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今は、今しかない。動かなければと思った。

西加奈子さんの「i」を読了した。

読み始めてすぐに、音楽を消した。
無音で読むのは久しぶりだった。
この小説は、あの事も語るのか。
すぐに理解した。

世界のどこかで、悲劇が起きようとも自分がそこの当事者にならなければ自分の事として考えられない甘い奴。それが僕。

人より不幸の自分の方が、自己説明がつく。
助けになりたい、救いたい。雄弁に語れる。
到底、本当の自己とは分離した自分との対話だ。

ある世界のやりとりで言われた事がある。

「あなたの人生が挫折だからね」

その通りだ。僕は挫折を経験して経験して今に至る。

22歳の僕は、そこから3年に渡り、東京にいた。
僕はKONISHIKIとずっと一緒にいた。
元大関の小錦だ。今ならコニちゃんだ。

3年間で会わない日を数えた方が早いくらい一緒だった。

この働いている期間に起こる色々な、はなしは、またの機会にする。

僕は、知ることになる。
自分は、スポットライトを浴びる人生ではないと。

24時間どこでも携帯を向けられ、皆が注目する。
日本全国どこに行っても、老若男女だ。

僕はその事実を目の当たりにして、心のどこかで自分がこうなりたいという気持ちがあった事が、確実に折れた。

その当時は、毎日楽しくて必死で気付かなかった。

何より、「息子だから」と誰にでも紹介してくれる優しさに心の底から魅了されていた。

この頃を一つの転機だと考えている。考え方が明らかに自分の為にではなく、周りが喜び、自分が面白い事はないのだろうかと、何かを考える時に、思うようになる。

ある時言われた言葉がある。

「なあ、人生面白いな」

どうして?今なの?涙が溢れた。
それは、本人が手術の為にハワイに帰る少し前。
そして僕は、日本に帰ってきたらマネージャーして欲しいと言われたのを断った時。

僕は、いただいた全ての物を返さなければならない。

それには、息子と呼んでくれるなら、お互いが金銭で繋がっていては成り立たない。

こうして離れた後、何回も職を変え家族にも迷惑かけながら過ごしていた。すでに生きる目標が仕事ではなくなっている。

そんな時、あの東日本の震災が起きた。
KONISHIKIは、すぐに行動する。
あっという間にトラックを手配して避難所にグループで炊き出しに向かったのである。

たぶん知らないでしょう。でもそういう人なのだ。自分が行くことで笑顔を作れるということを知っている。自分の立場、運命を受け入れている。

あの日言われた「人生面白いな」は、間違いなくこの人の言葉だ。遠い異国から来て日本で有名になって、日本に住んでいる人を笑顔にしている。

裏の苦労なんて人は見ない。与えられた物に敏感に出来ている。

僕は、炊き出しに行っているその事を

「知っていて行けなかった」

言い訳なんていくらでも出来る。そうじゃない。
単純に怖かったし、押し寄せる感情の波に潰されるのが、嫌だった。

ただ、行かなかった事の罪悪感。疎外感は僕を責め立てる。

「知っていて行けなかった」は、
 
「知っていたのに行かなかった奴」

に自分の中で時間の経過と共に変わっていく。

この頃から、飛躍的に読書量が伸びていく。
何か答えを探していた。
あるわけない事を知っているのに。

僕は、この時、人生の岐路にいた事を自覚している。初めて自分に真剣に問い掛けた。

このままでは、何も出来ずに、返せずに、逃げ出して若い頃楽しかったねに成り下がるだけだ。

自分の人生を面白くするのは自分だ。
逃げなかったから今がある。僕がいる。

主催イベント



僕は、この写真のイベントを企画した。
もちろんいつもの仲間達と。

僕は、僕の周りにいる人達と関わる人達は、笑わせたい。それが僕なりのエンターテイメント人生を全うする事だと思っている。

この企画は、2015年地元神奈川県伊勢原市。最初から最後まで1年半かけてやったもの。全て仲間だけで。満員だった。売り切れた。

経費を除いた全ての売上は、寄付した。

これで何かから抜け出せたとか、そういうものではない。この企画を本人に話した時の嬉しそうな顔と

「面白いね」

その言葉が、僕を作ったと思う。

息子であるならばと、期待に応える覚悟を持った。

2020年、伊勢原で飲食の仲間が困っているって話した。
 
「一緒にBBQやろう」

すぐ来てくれた。幸せな時間だった。

今度は、また僕が返す番である。
僕の世界はこうして回っている。

今日もどこかで何か起きている。
「何か」にならない為には、今動くべきだ。

これが、この本の僕の想い。

なんのはなしですか

初めまして俺です。のはなし

僕は、ここを記録の場にして今までとこれからの自分達の話を面白おかしく書こうと思っている。

大抵はおちゃらけています。

これからも皆様よろしくお願いいたします。

このアカウントは、2022年の秋に行う予定のKONISHIKI来日40周年記念イベントに向けての発信と自らの表現を見付けたいと、筋トレしたり、生き物探したり、そして読書しながら。楽しさを追及していきます。


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