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【小説編】蛸文(たこふみ)の読書記録

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僕の読書記録・小説編です。
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記事一覧

【さかさ星】細かすぎて伝わらない小説

【さかさ星】細かすぎて伝わらない小説

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆

〜貴志祐介最新作〜貴志祐介さんは「黒い家」「青の炎」「悪の教典」などの代表作で知られるホラー・ミステリー作家で、僕が学生時代にどハマりした作家である。

当時刊行されていた作品は全て読んでおり、作品数だけで言えば1番多くの作品を読んでいる作家さんである。
しばらく貴志祐介さんの作品には触れていなかったのだが、この度11年ぶりのホラー新作が刊行されたと知り、すぐに書

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【地雷グリコ】ギャンブルゲーム系小説

【地雷グリコ】ギャンブルゲーム系小説

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆

読み始める前はこんな小説だとは思わなかったのだが、面白くて夢中になって読んでしまった。
わかりやすく言うと、「カイジ」や「嘘喰い」のようなギャンブルゲーム漫画の小説版、といったところ。
とは言っても、主人公が女子高生であり、血生臭い暴力や血肉の争いは無く、純粋なゲーム対決が繰り広げられる。

ゲームは5つ。どれも独創的なゲームでルール説明の段階でいろんな戦略を考

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【逆転美人】(ネタバレ無し感想)

【逆転美人】(ネタバレ無し感想)

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜こんな記事読んでないで、気になったらさっさと読むべし〜「紙の本ならではの超絶トリック」「電子書籍化不可能」という文句でネット上で話題になってた本作。以前読んだ「世界でいちばん透きとおった物語」に雰囲気としては似ているかもしれない。

まぁ、この手の作品は前情報を一切入れずに読むのが良いと思う。読めば誰でも理解できる解説のいらないトリックなので、僕はわざわざこ

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【虐殺器官】ディテールの緻密さに圧倒される上質なSF

【虐殺器官】ディテールの緻密さに圧倒される上質なSF

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆☆

〜ゼロ年代最高のフィクション〜ネットでSF小説を検索していると「ゼロ年代最高のSF小説」という触れ込みでよく見かけていた本作。前々から気になっていた作品で今回読んでみたわけだが、その没入感に圧倒されてしまった。要は最高に面白かったのだ。

戦争、内戦が本作のメインテーマであり、その世界観や作中で使われる用語などはゲームの「メタルギア・ソリッド」によく似ている

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【きみのお金は誰のため】キレイゴトを論理的に

【きみのお金は誰のため】キレイゴトを論理的に

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜世界はお金が全てなのか?〜若い頃、年上の人に「この世はお金が全てだよ」と言われて、それに言い返せずに悔しい思いをしたことがある。
たしかに、お金が無ければ、自分の欲しいものや望むものを手に入れられないのはもちろんのこと、生活することすらままならなくなってしまう。結局、お金が無ければ僕らは生きていくことが出来ない。

本書によれば、そんな論理のもとに僕らは「お

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【HERE ヒア】画期的な読書体験

【HERE ヒア】画期的な読書体験

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆☆

〜新しい読書体験〜グラフィックノベル、というものを今回初めて読んでみたのだが、グラフィックノベルの中でも本作はかなり異質な作品であるようだ。

あるひとつの部屋を定点とし、様々な時代を行き来する本作。その部屋では様々な人が暮らし、様々な光景があった。ページを捲るたびに、時代が入れ替わり、また、ひとつのページの中に窓のようにいくつもの時代が同時に表示されて、時

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【うたかたの日々】ひとつのジャンルでは言い表せない独創的な物語

【うたかたの日々】ひとつのジャンルでは言い表せない独創的な物語

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜ひとことで恋愛小説とは言い難い〜個人的に映画にしても小説にしても恋愛ものというのが苦手である。
他人の恋模様を見ているだけで(読んでるだけで)自分が恥ずかしくなってしまうので、腹の中がむず痒くなって最後まで見ていられないのである。

本作も「青春ラブストーリーの傑作」なんてどこかで紹介されているのを見かけて最初は気にもとめなかったのだが、色んなまとめサイト等

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【チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク】ロボット悪ざんまい

【チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク】ロボット悪ざんまい

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆☆

〜ロボット・ピカレスク〜本作を一言で言うならば、制御回路が作動しないロボットが次々と悪事に手を染める話である。

舞台は、ロボットが当たり前のようにいる近未来。家事から製造、医療まであらゆる分野でロボットが使役されている。人間の安全を守るために全てのロボットには「アシモフ回路」(詳しくは「われはロボット」の「ロボット三原則」を参照のこと)が組み込まれているが

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【虚無への供物】(ネタバレあり)

【虚無への供物】(ネタバレあり)

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆☆

〜日本の三大奇書のひとつ〜日本における三大奇書といえば「黒死館殺人事件」「ドグラ・マグラ」、そしてこの「虚無への供物」。

実は大学生の頃に、ふと「三大奇書を制覇してやろう!」と思い立ち、「ドグラ・マグラ」を読んだことがある。「ドグラ・マグラ」はかなり難解で文章も奇妙で独特だったため、読了後は頭も精神も疲れ果ててしまい、その後残りの2つに手を出すのを諦めてい

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【馬のような名字 チェーホフ傑作集】不条理・ナンセンスの嵐

【馬のような名字 チェーホフ傑作集】不条理・ナンセンスの嵐

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

初チェーホフ。
本書に掲載されている全18編についてひとつひとつ感想を書いていく。

〜各話感想〜○馬のような名字

歯痛を治す、というまじない師の名前が思い出せない…という話。
歯痛と名前が思い出せないことの二重のイライラに悩まされる主人が気の毒で仕方ない(笑)

○小役人の死

序盤でいきなり驚かされた一作。
え、そんな終わり方アリ!?

○太っちょとやせ

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【人間そっくり】上質の密室会話劇

【人間そっくり】上質の密室会話劇

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆☆

〜比較的読みやすい安部公房作品〜「壁」や「砂の女」などで有名な安部公房の作品。安部公房の作品は難解とよく言われるが、本書は安部公房作品の中でも比較的読みやすい作品である。安部公房入門としておすすめしたい一作でもある。

もともと安部公房は大好きな作家で、学生の頃は古典といえば安部公房しか読んでいなかった。難解ながらもクセがある独特の世界観を持つ安部公房作品に

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【同志少女よ、敵を撃て】戦禍に放り出された1人の女性狙撃兵の葛藤

【同志少女よ、敵を撃て】戦禍に放り出された1人の女性狙撃兵の葛藤

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜実在した女性狙撃手たち〜アガサ・クリスティー賞を受賞し、本屋大賞にもノミネートされた話題作。

第二次世界大戦の独ソ戦を舞台とし、復讐に燃える1人の女性狙撃兵の戦いと葛藤を描く本作。虚実入り混じる物語の展開は、巻末の参考文献から読み取れるように、作り込みは緻密であり、かなりリアリティが感じられるフィクションとなっている。

1人の少女が戦争に巻き込まれて、狙

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【方舟】シチュエーションが素晴らしい

【方舟】シチュエーションが素晴らしい

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆

様々なところで話題になってた密室ミステリー小説。
他には無いシチュエーションが素晴らしかった。

不気味な地下建築に閉じ込められた10人。
不意に起こった地震により地下一階の入口が大岩で遮られた状況。みんなが生き残るためには、地下二階に誰かが残りその大岩を落とさなければならない。つまり、全員が助かるために犠牲になる1人を選ばなければならない。
そんな最中、閉じ込

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【時計じかけのオレンジ】(ネタバレあり)映画と原作、それぞれの魅力がある

【時計じかけのオレンジ】(ネタバレあり)映画と原作、それぞれの魅力がある

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆☆

〜ハラショーな映画原作〜スタンリー・キューブリック監督の「時計じかけのオレンジ」は僕の大好きな映画のひとつだ。最初に観たのは18か19の時だったと思う。こう言うとなんだが、暴力の興奮を教えてくれた映画である。

主人公のアレックスが冒頭から犯罪をしまくる様は、非常に痛快で刺激的だった。いやらしくも怪しげな造形のセットや色使いに視覚的にも衝撃を受けたし、こんな

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