少女は卒業しない

少女は卒業しない

あまりセンチメンタルな気持ちになるのは好きじゃない。 だからか。絶妙に「リアル」を描く、朝井リョウが少し苦手だ。 そんな私が、唯一、朝井リョウさんの本で 手元に置き続けている本。 この本は、別の学校と合併する学校で、校舎が取り壊される前日に行われた卒業式の一日を軸に、7人の女の子の視点で七つの話が書いてある連作の短編小説だ。 その中の一つ、「寺田の足の甲はキャベツ」が特に私のお気に入り。 この話は、東京に行く「私」と地元の国立を目指して予備校に通うことになる恋人の「寺田

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読書感想:ままならないから私とあなた

読書感想:ままならないから私とあなた

同じ著者である『何者』、結構昔に読んだけど面白かった。 先日、久々に最新作『正欲』を読んだ。 結果、私的大ヒット。 生涯ベスト5小説にランクイン。 超絶好みで、刺激的で面白く、脳味噌にガツンと突き刺さった。 言葉ってやっぱ好きだなと思えた。 という事で、私の中に朝井リョウブーム到来。 勢いで本書『ままならないから私とあなた』をAmazonでポチりました。 短編『レンタル世界』と表題作『ままならないから私とあなた』の2編収録。 共通テーマは「自己と他者」「違い」について。

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2021年9月に読んだ本まとめ(途中)

2021年9月に読んだ本まとめ(途中)

ネタバレは最低限に抑えて感想を書くよう意識していますが、先入観無しで読みたい人はこの文章すら読まない方が良いかもしれません。 次々と言葉が消えていく世界を描いた実験的小説。TikTokの紹介動画がバズっていたのを見て興味を持ちチョイス。 序盤は言葉が無くなっていく様子をぼんやり楽しんでいたんですが、物語が進むにつれて無くなった言葉を補うための難解な言い回しが増えてくるので、なかなか読むのがしんどかったです。 それでも、筆者の語彙力と制約の中で戦うエネルギッシュさには脱帽。特

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朝井リョウの「正欲」を読んだ。

朝井リョウの「正欲」を読んだ。

あまり大打撃って感じではなかった。 なんとなくそうだよなと思ってたし、経験したようなことだった。 でも、こうして「私はわかってる側の人間です」って思っちゃってるところも、とは思う。 誰にでもある、なんて軽々しく言えないけれど、少なくとも私にはコンプレックスがある。 私はたぶん「家族コンプレックス」だ。 兄弟の1人はいわゆる社会のレールから外れた人間で、まだレールにいた頃も、外れる瞬間も、戻ろうとする姿も見てきた。 命を絶とうとする場面もあった。 必死に止める家族も見

【読書】『どうしても生きてる』朝井リョウ【心がひりひりするけれど絶望感はない】

【読書】『どうしても生きてる』朝井リョウ【心がひりひりするけれど絶望感はない】

「最近はまっている作家さん」の記事で挙げた朝井リョウさんの作品、『どうしても生きてる』を読み終えました。 読むのが少し辛くなるくらい、心がひりひりします。でも、読み終わった後には、不思議と絶望感はないのです。皆さんも私もたしかに生きているという安心感さえ抱きます。 必死に生きる人々が描かれる短編集 『健やかな論理』 離婚の経験がある佑季子は、事故や自殺のニュースを見ると、とある行動をとる。 人は、ふと消えてしまいたくなることもあるけれど、それと同じくらい、生きていたいと

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正しい感情の所在。

正しい感情の所在。

正しい欲と書いて、「正欲(せいよく)」と読む。 多様性の時代である。 差別、マイノリティ、ジェンダー、LGBTQ。 これらの認識が高まり、現代では他者を受け入れるための考え方が上位にきた。 他者を受け入れる寛容さ、新しい価値観への柔軟性。 もし受け入れる側にまわるのなら、さも自分の人間性が高まったような気さえする。 「弱者に寄り添う」とか「マイノリティへの理解」など、自らはあくまで安全な立ち位置で、危害の及ばない範囲の中で、それらの言葉が踊っていることにもはや慣れつつある

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『時をかけるゆとり』 朝井リョウ 著 / ゆとりの脈絡のない荒唐無稽の妙

『時をかけるゆとり』 朝井リョウ 著 / ゆとりの脈絡のない荒唐無稽の妙

評判では、「腹をかかえて大爆笑するので、外で読むと笑いをこらえるのが大変で、困ったことになる」とのことだった。 単行本出版時の題名は『学生時代にやらなくていい20のこと』。文庫化された際に、その後の社会人になってからのこと等を加えて改題された。原題のとおり、著者の学生時代のことが20のテーマで書かれている。 最近、エッセイを書くのであれば、他人のものを真面目に読んでみようと思って、図書館でエッセイをたくさん借りている。その中の一冊がこの本だった。ネットで「エッセイ おもし

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第9回 100分de読書会 開催レポート

第9回 100分de読書会 開催レポート

こんにちは、運営の柚淡です。 この記事は第9回読書会 7月18日 小説フリー回の開催レポートです。 今回は5名の方に参加して頂きました。以下では  ・名前(HN)  ・書籍名/作者  ・あらすじ、内容、感想など の順に書き表しています。 今回のテーマ 「本を読む時期・出会う時期」 今回の読書会は事前にテーマ設定をしていません。しかし全体の紹介を聞いて各参加者とその紹介本の読んだ時期や出会った時期についての話が中心となったので、あと出しながらテーマ設定しました。 本紹介1.

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「正欲」朝井リョウ

「正欲」朝井リョウ

“読む前の自分には戻れない”—-帯に書かれたこの言葉どおり、なかなかぎょっとする小説だった。 水に性的興奮を覚える、といった特殊な性癖を持つ主人公たちの底知れぬ孤独を描いた物語。 昨今、あらゆるシーンで目にする、耳にする、”多様性”という言葉は、さまざまな価値観を受け入れる、温かく、懐の深い言葉として認識されているが、この本に描かれているのは、その”多様性”という傘の中から当然のごとく排除されている人々の人生である。 “多様性とは、都合よく使える美しい言葉ではない。自分

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【読書】最近はまっている作家さん

【読書】最近はまっている作家さん

今回は、最近はまっている作家さんについてお話ししようと思います。著作を全部読みたいと考えるような、そんな作家さんについてです。 私が以前から好きな作家さんは、東野圭吾さん、恩田陸さん、辻村深月さん、綾辻行人さんなどで、昨年、Twitterの読書アカウントを始めてからよく読むようになった作家さんは、有栖川有栖さんや島田荘司さんです。 面白い本は本当にたくさんありますし、好きな作家さんも他にもたくさんいらっしゃるのですが、最近は、次のお二人に特に惹かれています。 ずばり、朝

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