乃木ひかり

毎日の読書と料理に楽しみを見つけたい。 エッセイ・奇祭・小説きままに記事を書き続けたい

乃木ひかり

毎日の読書と料理に楽しみを見つけたい。 エッセイ・奇祭・小説きままに記事を書き続けたい

マガジン

  • 【みんなで創る】クロサキナオの運営マガジン

    • 26,172本

    このマガジンは「楽しく、続ける」を趣旨として発信してます。まだnoteに慣れてない人は知り合いづくりと記事の共有を兼ねてぜひご参加してみてはいかがでしょう🌹 ※原則1日投稿記事は2本までとしました。ご了承ください。

  • トランスミッションⅠ

    • 103,723本

    参加者650名、フォロワ数1500名、100,000記事以上が収録されています。🌱コンテンツを広めたい方の参加、お待ちしています。🌱マナー:①連続投稿はしない②社会一般的に不適切な記事は投稿しない③トップ画面は変えない。参加希望の方は,マガジンの固定記事からコメントしてね(ง •̀ω•́)ง

  • 共育LIBRARY×共同運営マガジン

    • 10,408本

    noteで成長したい。もっとたくさんの人に記事を見てほしい。仲間とつながりたい。少しでもよりよい未来の為にできることを発信したい。 そんな共通の「思い」をもつ方ならば、誰しも歓迎します。 共に手を取り合い、共に成長していきましょう!

  • トランスミッションⅡ

    • 8,005本

    トランスミッションⅠのミラーマガジンです。脆弱性が報告されたため設置しています。🌱参加者100名、フォロワ数150名、3000記事以上が収録されています。🌱コンテンツを広めたい方の参加、お待ちしています。🌱マナー:①連続投稿はしない②社会一般的に不適切な記事は投稿しない③トップ画面は変えない。参加希望の方は,マガジンの固定記事からコメントしてね(ง •̀ω•́)ง

  • みんなで作るパトの共同マガジン

    • 16,076本

    【ルール】 ・自分のことだけでなく、他の参加者にも配慮すること。 ・連続投稿は1回5本まで ・過剰に自分の記事を投稿しないこと(過剰の範囲は常識の範囲内) ・管理者の指示に従うこと。 なお、ルール違反等が続くまたは管理者からの指示に応じえない場合は退会処理をさせていただきますのでご了承ください。

最近の記事

  • 固定された記事

【ショートショート】鶏

 ある日曜の朝早くに南北に延びる家の前の道を歩いていると、何メートルか先に一羽の鶏が見えた。コッコッコッという鶏の鳴声が、わずかながら耳に届いた。  私の家は決して田舎にあるわけではない。家の前はバスも通る二車線道路で、交通量も決して少なくはない。そんな道を、どういうわけか鶏が歩いているのだ。  目に見えない誰かに首を上げたり下げたりしながら歩く礼儀正しい彼は、しっかり歩道を歩いているようだった。そんな鶏に興味を惹かれた人は何も私だけではあるまい。どうせ何もすることのない

    • 【ショートショート】夕焼け

       コンクリート製の階段を勢いよく上って行く。階段の踊り場に出ると、私は後ろをちらりと見た。誰も来ていない。先生にも見られていない。私は溜息をつくと、また一歩屋上へ向かって歩き始めた。心臓の音がいつもよりよく聞こえる。階段を急いで駆けあがったことも手伝っていつもより鼓動が早い。それだけじゃない。私は今、きっと緊張している。さっきから溜息だか、深呼吸だか、息を大きく吐き出しては吸うことの繰り返しだ。そうしないと身体が思うように動かないのだ。まだこれからなのに。  ここの学校は屋

      • 雪のまち

         雪の匂いが好きだ。どこまでも透明で、それでいて少し刺激のあるあの涼やかな匂い。関西にいた頃、雪の匂いがわかるなんてすごいね、と驚かれたことがある。誰でもわかると思っていた雪の匂い。それを分からない人がいるということに驚き、そして少し寂しくもあった。  新潟の冬期で晴れ間を見ることはとてもめずらしい。とにかく曇天。毎日のように曇り空が続き、晴れたと思い窓から外を眺めると数分後には吹雪になっている、なんてことがざらである。新潟で積雪が〇センチ、大雪で渋滞、雪降ろし中に落下。そ

        • 佐渡に金山を見にいかない。その②

          前回の記事はこちらです。  その土地に伝わる伝統芸能。同じ名前でも地区によって舞い方・衣装が変わってくることが本当に面白い。今回はさらに二つの「つぶろさし」を紹介していきたい。 二人の鬼が舞う! 鬼舞つぶろさし・草刈神社  13時50分からは村山地区に伝わる「鬼舞つぶろさし」の登場だ。 こちらは文禄のころ村山の藤七という人物が京都へ赴き祇園祭で習得して来たという。こちらは「草刈神社」に奉納される。またこの草刈神社には「県指定有形民俗文化財」の「能舞台」がある。毎年6月1

        • 固定された記事

        【ショートショート】鶏

        マガジン

        • 【みんなで創る】クロサキナオの運営マガジン
          26,172本
        • トランスミッションⅠ
          103,723本
        • 共育LIBRARY×共同運営マガジン
          10,408本
        • トランスミッションⅡ
          8,005本
        • みんなで作るパトの共同マガジン
          16,076本
        • 小説創作物。ホラーやミステリのSS。
          3本

        記事

          窓際入口ゴミ箱近く

           一人で外食に行くときはなるべく窓際入口ゴミ箱近くに座るようにしている。マクドナルドやチェーン店なんかでその位置に座れれば大変良い。それもお昼、一番忙しいであろう時間帯だ。  入口からは人がひっきりなしに出入りするしその度にジッと見られている気がする。ガラス窓越しの向こうからもなんだか見られている気がする。食べ方を見て笑われている気がするし、私が注文したものを見て「ひとりでそんなに食べるのかよ!」と指差されて笑われている気がする。隣りのゴミ箱へは皆恨みでもあるかのようにがし

          窓際入口ゴミ箱近く

          佐渡に金山を見に行かない。その①

           日本各地のお祭りを見てみようと思い、その第一回となったのが佐渡「つぶろさし」だ。数年前に行ったのだが、忘れないうちに当時の記録と記憶を掘り起し書き進めようと思う。  私は佐渡島の近くに住んでいながら、佐渡のことをほとんど知らない。佐渡のことについて訊かれてもパッと思いつくのは「金山・トキ・たらい舟」程度のことで、日本地図をみながら「案外大きいなぁ」とかそんな間の抜けたことしか口から出てこない。  であるならば実際行ってみるしかない。しかもなにやら面白そうなお祭りもある。

          佐渡に金山を見に行かない。その①

          好き嫌いしてはいけません、と彼女は言った

           新生活が始まったということで昔々の話、保育所に通っていた頃のことを思い出して書こうと思う。いろいろなことが断片的に思い出せるが、その中でもどうしても忘れられないことがある。それは給食だ。  私の座っているテーブルから一人、また一人と席を離れていく。私はその日のごはん、とりわけそのうちの一つと睨み合っていた。  レバーのケチャップ炒めだ。  私はどうしても肉や魚が好きになれなかった。野菜の好き嫌いはなかったが、この二つ、中でもレバーがどうしても食べられない。いまから思う

          好き嫌いしてはいけません、と彼女は言った

          虫の声を聴く女性! 川瀬七緒『法医昆虫学捜査官』

          「法医昆虫学」と聞いてどんなことを想像するだろうか?  普段、何事にも巻き込まれずに生活していればまず聞くことはない言葉だろう。日本国内では特にそうだ。  今日紹介する本はそんな「法医昆虫学者」が主人公の本だ。今私の手元にある文庫の帯には「『聴こえざる声』を聴く女」と書いてある。なんだか危険な香りがプンプンするではないか。いったいどんな小説なのだろうか? 「川瀬七緒」ってどんな人?  川瀬氏は2010年に「静寂のモラトリアム」が「鮎川哲也賞」の最終候補、「ヘヴン・ノウ

          虫の声を聴く女性! 川瀬七緒『法医昆虫学捜査官』

          【ショートショート】祖母の家

           私の祖母の家は田舎にある。何車線もあるような道路が通っているわけでもなく、周りはただ山と田んぼが広がるばかりだ。自然に囲まれた祖母の家は日当たりも良く、遊びに出かけては庭が見渡せる縁側で昼寝をしたものだった。  祖母はいつもひじ掛け椅子に座りにこにこと笑っていた。私が祖母の商売道具である白粉で床を汚して悪戯をしたり、金髪が美しい西洋人形の髪の毛をおかっぱ頭にして遊んだりしても笑って許してくれる、そんなおおらかな人だった。  その祖母が死んだ。死因は分からないが、とにかく

          【ショートショート】祖母の家