蛸文(たこふみ)

36歳。男性。娘2人。主に読書記録(2020年3月note開始から317冊分)。たまに…

蛸文(たこふみ)

36歳。男性。娘2人。主に読書記録(2020年3月note開始から317冊分)。たまにエッセイ。誤字脱字多め。 統計検定2級を目指し勉強中。 好きな著作家・作家/福田恆存、岡潔、安部公房、中島らも、カフカ、山口周、朝井リョウ  座右の銘は「健全なる知性は健全なる品性に宿る」

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  • 【小説編】蛸文(たこふみ)の読書記録

    僕の読書記録・小説編です。月に1冊ぐらいのペースで更新してます。

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    半期ごとに、ベスト3冊をまとめていきます。

  • 数学系エッセイ

    自分のエッセイの中から数学・統計学系の記事をまとめました。

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2024年上半期(1〜6月) ベスト3冊

この半年で読んだ本は32冊。 並行して統計検定の勉強をしているので、そう思うとまあまあ読めたかなと。 半期ごとの恒例で、この半年に僕が読んだ本の中でベスト3冊をご紹介。 時計じかけのオレンジもともと、同名映画のファンであったのだが、原作も違った角度で面白かった。 原作と映画で解釈は違うものの、どちらも大きな魅力を感じた稀有な物語である。 HERE ヒア今までに無かった新鮮で斬新すぎる読書体験。 紙の本の上でしか表現できないアイデアと世界観に圧倒された。30歳を超えて、こ

    • 【逆転美人】(ネタバレ無し感想)

      オススメ度(最大☆5つ) ☆☆☆☆ 〜こんな記事読んでないで、気になったらさっさと読むべし〜「紙の本ならではの超絶トリック」「電子書籍化不可能」という文句でネット上で話題になってた本作。以前読んだ「世界でいちばん透きとおった物語」に雰囲気としては似ているかもしれない。 まぁ、この手の作品は前情報を一切入れずに読むのが良いと思う。読めば誰でも理解できる解説のいらないトリックなので、僕はわざわざここでネタバレは書かない(いくらでもネタバレを書いてる人はいるだろうから笑)。この

      • 【虐殺器官】ディテールの緻密さに圧倒される上質なSF

        オススメ度(最大☆5つ) ☆☆☆☆☆ 〜ゼロ年代最高のフィクション〜ネットでSF小説を検索していると「ゼロ年代最高のSF小説」という触れ込みでよく見かけていた本作。前々から気になっていた作品で今回読んでみたわけだが、その没入感に圧倒されてしまった。要は最高に面白かったのだ。 戦争、内戦が本作のメインテーマであり、その世界観や作中で使われる用語などはゲームの「メタルギア・ソリッド」によく似ていると感じていたのだが、なるほど、調べてみると元はメタルギアの同人のネタとして温めて

        • 本を◯冊読むと…

          本を10冊読むと… 読書が習慣になってきたことを実感する。読み終えた本を眺めて達成感を感じるようになる。 本を30冊読むと… 読書を始める前より自分が少し賢くなったように思える。世の中が少しだけクリアに見えてくる。 本を50冊読むと… 人の話を聞く時の解像度が上がる。人の言葉の裏に隠れた意図などを読み取れるようになる。 本を80冊読むと… だんだん人の話が「どこかで聞いたような話」に聞こえてくる。ネット記事や本が「どこかで聞いたような話」の焼き増しに見えてくる。

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          僕の世界観や人生観を変えた小説・3選

          一般的な教養書を読んで知識を得るのとは違い、小説は知識よりも人生観や世界観に影響を与えると思う。 良い小説は世界の見え方を変えるのだ。 というわけで今回は僕の世界観や人生観を変えた小説を3つご紹介。 オーバーストーリー木や森は生きている、というのを心のレベルで理解した1冊。 テーマは森林破壊への警鐘なのだけど、それ以上に感じるものが多い一冊であった。 タイタンの妖女 有名なSF小説。 自由とは、人生とは、世界とは? そんな疑問をもつ自分がとてもちっぽけに感じてしまうシニ

          僕の世界観や人生観を変えた小説・3選

          【あなたがあの曲を好きなわけ】音楽の好みを科学的にアプローチ

          オススメ度(最大☆5つ) ☆☆☆☆ 〜音楽嗜好への科学的アプローチ〜僕にとって音楽は生活の中から切っても切り離せないものである。 通勤時間は常にイヤホンで音楽を聴いているし、寝る時にも音楽を聴いていないと眠れない。 聴く音楽のジャンルも問わず、ロック、ジャズ、クラシック、テクノ、などなど、とにかく何でもかんでも聴くので、音楽的には雑食である。 自分でもギターを演奏して作曲もしているので、その参考のために音楽を聴くこともあり、それなりに耳は肥えていると自負している。 さて

          【あなたがあの曲を好きなわけ】音楽の好みを科学的にアプローチ

          平凡な僕の「ホラー映画論」

          僕はホラーやスリラーの映画が好きである。 好きなのだが、たまに見たことを後悔する作品がある。 一言で言うと「取り返しのつかない状態で生きていかなければいけない状況になる」ものがかなり精神的に参ってしまう。 例えば、以前レビューを書いた「OLD」は、急速に老化が進行してしまう海岸に閉じ込められた人々の話なのだが、物語が進むにつれて人々が老いていく姿を見ていると、過ぎた時間は戻らないのだから、このまま脱出出来てもその後の彼らの生活を想像すると救いようがなくて見ていられない。

          平凡な僕の「ホラー映画論」

          【私の幸福論】刺激の強い幸福論

          オススメ度(最大☆5つ) ☆☆☆☆☆ 〜不幸にならないための一冊〜「人間・この劇的なるもの」では頭を撃ち抜くような刺激的な言葉の数々で感銘を与えてくれた福田恆存さんの著書。こちらも、平易な言葉ながらも容易には読めない刺激の強い一冊である。 タイトルにある「幸福論」という言葉から、人が幸福に生きるためのノウハウが書かれているかと思いきや、その内容は逆説的である。 一言で表すなら「不幸にならないための本」である。 〜まず、あらゆる事実を受け入れる〜さて、では不幸にならないた

          【私の幸福論】刺激の強い幸福論

          思った以上にエスプレッソが簡単に作れるビアレッティ。半年ぐらい迷ってたんだけど、買ってよかった。 新しい生活が始まった気分。

          思った以上にエスプレッソが簡単に作れるビアレッティ。半年ぐらい迷ってたんだけど、買ってよかった。 新しい生活が始まった気分。

          【きみのお金は誰のため】キレイゴトを論理的に

          オススメ度(最大☆5つ) ☆☆☆☆ 〜世界はお金が全てなのか?〜若い頃、年上の人に「この世はお金が全てだよ」と言われて、それに言い返せずに悔しい思いをしたことがある。 たしかに、お金が無ければ、自分の欲しいものや望むものを手に入れられないのはもちろんのこと、生活することすらままならなくなってしまう。結局、お金が無ければ僕らは生きていくことが出来ない。 本書によれば、そんな論理のもとに僕らは「お金の奴隷」になっている。 全ての判断はお金が基準になり、お金が手に入る手段を何よ

          【きみのお金は誰のため】キレイゴトを論理的に

          【民主主義とは何か】曖昧な民主主義という言葉を考え直す

          オススメ度(最大☆5つ) ☆☆☆☆☆ 〜民主主義ってどういう意味?〜「民主主義」という言葉は非常に曖昧である。 いろんな場面で使われる民主主義という言葉だが、各々使う人によりその定義が違うように思える。 「自由を守るために民主主義は必要だ」 「世の中を良くするために民主主義は守らなければならない」 「民主主義の崩壊は社会の崩壊だ」 などなど、民主主義という言葉を使ってさまざまな議論が交わされるのだが、では、「民主主義」ってどういう意味なんだろう?それを明確に答えられる人は実

          【民主主義とは何か】曖昧な民主主義という言葉を考え直す

          大人になっちゃった方が楽しい

          先日、36歳になった。 40代がもう手の届く距離までやってきたわけだが、それに関して嘆く気持ちは全く無い。 むしろ、歳をとるにつれて人生が楽しくなっていっている。 というか、20代後半までは色々あって、人間や世の中に諦めを感じ期待しなくなっていた。「30歳になるまでいいことが一つもなかったら、世の中に思い切り迷惑をかける死に方で死んでやろう」と学生時代の時には結構本気で考えてた。 しかし、いざ30代になってから人に恵まれて、「生きていなきゃいけないな」と思っている。

          大人になっちゃった方が楽しい

          【日本語のレトリック】言葉の豊かさを知る

          オススメ度(最大☆5つ) ☆☆☆☆ 〜レトリックとは何か〜レトリックという言葉は、「巧みな言い回しで相手を言いくるめる術」のように使われる場面をよく見かける。悪意で相手を説き伏せるような場面で「そんなのはただのレトリックだ」という風に使われて、あまり良い印象はない。 しかし、レトリックとは実際には「自分の主張を効果的に伝えることで相手の理解・納得を得る技術・学問」のことであり、言葉の外にある感情や思いを伝える方法である。むしろ、深いコミュニケーションを図るために身につける

          【日本語のレトリック】言葉の豊かさを知る

          【マンガでわかる統計学】他の統計学の本との組み合わせで価値を発揮する一冊

          オススメ度(最大☆5つ) ☆☆☆☆ 現在、統計検定2級合格を目指して勉強中だが、たまに入門書に戻るようにしている。 入門書の良いところは、理論や方法の本質的な意味や「どういう場面で使うのか」という点を解説してくれるところだ。 本格的な勉強のための本だと、数式や問題が豊富でいわゆるその学問を使うための筋力は鍛えられるのだが、やっているうちに「これは何のためにやっているのだろう?」と、基本のことがわからなくなることがある。 それを一度立ち戻って知識を整理するには入門書は本当に

          【マンガでわかる統計学】他の統計学の本との組み合わせで価値を発揮する一冊

          【うたかたの日々】ひとつのジャンルでは言い表せない独創的な物語

          オススメ度(最大☆5つ) ☆☆☆☆ 〜ひとことで恋愛小説とは言い難い〜個人的に映画にしても小説にしても恋愛ものというのが苦手である。 他人の恋模様を見ているだけで(読んでるだけで)自分が恥ずかしくなってしまうので、腹の中がむず痒くなって最後まで見ていられないのである。 本作も「青春ラブストーリーの傑作」なんてどこかで紹介されているのを見かけて最初は気にもとめなかったのだが、色んなまとめサイト等で度々紹介されているのを見て気になって今回読み始めた。 結果、☆4つをつけるほ

          【うたかたの日々】ひとつのジャンルでは言い表せない独創的な物語

          平凡な僕の「趣味論」

          僕はギター演奏が趣味で、自分で作曲しながら月一ぐらいでライブ活動もしている。 結婚する前、20代の頃には同じように音楽活動をする人が周りにもいたのだが、年齢を重ねるとみんな辞めてしまった。 理由はみんな「仕事が忙しい」とか「家庭があるとなかなか出来ない」とかなのだが、そんな話を聞く度に残念な気持ちになる。 いや、正直に言おう。 仕事や家庭を理由に趣味を辞めてしまうことは"生きる上でまずいこと"だと僕は思っている。 大げさに言うと、僕の中で趣味とは「生きるための情熱」であ

          平凡な僕の「趣味論」