な衝動でも 電飾くらい無機質な光明でも 夢を膨らませて このまま飛び出してしまえば 了

写真と民俗【白雲山・鳥居観音】

※この記事は約4分で読めます どうもメダカです初めましての方は初めまして。 今回は白雲山・鳥居観音に行ってきました。 白雲山・鳥居観音埼玉県にある白雲山・鳥居観音を知っていますか? 割と有名なので知ってる人も多いかもしれません。 埼玉県飯能市にある寺で、広さは約30ヘクタール(東京ドーム約6.5個分)。 埼玉百選に選ばれている観光名所で、開祖である平沼彌太郎が30年以上かけて作られた、山がまるまる一つ巨大な寺院となっています。 鳥居観音とは神社なのか寺なのよくわからな

もう一度だけ _ 詩

その鏡を割るのを躊躇うのは何故 本当はすごく怖いから 二人きりですごく寂しいから 屈託のない瞳が眩し過ぎるから イメージの外殻と形容が仲違うから 東の空にも輝けそうなあのピアスを失くしたから 割れた破片にも自分を投影するから この心の水平線は一ミリも映りはしないから あの涙の彗星なんて鏡越しに見ても仕方ないから 見ているようで実は鏡像を見ていないから ただ、躊躇っていることはわかる まだ、漂っていたいのだと気づく 死んだ珊瑚が緩い海流に身を任せるように 生きて生きて生きてそれ

『神様だって観たいのよ』

武田君の出勤が早くなった。 毎日、毎日少しずつ早くなっている。 仕事も早い。 やるべきことはテキパキとこなしている。 来週までにと依頼した企画書は、週の半ばには出来上がっている。 動作も早い。 社内をいつも早足で、忙しそうに歩き回っている 昼休みも半分くらいで戻ってくる。 「武田君、少しはゆっくりしたらどうだい」 心配した上司が声をかれると、 「ボクハフツウナンデスケレドモ、ミナサン△□※※■▶︎※…」 最後は早口でうまく聞き取れなかった。 定時までには、仕事を片付けて帰って

ずっと待ち望んでいた2025年 きょうはその前哨戦のような配置の日 2025年を彩る冥王星-海王星-天王星の三角形は既に出来上がっていて、本日そこに太陽も加担して凧揚げ 意味は? 端的に“古い時代の終焉”でしょうね 冥王星山羊座への出戻りに ほかの星々が全力で加担してお祭り状態

平成ノスタルジー〜『東風荘』と『テレホーダイ』と女子力ゼロな大学生2001〜

気分転換にと思い、久しぶりにNintendo Switch『世界のアソビ大全』の麻雀をやってみた。 ふと、昔友達(男)に麻雀の役や点数の数え方を教えてもらったことを思い出す。 喫茶店(カフェじゃなく)で、教えてもらいながらノートに書いて必死に覚えてたな。大学生が勉強もせずに何やってんのよ。 その友達とは、リアル麻雀も、ネット麻雀の東風荘もよく夜中に一緒にやった。 自分が夜型人間になったのは、間違いなく学生の頃にネットがダイヤルアップ接続でテレホーダイ使ってたせいだ。 (

NO Spotify. NO LIFE.

僕にとって朝の通勤時間に欠かせないのが、「音楽」。 とりわけ、Spotifyにはいつもいつもお世話になっていて、すでにSpotifyがない人生なんてもう考えられないほど手離せなくなってしまっている。 「NO Spotify. NO LIFE.」 が僕にとっての人生訓なのだ。 そんなSpotifyとの出会いは1年前に遡る。 その時の僕というのは、もちろん音楽は好きでよく聴いていたのだけれどいまいちサブスクリプションを利用して音楽を聴こうとするところまではどうしてもいかなかっ

世界をスローモーションにする✨ときめきビザ

「ときめきビザ」 そんなのどこにもない パスポートを見つめながら 私はため息をついた スタンプが一つしかない 真っ白なページ たくさんの国を訪れたい そう願っていたのに 現実は仕事に追われ 一歩を踏み出せない でも思ったの 本当に行きたかった? ウィッシュリストの ブームにつられて テンプレをまねて書いた 100ヶ国の旅 私は国の名前を100も 知らないのに 御朱印帳もそうだ いろんな神社に 参拝したけれど 御朱印を集めるのに 夢中になって 神社の静

林檎 【詩】

ロシアでも 日本でも その日の林檎は 特別に甘かった 針葉樹でつくったプロペラに ニスを塗る ノスタルジックな夕陽が 機体をすべる (もっと純朴に戦いたい) 僕らも 君らも 貴族であり 木族 (もっと純粋に壊したい) 僕らも、 君らも、 同じ神を先祖に持つけだもの どんよりと濁った 眼を光らせて、 こわいほどに甘い林檎を 贈り合う

5時まで起きていた。このまま、ずっと夜ならいいなと思ったけれど、いつのまにか朝を迎えていた。正確には昼。眩しいほどに晴れていた。 ご飯をかきこみ、洗濯をして、髪に丁寧にアイロンをかけ、そしてインターン先へ向かった。 心配していたがとくに大事は起きず、20時45分に退勤した。バス停から空を見上げると、高いところに月があった。それをしみじみと眺めた。1時間後には恋人に会える。 それは、私が中秋の名月を理由に彼との約束を取り付けたからであり、風物詩を逢瀬の口実にするのは、四季を

無題 #1

たまたま通った道で、 ダイニングメッセージかと思って一生懸命解読しようとしたら、シャイニングメッセージだった。私は、永遠の助手席担当希望なので真意は判らないけれど。 今までずっと、 「どんな音楽聴くの?」って聞かれたとき、 「半音上がる曲、転調がある曲」としか答えられなくて、会話の?を。で終わらせてしまって、相手を困らせることよくあったんだけど、見事に、こんな曲!という、私の拙い語彙を代弁してくれる一曲に出会った。 自分のプレイリストとか、好きなものとか、食べてるところと

詩 : ベビーカーの赤ちゃん

「ベビーカーの赤ちゃん」 ベビーカーを押した カップルが目の前を通り過ぎる ご機嫌如何? 道の小さい凸凹や勾配でさえ 大きな振動に感じびっくりする だから眠たげになったら 起こさぬ様 慎重に成るよね 弾む話はいつも 赤ちゃんは一瞬の表情は 喜び運ぶ天使だ 笑顔の百面相に逃しては成るかと その度毎にスマホのシャッター音 急に変顔になり 踏ん張る顔はうんちのサイン 赤いほっぺをみると慌てて お着替えルームへ真っしぐら #ベビーカーの赤ちゃん #サイン #百面相 #喜び 

さみしさに強くなる

ここ最近、 さみしさに強くなったなぁ、と自分で思う。 1人も楽しい。 みんなとも楽しい。 どっちも楽しいのだ。 昔は全然ダメで、 彼氏と別れると友達と飲み歩き 彼氏ができると友達と疎遠になり、 また別れると…というのを繰り返してた。 1人の時間を持て余し、 友達と電話したり旅行したり。 それはそれでいいんだけどさ。 なんだか、 ベクトルが外に向いてて 「わたしは何がしたいの?」 「わたしはどうして寂しいの?」 という視点が抜けていた。 今思い返せば、 大好きな人と心の

金木犀のかおり

わたしのなかで金木犀は秋よりも、夜が似合う花 幼い頃からずっと傍にあった花 物心がついて、金木犀の香りを『いい匂い』と感じてからは 夜、自宅の玄関前に咲く香りを楽しむために、昼間に出掛けていた。 秋にしか香らない、儚い花 金木犀の香りに執着して  金木犀の香水を買った なんか違った わたしが恐れていた、なんか違う の 感覚 ホンモノに 人工物は 勝てなかった。 あの甘い、懐かしい、消えそうな香りを あの人は「知らない」と言った。 金木犀を知らない人生も、世

【ミステリー小説】腐心(8)

▶第1話は、こちらから。 ▶前話は、こちらから。  被害者の失踪日時について夫婦で供述が異なるというのか。  樋口からの報告に香山は文字どおり耳を疑う。 「おい樋口、そっちは聴取が終わったんだな」  ――はい。 「そのメール画面を送信日時のわかる状態で写メしろ。木本和也は帰していい。おまえも、こっちに来い。二号室だ」  ――了解です。  香山は廊下の壁に凭れて二本目のハイライトに火を点け、二号室と表示されている取調室の扉を睨みつける。  単純に考えると29日に失踪したという

想いを込めた手紙をしまって

今日は好きな人とドライブデート。 日帰りだけれど、初めての遠出にわくわくが止まらない。 彼とやりたかったことが、また一つ叶う。 1週間の休みを取って旅行に行っていた彼。 その間も、連絡は取ってくれていたけれど、 お相手の方との旅行を隠されていた(?)ことが発覚したり、仕事がとにかく上手くいかなくて、食事が喉を通らない状態に、、(今は少しずつ回復) (2年間大好きだった人に彼女ができ、LINEをブロックされた時でさえ食欲は有り余っていたわたしなのに、、) 正直、ここ最近

推しの供給過多で溺れる

職場に推しがいるんです。 1つ上の先輩で、わたしの教育担当だった方。 1年目は本当に業務のこと以外話さなくて、 「○○さん質問いいですか。」 「○○さん聞いたいことがあるんですけど。」 に対して 嫌な顔せずに全部快く聞いてくれた先輩。 その先輩と昨年度末になんの前触れもなく、プライベートの話をして。 そこからしばらく音沙汰なかったんだけど、 7月くらいから急接近してしまいました。 家まで車で送ってもらったり、 ご飯に行ったり、 車の中で2時間ほどお喋りしたり。

イライラして眠れないときのおススメ本

おはようございます。 寝不足のしましまです。 ちょっと聞いてくださいよ。 真夜中に怒鳴り声が聞こえて起きたわけですよ。 声の主は夫だったんですけど。 どうも自分が見たいサッカーの試合(オンデマンド)が正常に見れないとかでイライラしてて。 画面が急に巻き戻ったり止まったりで、とにかくひどいと怒ってる。 気持ちは分かるけど、それで夜中に大声出すとかありえなくないですか…? (子どもは起きなかったのが不幸中の幸い) 何故かは知らないけれど2階の回線がやたら遅かったので、1階

和風洋食

 タラコや明太子など、和食として単独に食するのは好きでは無いが、これがパスタになると俄然好物になる。  僕は小学生の頃から、和食よりも洋食が好きと公言してきたのだが……要は和風洋食が好きなのだろう。  本格的な西洋料理など金輪際食ったこともなく、マナーも皆無とあれば……デートで高級レストランに女子を誘うことなどまずない。マナー違反で、大恥をかくのが関の山に違いない。居酒屋で充分である。  思えば、先のパスタにしてもナポリタンなどはレッキとした和風メニューだし、この夏やた

出来損ないの穴たち (B-side)

ドーナツが大好物な私は 栄養が偏るのも承知の上で 朝昼晩と三食ドーナツ生活を もう何か月も続けていた 友達からは「よく飽きないね」と言われるけど 美味しいし腹持ちもいいし種類も豊富だし なにより自分が満足なのだから仕方がない 小さい頃はドーナツは たまにしか食べられないご褒美で 母が気まぐれに買って来るドーナツを見つけては 学校帰りの私は飛び跳ねて喜んだっけ 口の周りを汚しながらかぶりつく私に母は 「ちゃんと穴まで食べるのよ」 よくそう言われて怒られていたっけ おそら

こんばんは。 疲れすぎてテンション爆上がりです。 「はよ寝ろ」と、満場一致で リビングから追い出されました。 そして記事が書けなくて 音声投稿してみたら、 謎の爆笑をしてしまいました。 …寝た方がよさそうですかね… (※↑皆さまに聞くまでもないだろよ) みゆ

マスカラはプチプラに限る!わたし的ベストセレクション。

デパコスも含めて相当数のマスカラを試してきた。 時期によってお気に入りは変わるけれど デパコスのマスカラでこれはすごいぞ!っていうものに 実は出会えていない… 有名どころは一通り試したけれどどれもブラシが太すぎたり いまいちしっくり来ない。 結果… マスカラはプチプラに限る💃 わたし的好みはとにかくブラシが細い事。 色々試してここはもう不動!っていうのは、 この2つ⬇️ ・マスカラコート(トップコート) キャンメイクのクイックラッシュカーラー とにかく滲まない

パブロフの犬である私

オットと付き合っていた時、それはもう激務な部署で働いていた。 定時は午前8時30分から午後5時15分なのに、打ち合わせが午後7時から開始されるという、働き方改革そっちのけの忙しさ。 この夜の会議には、部署内の人間はもちろん、その事業に関わる市民の方たちも参加していたため、みんなが仕事を終えて集まるには、早くてもこの時間だった。 会議が白熱すれば、多めに見積もって1時間半の予定だった会議が2時間を過ぎ、そこからコロナ禍では当たり前だった机や椅子の消毒などがあり、帰宅時間は

おやすみなさい

まだまだ気温は高くて暑いけど、たまに風が吹くと秋がもうすぐ来るなあなんて思う最近。日も短くなって18時なのにこんなに暗いんだってふと気づいた。 あなたの住んでる所ももう秋の香りを感じるのかな、それともまだ夏が残ってるのかな、そんなことを考えてぼーっと歩くのが好き。 ここ数年は季節の変わり目に熱を出したり風をひいたりしてなんだか体調をくずしがちで、先週も1週間くらいまともに学校に行けなかった。高熱がでて、熱が下がった後も倦怠感が残ってたから買ったままで読めていなかった本をたく

眠れない夜の隅っこ

眠れない夜の隅っこ 瞼を閉じても訪れない夢の尻尾 探しに出るには夜が騒がしい 闇を切り裂く様にどこかで喧嘩してる 野良猫たちの唸り声 真夜中に何が楽しくて 睨み合ってるのか分からないが 野良猫たちは真夜中になると 決まって唸り出す 夜が騒がしい 夜の闇を切り裂く様に突然鳴り響く パトカーのサイレンの音が 僕の意識を揺すり起こす サイレンの音に混じって拡声器で何事かを 喚き散らしているがよくは聞き取れない ゆっくりと離れていくがサイレンの音が耳に