乃木ひかり

毎日の読書と料理に楽しみを見つけたい。 エッセイ・奇祭・小説きままに記事を書き続けたい

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【ショートショート】鶏

 ある日曜の朝早くに南北に延びる家の前の道を歩いていると、何メートルか先に一羽の鶏が見えた。コッコッコッという鶏の鳴声が、わずかながら耳に届いた。  私の家は決して田舎にあるわけではない。家の前はバスも通る二車線道路で、交通量も決して少なくはない。そんな道を、どういうわけか鶏が歩いているのだ。  目に見えない誰かに首を上げたり下げたりしながら歩く礼儀正しい彼は、しっかり歩道を歩いているようだった。そんな鶏に興味を惹かれた人は何も私だけではあるまい。どうせ何もすることのない

    • 日本の美の再発見! 角川ソフィア文庫発『ジャパノロジー・コレクション』

      最近では日本の文化を「クールジャパン」と呼び、外国人のファンを増やし日本のブランド力を高めようとする戦略があるらしい。パッと思いつくのは「アニメ」や「マンガ」だ。 文化について考えるとき、意外と私は日本の文化を知らないのではないか?との考えにいつも思い至る。そう考えるとこの「クールジャパン」という戦略は日本の文化を再発見する良い機会なのかもしれない。 急激な欧米化が進み、その過程で忘れられた、あるいは捨てられた日本文化。そんなものも多くあるに違いない。この「ジャパノロジー

      • レジェンド達の夢の共演! 合作探偵小説『江川蘭子』

        小説講座などでは合作小説、いわゆるリレー小説などを課題として出されることがあるようだ。しかしながら最近では、アンソロジーやオムニバス形式の書籍はあっても、「合作小説」というものはほとんど見ない。だが、過去には探偵小説界のレジェンド達が合作を残している。その中の一つが「江川蘭子」である。船頭多くして船山に登る、ということわざがあるが本書はうまく着地できているのだろうか……? 当時の雑誌事情~合作という余興~ 日本で最初の合作探偵小説となったのは「五階の窓」というタイトルの小

        • 佐渡に金山を見にいかない。ご当地グルメ編

          旅行といえば「ご当地グルメ」も魅力の一つ。せっかくだからその土地、その地域でしか食べられないものを食べてみたい!そんなわけで今日は番外編として中々行く機会が少ないであろう佐渡のご当地グルメをご紹介! 〈関連記事はこちら〉 サクサクの衣に甘いタレ!「ブリカツ丼」佐渡にはご当地紹介動画「サドメタル」という動画がある。歌っているのは冠徹弥さん。佐渡とどのような繋がりがあったのかとても気になるが、一度聴いたら頭から離れない魅惑のボイスと笑顔が素敵。そんなユーモアあふれる動画なので

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        記事

          きっと勉強が楽しくなる!サンキュータツオ『国語辞典の遊び方』

          今現在、自分の家、もしくは自分の部屋に何冊の辞典があるだろう。 まだ捨てていないという人はおそらく三冊、国語辞典・英和辞典・古語辞典ではないだろうか?  そもそも現在、ネットで調べればすぐ単語の意味は出てくる。持ち運ぶんだったら電子辞書。スマホにはそもそも辞書アプリが入っている。 しかしながら本書には他の形態の辞典を貶めることなく、紙辞書について熱く語られている。我々の今後の人生を一変させるかもしれない、そんな本を今日は見てみようと思う。 サンキュータツオとはいったい誰

          きっと勉強が楽しくなる!サンキュータツオ『国語辞典の遊び方』

          これでお別れ

          日本でお別れの季節と言えば3月と決まっているらしい。 たしかに卒業、就職と人や物の移動がこの時期には多いようだ。初めての引っ越しともなれば大変で、人一人の移動にこれほどまでの荷物がついてくるのかと驚かされる。衣類から趣味の物、白物家電にテレビ。断捨離もこのタイミングで済ませようとすれば、エイヤッと案外簡単に終わるかもしれない、というのは幻想でまあ終わらない。 話しは戻って別れである。 私は別れを恐れている。なにも人と人の別れだけではない。私の周りのものたち。本や道具もそう

          これでお別れ

          あなたも知らないうちに呪われている!? 豊島泰国『日本呪術全書』

          現代はストレス社会である。ふとした拍子に自分の口から「毒」が漏れていないだろうか? ネットを見れば、知名人から一般人まで呪詛の言葉を吐かれていない人間はおよそいないのではないかとも思えてしまう。 が、「呪い」というのは今に始まったことではない。日本の歴史と共に歩いてきたとも言えるだろう。そこで今日は「日本呪術全書」を見てみようと思う。 現代人と「呪い」 私自身「呪術」や「呪い」といったことを信じているわけではない。しかしながら京都やその他の地にある「縁切り寺」を思い出

          あなたも知らないうちに呪われている!? 豊島泰国『日本呪術全書』

          【ショートショート】彼女の王国

          「やっぱりこの家が一番落ち着く」  と彼女はよく言っていた。この家には彼女の好きな椅子やテーブル、絨緞、ベッドがある。本棚には彼女の好きな作家の本がぎっしりと詰まっている。ベッドの枕元にはいつも、オオハシのぬいぐるみが彼女の帰りを待ち切れないというように、目をキラキラと光らせてちょこんと座っている。  好きな物に囲まれた彼女の王国。そこに彼女は死んで帰って来た。何度も何度も私や看護師に、家へかえりたい、ここはどこなの? と真白なベッドに横になりながら、必死な目をして訴えてい

          【ショートショート】彼女の王国

          挫折した男の大仕事!佐々木喜善『聴耳草子』

          遠い昔の話のようだが、どこか身近に感じるのが昔話の魅力の一つだろう。 今でも多くの昔話が絵本になっているので、誰しもお気に入りの一つ二つあるのではないだろうか? かつて「日本のグリム」と称された男がいた。 佐々木喜善である。 今日は彼の集大成とも言える本「聴耳草紙」を見てみようと思う。 佐々木喜善~日本のグリムと呼ばれた男~  その土地の風習や風俗、習慣や伝説、民話、民謡、家具家屋など古くから人の間で伝えられてきた有形無形の資料を基に、その歴史的変遷を明らかにし現在の文

          挫折した男の大仕事!佐々木喜善『聴耳草子』

          佐渡に金山を見にいかない。その③

          今回の記事は佐渡「つぶろさし」編の関連記事となっております。 羽茂まつりでは神社行事の他にも、地区内イベントとして小学生みこしや幼児みこし、中学生のおけさ流しや総おどりが行われている。この日は学校も休みになるようで、相当な力の入れようだ。 そんな中、商工会前広場や陶芸センターの駐車場では大道芸が行われていた!全ての方を見ることは時間の都合で出来なかったのだが間近で見るとやはり面白い。普段大道芸を見る機会がめっきり減ってしまった現代。非日常を味わえるチャンスだ! 長い頭と

          佐渡に金山を見にいかない。その③

          【ショートショート】行先

           どこまで続くか分からない、暗く淋しい夜道を私は歩いていた。  道、と言えるだろうか。私の前に何人も、何人もの人が道でない道を歩いて踏み固め、それが次第に道の形を成していった、そう言った方が適当だろう。地面は砂利と土でデコボコしている。長く歩いた私は、次第に足の痛みを感じ始めていた。  辺りには建物らしきものは何もない。あるものといったら葉を落とし、細い枝先を毛細血管のように無駄に辺りに伸ばした得体の知れない木や、倒木、朽木、そんなものだ。  無論、人の気配はない。時折

          【ショートショート】行先

          【ショートショート】夕焼け

           コンクリート製の階段を勢いよく上って行く。階段の踊り場に出ると、私は後ろをちらりと見た。誰も来ていない。先生にも見られていない。私は溜息をつくと、また一歩屋上へ向かって歩き始めた。心臓の音がいつもよりよく聞こえる。階段を急いで駆けあがったことも手伝っていつもより鼓動が早い。それだけじゃない。私は今、きっと緊張している。さっきから溜息だか、深呼吸だか、息を大きく吐き出しては吸うことの繰り返しだ。そうしないと身体が思うように動かないのだ。まだこれからなのに。  ここの学校は屋

          【ショートショート】夕焼け

          雪のまち

           雪の匂いが好きだ。どこまでも透明で、それでいて少し刺激のあるあの涼やかな匂い。関西にいた頃、雪の匂いがわかるなんてすごいね、と驚かれたことがある。誰でもわかると思っていた雪の匂い。それを分からない人がいるということに驚き、そして少し寂しくもあった。  新潟の冬期で晴れ間を見ることはとてもめずらしい。とにかく曇天。毎日のように曇り空が続き、晴れたと思い窓から外を眺めると数分後には吹雪になっている、なんてことがざらである。新潟で積雪が〇センチ、大雪で渋滞、雪降ろし中に落下。そ

          佐渡に金山を見にいかない。その②

          前回の記事はこちらです。  その土地に伝わる伝統芸能。同じ名前でも地区によって舞い方・衣装が変わってくることが本当に面白い。今回はさらに二つの「つぶろさし」を紹介していきたい。 二人の鬼が舞う! 鬼舞つぶろさし・草刈神社  13時50分からは村山地区に伝わる「鬼舞つぶろさし」の登場だ。 こちらは文禄のころ村山の藤七という人物が京都へ赴き祇園祭で習得して来たという。こちらは「草刈神社」に奉納される。またこの草刈神社には「県指定有形民俗文化財」の「能舞台」がある。毎年6月1

          佐渡に金山を見にいかない。その②

          窓際入口ゴミ箱近く

           一人で外食に行くときはなるべく窓際入口ゴミ箱近くに座るようにしている。マクドナルドやチェーン店なんかでその位置に座れれば大変良い。それもお昼、一番忙しいであろう時間帯だ。  入口からは人がひっきりなしに出入りするしその度にジッと見られている気がする。ガラス窓越しの向こうからもなんだか見られている気がする。食べ方を見て笑われている気がするし、私が注文したものを見て「ひとりでそんなに食べるのかよ!」と指差されて笑われている気がする。隣りのゴミ箱へは皆恨みでもあるかのようにがし

          窓際入口ゴミ箱近く

          佐渡に金山を見に行かない。その①

           日本各地のお祭りを見てみようと思い、その第一回となったのが佐渡「つぶろさし」だ。数年前に行ったのだが、忘れないうちに当時の記録と記憶を掘り起し書き進めようと思う。  私は佐渡島の近くに住んでいながら、佐渡のことをほとんど知らない。佐渡のことについて訊かれてもパッと思いつくのは「金山・トキ・たらい舟」程度のことで、日本地図をみながら「案外大きいなぁ」とかそんな間の抜けたことしか口から出てこない。  であるならば実際行ってみるしかない。しかもなにやら面白そうなお祭りもある。

          佐渡に金山を見に行かない。その①