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太陽に焼かれて殺されたダニの香りの芳香剤を売れ 第11話 its very hot outside
浅荷は決して俺のしゃべりを急かそうとはせず、俺のペースで話すことを望むらしかった。
そして、それはそれとして大いに関西で生まれ育ったような差し込みを向けてくるようだった。俺はさして同級生ぐらいの女と話す機会を持っていなかったから、客観的に見れば俺が話している内容を(当然、意図的にそうしているというよりは俺自体のしゃべり方に一定の問題があるとしか思えないが)いちいち遮りつつ、俺の会話の変なところを
太陽に焼かれて殺されたダニの香りの芳香剤を売れ 第10話
「トレおじちゃん……がハイハットを鳴らすっていうか、さっと叩いてるのわかったけど、よくこういうの思いつくよね。ファンには届いてんのかね」
「いや……本当そう思う。しかも最後の小節の8拍目の裏拍?だし」
「おお」
「正確には16分音符っていうのかな、いや32……?」
「めっっっっっちゃ詳しくない?健康と音符に詳しいの、あんた」
「ちょっとだけやってたから」
「何を?Green Dayを?」
「いや俺
緑一色式カミングアウト
毎日物語を書いて毎日やるべきこともやり、それが終わったら26kmぐらい趣味でチャリを漕ぎ出してたらほとほと疲れたのでそれについて話したい。
つまりテーマは有酸素運動ぐらいさせてというものだ。
ぼくには呪いの言葉がある。ぼく自身この場所にさんざ筋トレがどうだの自分がやったことだのこれがいいあれがいいと知った口で書いているが、ぼくはとにかく継続できなければ何の意味もないと思っているので筋力を超回復
太陽に焼かれて殺されたダニの香りの芳香剤を売れ 第09話 Do you have the time,
まさかいい歌だとまで言ってくれるとは思わなかった。
「いい歌だとまで言ってくれるとは思わなかった」
「そうかな」
「うん」
「その前の『え』ってどうしたのよ」
「いや……嘘みたいだけど、俺もそう思ってた」
「へえ~」
浅荷は携帯の画面を再び見つめ直した。再度リピート再生したのだろうか。音量を下げているように見える。
「めっちゃプロだよね。いやそりゃそうだけど、こんな海外の『日本のグラサンの生放送
太陽に焼かれて殺されたダニの香りの芳香剤を売れ 第08話 basket case
俺を笑わせてすなわち照らしてやろうとしてくれているらしかった同級生の女に対して、俺は何ができるだろうか。
「男同士の友達でも、そこまでストレートに前向きな応援みたいなことをしてくれる関係なんてなかった」
「そうか」
「それはきみにとって自然なのか」
「自然に口に出たってことは……自然なのかもなあ」
「自分の友達は照らさなくていいの」
「あいつらはみんなKPOPだ化粧だ男だなんだって元気だからな」
太陽に焼かれて殺されたダニの香りの芳香剤を売れ 第07話 listen to me whine
買ったパンを持ち込んで食える、商店街の一角にある茶店に入ることにした。
「何飲む?」浅荷がメニューを見ながら尋ねた。
「コーヒーにしようかな」
「私はカフェラテにする」
「じゃあ頼もう」
~
「そうですね、砂糖とか蜂蜜とかありますか」
「あちらにあるのをご自由にお取りいただけます」
「牛乳は別に頼めますか」
「その場合、カフェオレをご注文頂いたほうがいいかも知れません」
「じゃあそちらで」
太陽に焼かれて殺されたダニの香りの芳香剤を売れ 第06話 お前がハニー
「あたしがあんたを照らしてやるか……」
「そうだね。俺もそう思う」
なにか浅荷に俺が照射されることになるみたいだから、脊髄反射みたいに適度に誤魔化していた。
二人は再び歩き出し、商店街の賑わいの中を進んでいった。焼きたてのパンの香りや、カフェとかになにか(多分カフェからなのだろうが、カフェをカフェと認識したくないからこのような言い方になった。そもそもカフェという単語から気取りすぎててきついので
太陽に焼かれて殺されたダニの香りの芳香剤を売れ 第05話 君が太陽
目覚ましの音で目を覚ました。
普段よりも早い。今日は浅荷との約束がある。
身支度を整えずに鏡を見た。髪が恐ろしく跳ねているのを直さず、服もいつもより気を遣うこともなく、ジャージはやめて単なる長い袖の上着にした。
いつも通りだと思った。
家を出ると風が頬を撫でた。「風が吹いている」ことを感じることに驚いた。空は雲の隙間だけ澄み渡っている。俺が出かけるとき、特になにか意味がある出かけのときによく
太陽に焼かれて殺されたダニの香りの芳香剤を売れ 第03.5話 土門
浅荷と俺は、夕焼けに染まる校門を出た。空は茜色に染まり、雲は金色に輝いている。蝉の声がかすかに聞こえ、夏の終わりを告げているようだった。
帰る道すがら、横顔を盗み見た。夕焼けに染まる顔は、子供っぽさと大人びた表情が混在していて、不思議な感覚だった。
「どうしていつも同じ靴を履いてるの?それ、もうボロボロだよ。」彼女は俺の足元を指差した。
「高校生が毎日同じ靴を履いてるって普通じゃない?」
「で
日の名残りと8 Mileを連続して観るとこうなれ
映画『8 Mile』を観たとき、その登場人物たちの中途半端さに苛立ちを覚えた。ヘッダ画像をお有りしています。
彼らは何かを成し遂げたいという願望を持ちながらも行動が伴わず、目標に向かって突き進むことができない。物語は勧善懲悪の構図が明確でなく、結末も発展性に欠けるように感じられた。
しかし、この映画を通じて自分自身の在り方を見つめ直す機会を得たことも事実である。特に、これまでラッパーでありなが
一粒万倍笹(別冊音楽と人チバユウスケ)
きのうTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTの歌について考えて、その後日の名残りというアンソニー・ホプキンスの映画を見たんだがそっちの感想がどうしてもちばゆうすけに引っ張られてしまっている。ヘッダ画像をお借りしています。
つまり想いあってちばのインタビューを読み返したのだが、こいつマジでクラスにいたらガチ目に合わねえなと思ったわけです。かつてロムスカ・パロ・ウル・ラピュタが人様をし
ジェニーがディープインパクトの歌だと気づかなかった
ジェニーとはもちろんTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTのうた。ディープインパクトとは映画です。ヘッダ画像をお借りしています。
というのもディープインパクトを見て、ジェニーはどうなった?と思った。
あそこまで恨みつらみでいじめ倒したおやじと一緒にどこかの海岸に打ち捨てられて、あたしたち助かったのね、とでも言うんだろうと思ったらそのまま映画が終わってしまった。
ジェニーはCD版の
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デリカシーが人を創る
映画「キングスマン」シリーズは、スパイ映画の新たなスタイルを確立した作品であり、その中でも特に有名なのが「マナーが人を創る」というせりふだ。ヘッダ画像をお借りしています。
主人公であるエージェントたちは、どれだけ強大な敵と戦っても、どんな困難な状況に置かれても、エレガントさと礼儀を決して忘れない。その姿勢が「マナー」というものの価値を一層際立たせている。
しかし、わたくしがここで提唱したいのは
エンターテインメントだから、新入りだから、で許すべきでないこと
先人が引いてくれた道の上を歩いていて、でもそれは同時に先行有利だってことも示してる、からといって「到底新入りがやってはいけないことを逆にやり、目立ってやる。先行の客を掻っ攫う、先行組より目立とうとする」行為は単なる邪魔、迷惑、害悪でしかないのではないか?
それは流石にエンターテインメントじゃないだろう。
先行者の築いた道というのはそれがどれほど整備されているかにかかわらず、後続者にとっては一種
太陽に焼かれて殺されたダニの香りの芳香剤を売れ 第03話 any days
浅荷にしてみれば俺と帰る事自体には躊躇いがないようだった。 年頃の女が(同じ年の男から年頃の、と言われることは変なのだろうか)異性と帰ることについて何も思わないものだろうか。
俺はクラブなんて、単位を埋めるためのものでしかなかったから授業から帰って好き放題できる場所にしか興味なかった。つまり家と同じ環境で適当できる環境が最優先だった。
だから学校PCが好きに使える環境で興味のあるニュースとかを
太陽に焼かれて殺されたダニの香りの芳香剤を売れ 第02話 anydaze
浅荷と帰る時に俺は何も気にしていなかった。
何も気にしていなかった、というとなにか強がりに聴こえる気がするので修正したい。
いきなり異性と帰ることについて何のためらいもないなどということはなく、なにかしら気にしたほうがいいのだろうとは思うのだが、気にする余裕がない。
というのも、「異性との帰りにおいて気にすべき然としたこと」の外郭すら探る余裕もないほど1日の終わりである帰り道は疲れているから