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いいなあ!とか、おもしろい!!と思った記事を集めてます。書いてくださったnoterさんに感謝。
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#読書

お悩み相談室(平家物語編)

お悩み相談室(平家物語編)

平家物語は二の足を踏んでいました。でもこの記事を読んでちょっと興味が湧いてきました。ワンフレーズ使ってみたいですし😊でも戦いがどうにも苦手なんですけど、それでも読み切れますでしょうか(お悩み相談)大人 ぷるるさん

読み切らなくていいと思います。まずは、おいしいところだけ、ダイジェストで読むのをおすすめします。その際、何を読むかが問題なのですが、こんなのはどうでしょうか。

古本屋でも、もったい

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今は、今しかない。動かなければと思った。

今は、今しかない。動かなければと思った。

西加奈子さんの「i」を読了した。

読み始めてすぐに、音楽を消した。
無音で読むのは久しぶりだった。
この小説は、あの事も語るのか。
すぐに理解した。

世界のどこかで、悲劇が起きようとも自分がそこの当事者にならなければ自分の事として考えられない甘い奴。それが僕。

人より不幸の自分の方が、自己説明がつく。
助けになりたい、救いたい。雄弁に語れる。
到底、本当の自己とは分離した自分との対話だ。

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図書館で借りる本をルーレットで決める  ①『地下鉄の文化史』

図書館で借りる本をルーレットで決める ①『地下鉄の文化史』

ルール1冊目 S516.72図書館にはいってたところで早速、ルーレットをまわしていく。
ひとつ目の数字は「5」。技術のコーナーへ移動。

それから「1」,「6」。まだ複数あるようなのでもう一回まわす。「7」。
まだまだある。これは予想外だった。さらにまわそう。「2」。

まだまだある……がこれ以上はルーレットで決めていくのは難しそう。
それに読めないと意味がないので、「516.72」たちの中から一

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『猿蟹後日譚 : 一名・猿蟹弔合戦』をネットの海に残す

『猿蟹後日譚 : 一名・猿蟹弔合戦』をネットの海に残す

前回紹介した『猿蟹後日譚 : 一名・猿蟹弔合戦 (幼年文学 ; 第2)』だが、神アプリである『みを』のおかげでどうにか読み終えることが出来た。

猿蟹合戦の別バージョンといえば芥川龍之介のものが有名だが、今回の猿蟹弔合戦はそれとは全然違う後日譚だったので、なかなか楽しめた。

(芥川龍之介の猿蟹合戦は、カニが復讐とはいえサルを殺したため、裁判で死刑になるというお話)

さっと調べた感じでは、この猿

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『猿蟹弔合戦』で変体仮名に打ちのめされた記録と『みを』

『猿蟹弔合戦』で変体仮名に打ちのめされた記録と『みを』

最近の昔話は『やさしい世界』になっているらしい。

かちかち山でババア汁をおじいさんに食べさせる描写はなくなり、桃太郎では動物は家来ではなく仲間という扱いに変更して、鬼退治も鬼説得になってるとかなんとか。

実に平和な世界だ。

自分はこの流れに対して文句を言うつもりはない。

物語はその時代に応じて変えられていくものだ。

前に巌谷小波版の桃太郎を紹介したが、当時の世相を反映しているのか暴力要素

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「好奇心」を哲学するのに私に必要だったのは、大工と海外文学だった。

「好奇心」を哲学するのに私に必要だったのは、大工と海外文学だった。

私が興味を惹かれるものに、その人を知りたいという「好奇心」があるのかもしれない。

私は、読書が好きだ。そこにそれ以上もそれ以下もない。もちろん知識は多くて、思慮は深い方が物事を造詣深く捉える事が出来ると思う。

私の「好奇心」は、そういうものより、現実を生きていて、このSNSに対して望む事が、それを描いてる人に興味が向く方が強い。ここ数ヵ月はその傾向がさらに強い。

これは、自分自身の今年やるべ

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汝、月灯りに照らしだされ、ジャカルタの酸性雨に濡れし黒衣を纏ひて、来たる

汝、月灯りに照らしだされ、ジャカルタの酸性雨に濡れし黒衣を纏ひて、来たる



連作:3

連作:4

汝、月灯りに照らしだされ、ジャカルタの酸性雨に濡れし黒衣を纏ひて、
来たる

INDONESIA

NORTH JAKARTA

Pantjoran Chinatown PIK

ON THE ROAD

8

18:30

そこが日本であれ、あるいは海外であれ、初めて歩く、あるいは、初めて乗り物でその道を通過するときに、わたしはいつも
〈ここを通るのは初めてだな〉と

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『万の文反古』を読んで江戸時代とSNSを想う【井原西鶴】

『万の文反古』を読んで江戸時代とSNSを想う【井原西鶴】

図書館へ徒然草と方丈記を探しに行った際に、ついでだからとなんとなく手に取った本がある。

それがこちら↓

『世間胸算用』、『万の文反古』、『東海道中膝栗毛』が一緒になったお得なセットみたいな本だ。

普段noteで旅行記事を読みまくりな自分だが、そういえば東海道中膝栗毛はしっかり読んだことがない事に気づき、借りる運びとなった。

でも今回紹介するのは東海道中膝栗毛ではなく、『万の文反古』である。

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スマラン、世界の静かな中心

スマラン、世界の静かな中心



前編

Pamplona、SPAIN 2018-2019.
過去



 その日、旧市街のEL GAUCHOでLuisとRita夫妻と出会い、遅くまで真冬のテラス席で一緒にお酒を飲んだ

それはわたしの人生のなかでも、おそらくは最も不思議な夜だった
特別な夜だったと言い換えてもよい

わたしのことを「息子」と感じている老齢のRitaと、そのRitaを福岡の実母にそっくりだと感じているわたし自

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上半期を終えた躍年は、下半期にさらに躍年を味わえる助走になったのか

上半期を終えた躍年は、下半期にさらに躍年を味わえる助走になったのか

3ヵ月ごとに今年を振り返る。それは、選ばれた者にしか訪れない。今年は厄年ならぬ躍年の貴重な一年だからだ。目一杯味わいたい。気付けば半年経過した。今年も色々あったと思うようにしている。何もないなんて、面白くないことは言わないことにしている。

悪くないね。

私は、ここのところハリー・ポッターのせいで連日魔法の世界へ通っている。それはどうしようもないことだ。つい手を伸ばして振り返ってしまったがために

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「ミセス・ハリス、パリへ行く」

「ミセス・ハリス、パリへ行く」

 この書き出しで始まる「ハリスおばさん」の旅は、心をワクワクさせるお話で、読み終えるまでずっと古い映画を見ているような気がしていた。
 ロンドンで家政婦をしている60歳間近のハリスさん(未亡人)は、仕事先で出会った「クリスチャンディオール」の服に一目ぼれした。年収に近いこの服がどうしても欲しくなって必死に給料を貯め、友人の心配をよそに、一人でパリに飛び立ったのだ。
 他人がどう思おうと、「ディオー

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[書評] 『その幸運は偶然ではないんです!』で知ったプランド・ハップンスタンス

[書評] 『その幸運は偶然ではないんです!』で知ったプランド・ハップンスタンス

私のことだから、また脱線して前置きが長くなりそうなので、今回ご紹介したい本を先にお伝えする。

『その幸運は偶然ではないんです!』(ダイヤモンド社)
(著者:J.Dクランボルツ、A.S.レヴィン)

元も子もないが、私は「この本に書かれているエピソードがとても面白い!」と思って、本書を紹介したいわけではない。

ただ、本書に出てくる「プランド・ハップンスタンス(Planned Happenstan

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先延ばし状態を直そうと本を読んでみたが…?

先延ばし状態を直そうと本を読んでみたが…?

この前中古のKindleOasisを買ったことで、今の自分はKindle Unlimitedが3ヶ月無料になった。

対象書籍が無料で読み放題なこの期間を利用しなければもったいない。

なにせ大量のビジネス書が読み放題!!

これはすごいビジネスマスターになっちゃうかもな!!

……さて、手に取ったのは『人はなぜ先延ばしをしてしまうのか』。

ビジネス書なんてのは、海外書籍の翻訳本を読むのが良いと

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レジー 『ファスト教養』 : ひろゆき、 中田敦彦、 カズレーザー、 DaiGo、 綾辻行人…

レジー 『ファスト教養』 : ひろゆき、 中田敦彦、 カズレーザー、 DaiGo、 綾辻行人…

書評:レジー『ファスト教養 10分で答えが欲しい人たち』(集英社新書)

SNS「note」を始めた昨年来、ずっと気になっていたことについて、本書からひとつの解答を得られた。

だから、個人的にはとても面白かったのだが、しかし、本書を「面白い」と感じるのは、私のように、今や「古い人間」だけなのかもしれない。

なぜなら、本書でなされた「世相分析」は、今の若者たちにとっては、彼ら自身についてのそれな

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