妖精と人間【ショートショート】
「おさんぽ日和、見守り隊」他に参加すると最後まで読めます
森の奥に妖精がいました。
妖精の世界は完璧でした。
花があり、家があり、友がいて、
毎日ほんとうに充実していました。
でも、充実した日々は、若い心にはなかなかに難しいときもありました。
充実した日々は、裏を返すと、刺激のない日々でした。
妖精は森の外へ行ってみることにしました。
森の外には、人間の市場があります。そこを歩くと、いろんな人間がいるのです。
人間は落ち着くことなく、あっちに行ったりこっちに行ったり、無秩序に動き回るのです。
奥のパン屋から声がします。
「あ