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#読書感想文

本を読んで感じた気持ちや考えたことを、言葉にしてnoteに残してみませんか?おもしろかった本の感想や学びを「#読書感想文」で教えてください!

急上昇の記事一覧

【絵本感想】『 たまごのはなし 』

「 静かなキッチンに眠る、シュールなたまごの物語 」 👑第27回 日本絵本賞 大賞受賞の絵本👑 著:しおたにまみこ 出版社:ブロンズ新社 《 読書感想 》 シュールな絵本が読みたくなることありませんか? この『たまごのはなし』は、たまごとマシュマロのやりとりや冒険がユーモラスに描かれつつ、読み手にそっと問いかけてくれる物語です。 動くことの大切さ、話すことでつながる温かさ、多様性を認めることの難しさ。それらが優しく、だけど確か

作・絵…宮西達也『おまえうまそうだな さよならウマソウ』

 たとえ姿かたちは違っても、仲良しになれる。  家族になれる。  愛しているからこそお別れをしなければならない日がきたとしても、決して忘れることはない。  そんなことを教えてくれる、心あたたまる絵本です。  とても素敵な絵本ですが、読むタイミングにはくれぐれも注意が必要です。  「この後、人と会う予定がある」という時は読まない方がいいです。  なぜなら、目が赤くなってしまうから…。  わたしはこの絵本がこういう結末を迎えることを望んでいませんでした。  愛ゆえ

読んで、張り巡らせるこころの根

サルスベリ 都わすれ ヒツジグサ ダァリヤ … 目次を眺めているだけで、草花に親しんでいた子どもの頃の記憶が呼び覚まされます。 オシロイバナで作る色水の透明感、種から出てくる粉の白っぽさ。 吹けば飛ぶたんぽぽの綿毛の軽やかさ、つくしを手折るときに耳にしたかすかな音。 ひろい集めた松ぼっくりや、どんぐりが並ぶ光景。 ヘビいちご、茱萸の実を口にした瞬間の、青い味。 そんなことを思い浮かべながら、この頃、眠る前に少しずつ読み進めていたのが、梨木香歩さんの「家守綺譚」です。

人生観が変わった漫画本「しあわせは食べて寝て待て」

仕事でうつ病になってから、毎日、自分を責めていた。わたしのせいでみんなに迷惑を掛けている。早く治さなければ。わたしなんていなければ… その頃、藁をもすがる気持ちで読んだ本に自己肯定感をあげると良いと書かれていて、その日のありのままの自分を受け入れる為に思ったことを書く日記を始めた。 6月◯日 ・次男のトラブルを減らしてあげたい→OK ・家族と向き合う時間が取れる仕事がしたい→OK ・お金は大事だけど時間はもっと大事→OK ・グリーンを毎日見て癒やされたい→OK ・近場で働き

「この世にたやすい仕事はない」 津村記久子

「どの人にも、信じた仕事から逃げ出したくなって、道からずり落ちてしまうことがあるのかもしれない、と今は思う。」 「この世にたやすい仕事はない」 津村記久子 この物語の主人公・36歳、女性の「私」は、新卒で14年働いた会社でのストレスに耐え、燃え尽き症候群になってしまい会社を辞めました。 そして 職探しの相談員・正門さんにこのような条件を出したのです。 初老の相談員の女性・正門さんはその条件を聞くと、キラリと眼鏡を光らせます! その仕事とは 小説家・山本山江の行動

「13歳からのアート思考」を読んで|読書感想文

著者の末永幸歩さんは美術の先生である。わたしがこの本を読みたかった理由はサブタイトルに惹かれたからだ。 自分だけ、自分さがし、自分らしさ、とかの言葉に反応してしまう。 感想鮮やかなクロードモネの睡蓮のページではじまる。 美術館にいるつもりでご鑑賞くださいと書かれている。 4歳の男の子は絵をみて「蛙」がいると答えた。実際のところ、モネの睡蓮の絵には蛙は描かれていない。 男の子はそのあと、蛙は水にもぐっていると答えた。 小学校では図工が人気科目の第3位だそうだ。しかし、

作…アストリッド・リンドグレーン『やかまし村のクリスマス』

 スウェーデンの中でも特に雪深いところ。  家が三軒しかない村なのに、全然寂しくなんかなくって、やかましいくらい皆が楽しく暮らしている「やかまし村」。  そんなやかまし村のクリスマスを描いたこの絵本は、村にたった七人しかいない子どもたちがクリスマスの準備をするところから始まります。  周りは雪でいっぱいなのに、みんな寒さなんてへっちゃら。  ビスケットを焼いたり、薪を運んだり、ツリーを飾ったりと、大忙し。  そうして賑やかに迎えたクリスマスは、みんなの喜びに満ち溢れ

著…夢枕獏『陰陽師』

 優しい言葉と、恐ろしい言葉。  そのどちらがより強い力を持っているのか、考えさせてくれる小説。  ⭐️単行本版 陰陽師www.amazon.co.jp249円(2024年11月21日 07:02時点詳しくはこちら)

読書感想文〜「書店員は見た!」

「書店員は見た!本屋さんで起こる小さなドラマ」 森田めぐみ・著(大和書房 2024) 書店で、店員さんにおすすめ本を尋ねたことはありますか? この本は、書店で働く著者が、お客さんにすすめた本を、そのエピソードとともに、書かれているブックガイドで、 雑誌「サンキュ!」の連載(2018年ー2023年)を、まとめたものです。 で、これ、本好きな方に、最高におすすめです! 全59話で、各2冊ずつ紹介されているので、ザックリ100冊くらいの本が選ばれていますが、その紹介されてい

弱さという強さ【平熱のまま、この世界に熱狂したい 読書感想文】

エッセイストを志している割には、あまりエッセイの本を読まない。noteではむしろエッセイばかり読んでいるのだが、実際に出版されている書籍を読むことも大切だと思い、以前から気になっていた本を買った。今年の9月のことだ。 宮崎智之さんの『平熱のまま、この世界に熱狂したい 増補新版』(以下『平熱』)。以前ちらっと匂わせていたのはこの本だった。 今回はこちらの読書感想文を書いていこうと思う。 まず驚いたのは、宮崎さんの文学の造詣がとんでもなく深いことだ。 本書は20以上のチャプタ

2024年おすすめ本②

「カラマーゾフの兄弟」ドストエフスキー 亀山訳 読むのに2週間要したが、読んで良かった!と心から思える本。 光文社古典新訳だけあって、思いのほか読みやすかった。 読書ノートを振り返ると11ページ分になっていて驚き。 この本に関しては、 ぜひ読んでみてほしい、以上!としか言いようがない。 哲学的に考えると、どこまでも難しくなる物語だが、「父を殺したのは誰か?」という大きな謎があるので、つい先が気になってしまう。 登場人物も主役はもちろん、脇役に至るまで皆生き生きとしているの

【追悼】谷川俊太郎さんに救われた日々

悲しみがいっぱいの朝を迎えた。 ああ、谷川俊太郎さんが亡くなられてしまった。 ご高齢にも関わらず、ご活躍されていたのを陰ながら応援していたのに… 辛かった時、支えてくれたのは谷川俊太郎さんの詩だった。偉大な人だった。まだまだたくさんの言葉を残してくださると思っていたのに。 谷川俊太郎さんの詩との出会いは小学生の時。教科書に載っていた、「朝のリレー」と「生きる」という2編の詩は衝撃を受けた。「朝のリレー」ではカムチャッカの若者から始まり、地球に住む人々の大きなつながりを感じさ

監修…宮崎駿 編…スタジオジブリ『トトロの生まれたところ』

 懐かしい物語を思い起こさせるだけでなく、これからまた新たな冒険も始まる予感がしてワクワクさせてくれる。  そんな緑萌える所沢の自然を、優しいタッチと色彩で描いたスケッチ集。  こうして野の草花や木々のスケッチを見ていると、「きっとここでは虫や鳥や動物たちも賑やかに暮らしているんだろうな」と想像出来て、心が和みます。  また、メイちゃんやサツキちゃんのような子どもたちがドングリを探している姿や、その片隅にまっくろくろすけがこっそり隠れている姿も心に浮かんできます。  

【読書感想】小さなダイエットの習慣/スティーヴン・ガイズ

「小さなダイエットの習慣」こちらの本、読みました。 ダイエット関連の本は今回で9冊目です。 これまでのダイエット関連の記事は以下マガジンにまとめています。 本の内容まずはAmazonから本の内容を抜粋します。 こんな感じの本です。 「小さな習慣」がベストセラーとのこと。 まずそちらから読むべきなのかもしれませんが、ダイエットについて書かれた本書から読んでみました。 「小さな習慣」「小さなダイエットの習慣」どちらも、表紙のゆるいイラストがかわいいですね。 著者情報本

文才でも語彙力でもない細分化が「好きを言語化する技術」

いやー、めっちゃおもしろいためになる本でした。まじで考えさせられた。やばいわ。泣けてきたわ。 感動を伝えたいのに。言葉が出てこない。 やばい、おもしろかった、感動した、考えさせられた、泣けた、なんて誰もが使うありきたりな言い方しかできない。しかもこれらは思考を停止させる言葉。 noteを書くときにも避けたい。だけどあるある。「楽しい」とか「すてき」とか多用してるわ。「いかがでしたか」など定型文的な言葉とか。 といっても 自分だけの言葉で伝えたいけれど、文才がない、難し

【政策起業家】 読書#144

みなさん、いつもお世話になっております! 本日は、私の投稿の軸とする一つ「本」「読書」に関して書かせていただきます。 自己紹介に書いたマイルールを守りながら、私の大好きな本について書いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします! 今回は、ちょっと政治っぽい話! でも、ちょっと違う政治の話であり、まちづくりの話! ヘッダーは、龍青山さんの作品を使わせていただきました! ありがとうございます!! 目次 基本情報駒崎 弘樹 (著) 筑摩書房 出版 2022年1月1

感想 最強のニーチェ入門幸福になる哲学 飲茶 とにかくわかりやすいニーチェの入門書。超人という言葉が禅思想に似ているのに気づいた。

哲学と言うと難解という印象がある。 カントやサルトルはかなりきつい。 僕は哲学が好きで、そのとっかかりはニーチェだった。 だからニーチェ本はやたらと読んでいる。 ニーチェの言葉は過激で力強い。だから好きです。わかりやすいのもいい。 本書は、たぶん、僕の知る中で一番ニーチェをわかりやすく解説した本だと思う。 女性に、先生が教えるという形式をとっています。 例えが秀逸で腑に落ちる。 中学生にでも理解できる内容になっている優れモノです。 著者は、哲学を次の二つの種類に分類して

ユダヤ人によるホロコースト産業の告発。つまりタカリ・ビジネス。1976年にイスラエル軍が周辺国に対し圧倒的勝利を収め米国の代理となり得るとはっきりしてからザ・ホロコーストが神聖化した。慰安婦問題に酷似か?『許す』という概念がない。 https://amzn.to/3ZguDWL

アナログ派の愉しみ/本◎中根千枝 著『タテ社会の人間関係』

連続強盗殺傷事件の 集団原理とは? 連日のようにニュースが声高に報じている首都圏連続強盗殺傷事件のうち、一件はわたしが居住する地域のすぐ近くで発生して、この「闇バイト」を利用した物騒な犯罪が身近に迫っていることを思い知らされた。と同時に、こうした事態に対してとめどない恐怖と怒りに駆られる一方で、どこかデジャヴ(既視感)を呼び起こされるような居心地の悪さも覚えてしまったのである。    農村の封鎖性ということはしばしばいわれてきたのであるが、筆者の観点からすれば、都市におけ

さくらももこの魅力

小学生の頃、ちびまる子ちゃんが大好きだった。 トイレにちびまる子ちゃんの漫画を持ち込み、同じ話も何度も読んだ。ゲラゲラ笑った。 漫画より先にアニメに親しんでいて、1992年に一旦アニメ放送が終了した時には、大泣きした。 大泣きする私の隣で苦笑いする父と母の顔を、なぜか今でもよく憶えている。 1995年に放送が再開した時は、歓喜した。 たぶんその頃から、漫画も集め始めた。お小遣いを握りしめ、古本屋に連れてってくれと父にせがみ買うのは、大体ちびまる子ちゃんだった。 少し大人に

平行植物(著:レオ・レオーニ)【この読書感想文は夕方と朝の限られた時間だけ読むことができる】

生物学3大奇書の一角を占めた本。 もう2冊はハナアルキの本と、アフターマンです。 他にも生物学奇書はたくさんありそうだけど。 謎のパワーで、人の目に見えないために、 今まで発見されなかった植物群。 触ろうとするとチリになってしまうとか、 しばらくすると見えなくなってしまうとか、 色は基本的に黒とかが多く、 あるいは虹色とかも。 人類に見えない光線の領域に合わせているのでしょうか? しかし、私はこの「並行植物」がいちばん閉口しています。 というのも、 この植物たちは、

#117【絵本】おはよう ぼくだよ

今日は可愛くてステキな絵本の世界へ📚 記録として感想を書いています。 今日の絵本 『おはよう ぼくだよ』   作/益田ミリ 絵/平澤一平 発行所/岩崎書店(2012年) この絵本のテーマは・・・ 著者が絵本で伝えたいことや絵本に込めたメッセージ。 私なりに感じたこの本のテーマは、 【ぼくはぼく・自分でいること】 私が感じた事 作者の益田ミリさんを知ったのは、おうみのひとさんの読書記録記事。 漫画もエッセイも面白そうですが、まずは検索した時に見つけた絵本を予約し

「岩に立つ」三浦綾子さん(読書感想文)(*ネタばれ注意)

戦前戦後を生き抜いた 「あっし」こと棟梁(大工)の 鈴本新吉(モデル鈴木新吉)の 武勇伝的ストーリー。 三浦さんちも、この人に建てて もらったらしい。 喧嘩っ早くて、頭が切れる キリスト教者の鈴本は どこへ行っても大活躍。 ヤクザ相手や、特に戦時中の ヒーローぶりはスゴイ。 モデルがいるとはいえ、 どこかに男に扮した 三浦さんが見え隠れする。 岩に立つ家、は聖書の句から。 鈴本が一家そろってクリスチャンに なる動機がイマイチ薄かった。 それに、戦地に聖書、持っていけた

エスパーにだってなっちゃうよ|「best friends」アン・ハワード(読書日記)

予定も終わり帰宅すると、ポストに一通の手紙が入っていた。 真っ白な封筒。差出人は友達のタンポポ。不安が押し寄せた。 しばらくタンポポからの音信が途絶えていて、それ自体はよくあることなのだけど、ふと(タンポポが何か悩んでいる気がする…)という第六感が働いたのだ。 タンポポは遠方に暮らしているので、急にLINEで「悩んでない??」と聞いても話しづらいだろうと手紙を書いたのか1ヶ月以上前。(そもそもLINEに既読ついてないし) 私たちは高校の授業中にやっていた手紙交換を10年経っ

【最近読んだ本】自分だけの「東野圭吾ミニフェア」など

9月から読んだ本の記録を残していなかったので、ざっくりと覚書き程度に書いておこうと思う。 まずは、東野圭吾作品から。 久しく読んでいなかったが、5月に『ブラックショーマンと名もなき町の殺人』を読んで、やっぱり面白いなと思った。それから最近、連続して作品を読んだ。ここ3~4年に発刊された比較的新しいものばかりだ。 いわば、自分だけの「東野圭吾ミニフェア」。 最近読んだクスノキのシリーズは、ミステリーというより「ほっこり」系。『ナミヤ雑貨店の奇蹟』のように、ややファンタジー要

[旅]神保町で泣く

もう少し神保町でのお話し。 子どもの頃から本を読んできました。 覚えている中で一番古く、思い出の詰まった本を探すことに。 きっと、ここにはあるはず。 絵本・子どもの本の古書店 『みわ書房』 何度も何度も繰り返し読み、本を綴じる糸が出て、千切れるまで読んだ本。 お店でその本を探していると、小学生の頃に定期購読してた学研の「学習」を発見。ほー、懐かしい。 小学生の頃、伝記を読むのが好きでお世話になったポプラ社の伝記シリーズも発見。 字が小さくてあんまり読まなかったけど、

途中で放棄した読書感想文

最近、サルトルが気になっている。 サルトルはフランスの哲学者で、実存主義という思想の中心人物だ。活躍していた当時は、アイドルか何かみたいな大人気ぶりだったという。 わたしは、彼の「人間は自由なんだから、自分で決めるしかない。腹を括って自分の責任で決めろ」という考えが好きだ。逆に「人間には本質などなく、自分で本質を形作っていくのだ」という話には完全には賛成していないけど(後半はわかるけど人間の本質も見つけたい気がするから本質には存在してほしい)。 そんな気になるサルトルだ

読んだ本の感想「婚活マエストロ」

「成瀬は天下を取りにいく」 「成瀬は信じた道をいく」 の作者 宮島未奈さん最新作 成瀬をワクワクして読んだので、今回もワクワクして読みました 宮島さんは魅力的なキャラクターを生み出す天才なのだと思いました 本作に出てくるどのキャラクターも頭の中ですぐに顔がでてくるほど魅力的でした 中でもやはり主人公 〈婚活マエストロ〉 「鏡原奈緒子」 はかなり魅力的なキャラクター 本から声まで聞こえてきそうな感じでした 鏡原さんは人の匂いでどの人とどの人がマッチするかを嗅ぎ取れる

これからを生きるための無敵のお金の話

ごきげんよう、CHIKOです♡ 久々の読書ログ! 読書してなかった訳ではないですが Amazonオーディブルに最近ハマってて 活字より耳読しちゃってました。 どこでも聞けるし良いのですが やはり活字の方が頭に残りやすい気がするので オーディブルは解約かな〜 さて、ご紹介する本はこちら! ひろゆきの本かぁ〜(笑)と思って あまり期待せず読み始めたら、予想外に面白くてすでに3周読み返しました!汗 ひろゆきって、他の人とは違う思考回路なので へぇ〜と思うようなトリビア的な

まぶたのうら日記

11/16 土 天気が悪いと思っていた週末が晴れた時の嬉しさ。朝から外出。駅で太陽を浴びながら目を瞑ると目の前が真っ赤になる。これをやるとなぜか小学校の運動会のリハーサル中、グラウンドで体育座りしてだれかのスピーチの練習を聞いたふりをしてぼんやりしていたことや校庭の砂埃のなんともいえないにおいを思い出す。あの頃はたしか卒業アルバムで将来の夢をパン屋のバイトと書いていた。結局パン屋のバイトになったことはない。 移動中に「ネタパレ」を観る。トムブラウンが地元札幌で路上ライブリベ

【生殖記】○○○視点の日常系小説

オススメ度(最大☆5つ) ☆☆☆☆ 〜朝井リョウさん最新作〜「正欲」以来、三年ぶりとなる朝井リョウさんの新作。 朝井リョウさんは大好きな作家さんの1人で、今まで読んだ作品はどれも心を打たれてきた。 その大きな理由の一つは、朝井リョウさんが常に現代的なテーマに対してメスを入れる鋭い視点を持っているからだ。 「正欲」では「多様性」という言葉に鋭いメスを入れてきた。多くの人が感じていた違和感を見事に言語化して、モヤモヤを解消した。 本作もその例にもれず、現代的なテーマを多分に盛

#141 辛いときこそ食べるのだ

食事は、思いの外人間関係に影響を与えているものだな、とふと思った。 今いる職場の人たちとも、昼休みに一緒に食事をしているときに仕事以外の話をするようになり、徐々に仲良くなっていった。 上司や友達とは、「呑ミニケーション」なんていう言葉はもう死語だけど、一緒に呑みに行ったことで、職場では話さないことを話して親交を深めた。 食事は、人と人を繋げる架け橋になりうるものなのだろう。 もちろん一人の食事も、それはそれで楽しい。 特に一人の場合だと、誰かといるときより味わう余裕が生

#163 読ませる文章とは?それは「クリエイター独自の視点」がある文章だ

どういう文章が読まれるのか。 いや、読ませる文章は一体何が違うのか? 今回はコチラの本💁私を読書の世界へ引きずり込んでくれた齋藤孝先生の本だ。「読書の全技術」の「書く」バージョンである。 読ませる文章とは? 自分が感動したことを「発見」とするならば、それを「やばい」の一言で片付けることなく、なんとか言葉に起こすことによって、読ませる文章になるのかもしれない。 書きたい‼︎ と思ったのであれば、きっと何かすごいことを見つけたり、感動したときだろう。その「発見」が多けれ

ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』11第二編「五 アーメン、アーメン」

タイトルの付け方がちょっと不思議で、これはロシア語で読まないと感覚的には変わりづらいものなんだろう。 最初のテンションはどこへやら、なんだかおとなしい日記に成り下がってしまったけれど、それも全て会社でドストエフスキーもびっくりのおしゃべりに満ちて、それでいて先に全く進まないという小田原評定かウィーン会議かという出来事に参加したことによる疲労のせいだ。 そもそも司会が権限を持っている人なのに、個人のビジョンを持っていないから、矛盾した意見が出た時にどっちを取るかを決断できな

谷川万次郎様より拙著『日根野の王』をご紹介いただいております!

ありがたいことに、フォロー中の谷川万次郎様が、拙著『日根野の王』を複数回にわたってご紹介くださっています! 👇谷川万次郎様のプロフィール 歴史ものや名作文学、話題の新作、お料理からスポーツに至るまで、さまざまな読書をされ、わかりやすくテンポの良い文章で記事をつづっておられます。 その幅広い読書体験を、心地良く共有させていただけます。 (『リーダーは日本史に学べ』『虎の血ー阪神タイガース、謎の老人監督』など、私としては特におすすめです) 日根野という一つの場所から、この度

【読書記録】遠い太鼓

おすすめ度 ★★★★☆ 村上春樹を読むのなんて20年ぶり位だ。 学生時代は割と読んでいたけど、毎回やたらとモテるシニカル男が美女とイチャラブする、そして美女が消える。という話な気がする。 色々読んでるはずなのに、それしか覚えていない。 これは旅行記なので、文章は好きだけど小説は好きじゃないという私のような人におすすめ。 村上春樹はエッセイに限る。(多分少数派) こちらの記事で出会いました↓感謝を込めて。 * 図書館で借りたんだけど、分厚くてびっくりした。そして古い。村

投資#317 最近の私の「なんか違うな」

書籍の情報 書名:『「このまま人生が終わったら悔いが残る」と思ったら読む本』 著者:米良克美 発行日:2024年10月 書籍の抜粋 抜粋した理由最近、私も直感に従って、 職場の「何か違うな」に モノ申しているので、 なんかちかいところある かなと思っています。 ―――感想1―――「何となく違うな」 「肌が合わないような気がするな」 と感じたら、 確かにその後は連絡することは ないですね。 そもそも、子育てで、 初めて会うのは、子どもを 通して出会うお父さんお母さん

「睡魔」にも社会性って大事なんだな笑。わたしもたぶん、ネムが大量発生するタイプです。どうか引き取ってください^^;好奇心と勇気がいっぱいのお話でした。そしてちょっと笑っちゃう。カップラーメンがお好みだなんて、とっても親近感。魔も人も、一緒に暮らせる世界っていいね( ´ ▽ ` )

【読書感想文】失敗の科学

なぜ飛行機事故はめったに起きないのに,医療過誤はよくニュースで聞くのか? みなさんはその理由をご存知でしょうか? その答えは,失敗から学んでいるか否かという違いです. そんな,失敗の重要性について説明してる本がこちらの失敗の科学です. 人は失敗から学んでいるのか?本書では,悲惨な医療過誤についてとても詳細が語られます.読んでいるだけで悲しくなってきますが,重要なことはそのときの状況を振り返ってミスに至ったさまざまな原因を分析しているのか?という点です. 医療の現場では

📚47【本を出そう、本を出そう、出したらどうなった?】出さ(せ)ないけどね 939

※ヘッダー画像は表紙部分です ※Amazonアソシエイトプログラムに参加しています 本を出そう、本を出そう、出したら どうなった?城村典子(出版する人を応援したい書籍編集者、出版コンサルタント、青山学院非常勤講師、株式会社Jディスカヴァー代表) みらいパブリッシング 213頁 2024/7/10初版 タイトルに惹かれて手に取ってみた。 小説などの創作で出版を目指す人にとっては、直接的なアドバイスにはならないかもしれない。 出版社•編集者の役割りや出版•流通の仕組みを知

感想 岸辺露伴は倒れない  北國 ばらっど 岸辺露伴の世界がうまく表現されていた短編三作品。

「黄金のメロディ」。「原作者 岸辺露伴」。「5LDK〇〇つき」の三作品。 6月になると入居者が消える「5LDK〇〇つき」の闘い方や、「原作者 岸辺露伴」の改変者に対する攻撃してくるものの存在など、岸辺露伴シリーズの雰囲気が踏襲されており面白かった。 北國 ばらっどという人が作者らしいが、岸辺露伴はもともと荒木飛呂彦の漫画『ジョジョの奇妙な冒険第四部 ダイヤモンドは砕けない』に登場する架空の漫画家。同漫画のスピンオフ作品『岸辺露伴は動かない』の主人公であり、NHKでテレビド

物語思考 読書感想文

はじめに「物語思考」を読了した。感想と気づきを記録する。 要約要約は感想でも気づきでもない。自分の中で整理するために要約を残す。 成し遂げたい目的や目標がある。として、そこに向かうために意思や根性で向かっていくのはナンセンスだよ。 自分の人生を物語として捉えて、過程を謳歌する方が幸せな人生を送られる。目標も達成しやすいかもしれない。 人間には現状維持の本能があるから、意思や根性で頑張っても現状に引き戻される。だから、辿り着きたい場所が当たり前になるようにする。辿り着き

【この1冊】島田荘司『異邦の騎士』を読んで、信じられるものはここにあると思えた

20年以上前に20代で出会った魂の1冊 ※核心的なネタバレは避けますが、かなり内容に触れるので、未読の方はご注意ください ※作家名は敬称略とさせていただきます     ーーあぁなんか、ついにこの本のことを書く時がやってきた気がする。好き過ぎて、なかなか触れられなかった。けど、ようやく自分のなかで「この先書いていきたいこと」のジャンル分け(ミステリー/映画/子どもと本など)ができてきたから、次の扉を開けてみようかと思えた。時事的な意味は特にない。ただただ大きな影響を受けた本

【読書】哲学のはじまり(戸谷洋志 著)

 2024年11月21日(木)、戸谷洋志さんの『哲学のはじまり』を読了しました。NHK出版から出されている「学びのきほん」シリーズです。記録を残します。 ■本書の構成 4つの章で構成されています。第1章の哲学とはどんな学問か、に始まり、第2章以降で、存在論、認識論、価値論、それぞれの基本が記されています。  私は、哲学の入門となる書籍を読むことはあるのですが、多くが哲学史のようなものでした。そして、少し細かい分野の分類に目が行っていた(行き過ぎていた?)ように思います。

今日見つけた本&読んでる本#11 本日はカフカと読書と藤子・F・不二雄の話、そしてやっぱり短歌にまみれています。

こんにちは! 生きづらい社会の中で、心がスッとラクになる「言葉のお守り」をお届けするつくだです。今日も積ん読人生を歩みつつ、パソコンに向かって短歌を書いてます。 さて、今週もわたしの「ほしい本リスト」にはたくさん本が追加されました。その中から、3冊ご紹介していきます。 いま読みたい本まず一冊目はこちら! カフカは好きで、何度か記事を書いています。短篇は好きなのですが、長編は手つかず。特に城は未完の作品ということで、読んでいなかったのです。しかし「最新の史的批判版にもとづ

『今日、誰のために生きる? アフリカの小さな村が教えてくれた幸せがずっと続く30の物語』

「あれ? この本見たことある」と思われたかた、すでに読まれたかたが多いのではないでしょうか。 私も発売以降noteで5回以上は見かけました。最近も見かけて、「あ、これは読んだほうがいいやつだな」と思って読んだわけです。 「心のゆとり」「余裕」 これらを、日本人はいったいどこへやってしまったのでしょうか。 読みながら、本に対するコメントがそのまま自分への問いになるような、対話が生まれる本だと感じました。 「自分」「日本人」「現代人」に対するふり返りにもなる本です。

エッセイぽく、気楽に聴くのに向いてるかな。:読書録「自分とか、ないから。」

・自分とか、ないから。 教養としての東洋哲学 著者:しんめいP   ナレーター:大谷幸司 出版:サンクチュアリ出版(audible版) noteで「東洋哲学本50冊よんだら「本当の自分」とかどうでもよくなった話」って記事を書かれた著者の作品。 note記事が出版のきっかけらしいんですが、遥か昔(記事が書かれたのは2020年だけど)に読んだ気も…。 で、改めて読んでみたんですが、ベースになってると言っていいのかどうかは…。 これはこれで興味深かったですけどね。 改めて(多分

「自己肯定感」より「自己効力感」を

今日も引き続き、越川慎司さんの『世界の一流は「休日」に何をしているのか』をご紹介します📖 「他者との比較」有無自己肯定感とは、自分の能力や価値に対して、自己評価が高い状態を指します。 自己評価が高いというのは、他の人と比べて「自分の方が上」と判断すること。 そのため自然とハードルが高くなり、ストレス・レベルも高くなる考え方なのだそうです。 それに対して、自己効力感は他の人と自分を比較するのではなく、「自分ならばできる」と自分の能力や価値に自信を持つこと。 そのため、

明治殺人法廷(レビュー/読書感想文)

 明治殺人法廷(芦辺拓)  を読みました。新刊です。  芦辺さんは、新刊が出たと聞くと、とりあえず手に取ってみる作家さんのひとりです。  やはり昔から追っている森江春策シリーズには愛着がありますが、最近の力のこもったノンシリーズ作品(実はシリーズものとも世界観が続いていたり――)も読み応えがあって楽しませてもらっています。  近年の作品だけでも、日本推理作家協会賞と本格ミステリ大賞をダブル受賞した傑作『大鞠家殺人事件』(2021年)を筆頭に、『乱歩殺人事件――「悪霊」ふ

【読書感想】苦難の中で、社会から忘れ去られていても-5終

【読書感想】苦難の中で、社会から忘れ去られていても-5終 それは地獄ではない。 石牟礼道子さん「苦界浄土」 人間であることに罪を感じず、苦しみを伴う煩悶無しにはいられない名作です。