蛸文(たこふみ)

35歳。男性。娘2人。主に読書記録(2020年3月note開始から309冊分)。たまに…

蛸文(たこふみ)

35歳。男性。娘2人。主に読書記録(2020年3月note開始から309冊分)。たまにエッセイ。誤字脱字多め。 統計検定2級を目指し勉強中。 好きな著作家・作家/福田恆存、岡潔、安部公房、中島らも、カフカ、山口周、朝井リョウ  座右の銘は「健全なる知性は健全なる品性に宿る」

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  • 【小説編】蛸文(たこふみ)の読書記録

    僕の読書記録・小説編です。月に1冊ぐらいのペースで更新してます。

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    読書記録ではない随筆

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    僕の読書記録です。月に3〜4冊ぐらいのペースで更新してます。

  • ベスト3冊

    半期ごとに、ベスト3冊をまとめていきます。

  • 数学系エッセイ

    自分のエッセイの中から数学・統計学系の記事をまとめました。

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2024年上半期(1〜6月) ベスト3冊

この半年で読んだ本は32冊。 並行して統計検定の勉強をしているので、そう思うとまあまあ読めたかなと。 半期ごとの恒例で、この半年に僕が読んだ本の中でベスト3冊をご紹介。 時計じかけのオレンジもともと、同名映画のファンであったのだが、原作も違った角度で面白かった。 原作と映画で解釈は違うものの、どちらも大きな魅力を感じた稀有な物語である。 HERE ヒア今までに無かった新鮮で斬新すぎる読書体験。 紙の本の上でしか表現できないアイデアと世界観に圧倒された。30歳を超えて、こ

    • 【うたかたの日々】ひとつのジャンルでは言い表せない独創的な物語

      オススメ度(最大☆5つ) ☆☆☆☆ 〜ひとことで恋愛小説とは言い難い〜個人的に映画にしても小説にしても恋愛ものというのが苦手である。 他人の恋模様を見ているだけで(読んでるだけで)自分が恥ずかしくなってしまうので、腹の中がむず痒くなって最後まで見ていられないのである。 本作も「青春ラブストーリーの傑作」なんてどこかで紹介されているのを見かけて最初は気にもとめなかったのだが、色んなまとめサイト等で度々紹介されているのを見て気になって今回読み始めた。 結果、☆4つをつけるほ

      • 平凡な僕の「趣味論」

        僕はギター演奏が趣味で、自分で作曲しながら月一ぐらいでライブ活動もしている。 結婚する前、20代の頃には同じように音楽活動をする人が周りにもいたのだが、年齢を重ねるとみんな辞めてしまった。 理由はみんな「仕事が忙しい」とか「家庭があるとなかなか出来ない」とかなのだが、そんな話を聞く度に残念な気持ちになる。 いや、正直に言おう。 仕事や家庭を理由に趣味を辞めてしまうことは"生きる上でまずいこと"だと僕は思っている。 大げさに言うと、僕の中で趣味とは「生きるための情熱」であ

        • 僕の子育ての指針となっている本・2冊

          子育ては難しい。正解が無いからだ。 世の中には子育てのノウハウが溢れていて、どれを選択すればいいのかわからなくなる。 あれもこれもやらなきゃいけない、と思って混乱してしまい、それが子育てのストレスになってしまうこともある。 ストレスにならないようにするためには、自分の中でやるべきことを絞り込むことが重要だと思う。 というわけで、僕が個人的に子育てをするにあたり非常に参考になった2冊をご紹介。現時点で「僕の子育ての指針となっている2冊」と言ってもいいだろう。 小児科医の僕

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        2024年上半期(1〜6月) ベスト3冊

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          【あなたが知らない科学の真実】これを読んだらあなたは科学を語れなくなる

          オススメ度(最大☆5つ) ☆☆☆☆☆ 〜再現性の危機〜心理学や行動認知学、はたまた健康にちなんだ栄養疫学や家庭医学など、身近で分かりやすく手軽に生活の中に取り入れやすいポピュラーサイエンス系の書籍はある種のブームとなっている。 ポピュラーとはいえ、それでも科学であるため、誰もがある程度の信頼ができる情報であると考えている。 しかしながら、本書はそんな通俗科学の世界にとっては衝撃的な内容となっている。 著名な科学実験やベストセラーの間違いを紹介して、科学の世界には数多くの不

          【あなたが知らない科学の真実】これを読んだらあなたは科学を語れなくなる

          その「アンケート結果」はデータとして信頼できるか?

          現状を調べる手法として、しばしばアンケートという形が取られることは多い。世の中の動向や意向を調べるために使われるし、報道番組ではアンケート結果を提示することで、ニュースに説得力を持たせることもある。職場などにおいても社員の意見を集めて反映させることで業務改善につなげる取り組みもよく聞く。 調べる側としては、調べたい項目を質問項目として作成し、不特定多数の人または社内の人に広くアンケートをばら撒けば良いだけなので、手間をかけずにそれなりの件数の数字が出せる。そういう意味ではアン

          その「アンケート結果」はデータとして信頼できるか?

          【数学と人間】数学嫌いのための数学エッセイ

          オススメ度(最大☆5つ) ☆☆☆☆☆ 〜数学なんて怖くない〜著者の遠山啓さんという人を本書で読むまで知らなかったのだが、数学教育の分野で広く知られる人物であるらしい。初等教育で計算規則を教える方法を考案し、当時の文部省の学習指導要領準拠の講義よりも効果が高いことを実験的に証明したそうだ。 本書は数学に関する遠山さんのエッセイである。帯には「近ごろ数学が、数学ぎらいの人々を困らせたりうんざりさけているようだ」と書いているが、本書は「数学は恐ることなど何もないよ」ということを

          【数学と人間】数学嫌いのための数学エッセイ

          僕の人生を変えた3冊

          こういうタイトルの記事ってよく見かけるが、「人生を変えた」という言葉がどうも曖昧なのである。 例えば、「その本を読んで、今の仕事を変えて自分のやりたいことを始めるようになった」というようないわゆる"行動"が伴う人生の変化も考えられるし、世界観が変わるのも人生が変わったと言えるだろう。 ついては、この記事では具体的にどのように人生が変わったかをお伝えしながら、僕の人生が変わった3冊をご紹介したい。 FACT FULNESSベストセラーにもなった1冊だが、これは僕にとって読

          僕の人生を変えた3冊

          【武器になる哲学】哲学の実用書

          オススメ度(最大☆5つ) ☆☆☆ 〜哲学って役に立つの?〜哲学、といえばとっつきにくい難しいイメージや「何をそんなことを真剣に考えてるんだ」というイメージなど、おおよそ実社会で役に立ちそうなイメージを持たれていない。 しかし、著者の山口周さんによると、そのイメージは日本だけであり、欧米では哲学は学生の必修科目となっており、社会を作るためには欠かせない教養であると認識されている。 なぜ、日本では哲学が好まれていないのか?という背景はさておき、本書では、「個人」「組織」「社

          【武器になる哲学】哲学の実用書

          【ウソを見破る統計学】統計検定の勉強の箸休めに

          オススメ度(最大☆5つ) ☆☆☆ 今現在、統計検定2級合格に向け勉強中である。 しっかり理論や数式を勉強していると、その参考書だけではその理論や計算手順などが実践の中でどのように使われているのか?ということがわからなくなり、度々迷子になってしまう。 この手の入門書は「数式を使わない」というのをウリにしているため、統計学って何だろう?という"触り"の部分を解説しているものがほとんどである。試験に直接役に立つかどうかはわからないが、統計学で使われる検定や推定が一体どういう場面で

          【ウソを見破る統計学】統計検定の勉強の箸休めに

          ネタバレ禁止!前情報無しで読んで欲しい小説3冊

          SNS等が普及した現代ではひとつの作品を前情報無しで触れることはかなりの根気と意志が必要となる。 しかし、それだけ強い意志を持ってでも読んでいただきたい小説がある。 今回は、そんな前情報無しで読むことでとてつもなく面白くなる小説を3冊ご紹介する。 ちなみに、リンク先の記事はいずれもネタバレの記事なので、未読の作品については実際に小説を読むまで記事は読まないように願いたい。 〜屍人荘の殺人〜いわゆるクローズドミステリ作品なのだが、奇抜すぎる設定がプラスされて、他に類を見な

          ネタバレ禁止!前情報無しで読んで欲しい小説3冊

          【ザ・ディベート】多角的に考えるための手段

          オススメ度(最大☆5つ) ☆☆☆☆☆ 〜誤解されるディベート〜ディベート、討論というと、多くの人が「対立的に言葉で相手を攻撃的にやり込める言い争い」というイメージを持っていると思われる。 かくいう僕もそのひとりで、討論だの議論だの相手を言い負かすことを良しとする人をあまり良く思ってはいない。ネットやテレビの討論番組を見るのもあんまり好きではない(昨今の「論破」ブームに飽き飽きしていることも、このnoteではお伝えしている)。 しかし、本書の著者はその思い込みに待ったをかけ

          【ザ・ディベート】多角的に考えるための手段

          〜ひとくち映画レビュー〜 opus

          本作は坂本龍一さんの最後の演奏の記録である。 亡くなる約半年前となる2022年9月、東京のNHK509スタジオで行われた撮影に、長年愛用したグランドピアノひとつで演奏は行われた。 これはぜひ坂本龍一さん音響監修の新宿109プレミアムシネマで観たいと思っていて、上映期間ギリギリで観ることが出来た。 劇場の音響のおかげか、ピアノの音だけでなく、坂本龍一の呼吸音、フットペダルを踏む音、鍵盤を叩く音まで、間近で坂本龍一さんの演奏を聴いているかのようなリアルな音が感じられた。これは本

          〜ひとくち映画レビュー〜 opus

          大人の"読む力"

          読む力、とはすなわち「そこに書かれていることを正確に読みとる力」と、考える人が多いだろう。 では、「正確に読みとる力」とは何か。 もちろん、意味を知り、文章の前後の関係を交えながらその文章の意図するところを理解する、というのもひとつだ。しかし、大人の"読み"にはそれに加えて「書いた人が何を伝えたいのか、何を考えて書いているのか、を読みとる力」も必要である。 仕事で触れる文章というのは、プロが書く文章ばかりではない。社内の通知や報告書、外部からの提案書やメール、時には顧客か

          大人の"読む力"

          【チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク】ロボット悪ざんまい

          オススメ度(最大☆5つ) ☆☆☆☆☆ 〜ロボット・ピカレスク〜本作を一言で言うならば、制御回路が作動しないロボットが次々と悪事に手を染める話である。 舞台は、ロボットが当たり前のようにいる近未来。家事から製造、医療まであらゆる分野でロボットが使役されている。人間の安全を守るために全てのロボットには「アシモフ回路」(詳しくは「われはロボット」の「ロボット三原則」を参照のこと)が組み込まれているが、主人公であるチク・タクはこの回路が作動していない。物語はこのチク・タクが盲目の

          【チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク】ロボット悪ざんまい

          お天道様が見ている、という感覚

          今日、職場の人からこんな話をされた。 「怠けるとか人に嫌なことをするっていうことは私には出来ない。お天道様が見ている、と思うと悪いことは出来ないよね」 僕はこの考え方に大いに共感した。僕は何かしら神様を信じているわけではないが、遥か高いところから何か"大きな存在"が自分を見ている、という感覚で生きている。たとえ、その場に自分1人しかいなくても、その行動は全て"大きな存在"から見られている、と思っている。 お天道様、とは神や仏のように思われるが、一般的には太陽のことを指す

          お天道様が見ている、という感覚