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わかおの日記

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わかおが日々の出来事や思ったことを書き連ねる日記です。太宰治におれはなる!
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#小説

わかおが授業で提出した小説「トカトントンと賢者」

わかおが授業で提出した小説「トカトントンと賢者」

※太宰治『トカトントン』のパスティーシュ?です

ぼくはそれはもうあの子のことが大好きで、すれ違う時にふんわり香る柔軟剤の匂いをかぐだけで軽く意識が飛びそうになるし、男だけど君の子供を産みたいとすら思っている。どうでもいい女の子の目だってまっすぐ見て喋ることができない意気地なしのぼくがあの子をデートに誘えたというのは、信じられない快挙だったのだ。
よしんば誘えたとしても、金持ちが通うビストロのよう

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わかおの日記203

わかおの日記203

そろそろパソコンを直さなければさすがにやばいと思い、起きてすぐに家を出て秋葉原に向かった。久しぶりに秋葉原に行ったが、人の多さと街のオタク臭さにうんざりしてパソコンを預けすぐに神田へ逃げ込んだ。前から思っていたが、オタクはオタクで、コミュニティの中では結構社交的である。さまざまなツールを駆使して同じ趣味の仲間を見つけ楽しくやっている人が多い気がする。春の陽気のなか、額に脂汗をかきながら楽しそうに歩

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わかおの日記165

わかおの日記165

田村くん(専攻内の唯一の友達)と飲んでいたら盛り上がり、酔っ払って帰ってきて、ぐっすり寝たのち目が覚めたらこんな時間だった。もう電車は動いているが、まだ夜だ。さみしい。人恋しい。人恋しいってこういう感情なのか。

昨日は原典講読の授業でプレゼンをした。恋田先生という嘘みたいな苗字の綺麗な妙齢の教授に1目置かれたくて、気合いをいれてプレゼンしたが「着眼点は面白いけど、雑ですね」と苦笑されながら言われ

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わかおの日記163

わかおの日記163

この前調子に乗って、週末の予定が埋まってきたとか書いたが、全然そんなことはなく、この週末は普通に暇だった。

今週はずっと曲を作っていた。島村楽器で買った、適当なコード進行が書いてあるカードをパラパラしているうちに思いついたのだ。いままでヒップホップっぽい曲の作り方をしていたが、イマイチしっくりきていなかったので、思い切って弾き語りベースで作ってみたらこれがとてもいい感じがする。無理して韻を踏んで

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わかおの日記162

わかおの日記162

大学入学以来いちばんの趣味は「暇」なんじゃないかと思うほどに暇していたぼくだが、ここ最近週末の予定が埋まるようになってきた。喜ばしいことだが、のび太くん的なぼくのバイオリズムには明らかに適していないので、戦々恐々としている。

土曜日は阿波踊りのサークルで、神奈川大学の文化祭に出た。ぼくは阿波踊り界でも希少な存在である三味線弾きである。中学生のころから左投げのアンダースローやナックルボーラーにあこ

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わかおの日記161

わかおの日記161

弟の学校行事があるとかで家族がみな出払っていたので、ぼくは犬とふたり留守番していた。20歳になっても快く留守番を引き受けるぼくの予定のなさを、家族はもっとありがたがるべきだと思う。普通の20歳はもっと外で遊び回ったりしてるらしいよ?知らないけど。  
あまりにも退屈だったので、前からやろうと思って先延ばしにしていたある作業を行った。冷蔵庫におびただしい数貼ってあるプレミアム・モルツのシールに書かれ

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わかおの日記160

わかおの日記160

免許合宿のことを面白おかしく書こうと思っていたのだが、秋学期が始まり完全に機会を逸した感じがする。運転が下手すぎて何回も補助ブレーキを踏まれたこととか、応急救護の講習のときにふざけすぎて(ダミー人形の乳首をフェザータッチして遊んでいた)ちょっと話すくらいの仲になっていた他のグループの女子に軽蔑されたことくらいしか書くことはなかったので良しとしよう。

最近は酒ばかり飲んで本当に良くない大学生になり

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わかおの日記159

わかおの日記159

「何をしているのか」と聞かれれば「何もしていない」と答えるしかない。厳密にいえば、何もしていなくはない。毎日飯も食ってるし酒も飲んでるし、1時から大体10時くらいまでたっぷり寝ている。眠気と眠気の合間には、犬と戯れたり、曲を作ったりしている。多分昔の高等遊民の暮らしを、現代においてぼくがもっとも再現しているのではないだろうか。夏目漱石もびっくりである。

来週から免許合宿に行く。長崎の田舎に、2週

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わかおの日記158

わかおの日記158

【ここまでのあらすじ】
軽井沢旅行で思いの外ギャルとうまくやれたため、コミュニケーション能力に自信を取り戻しつつあったわかおだが、いざ東京に帰ってみると、自分に友達などいなかったことに気がついてしまう。朝夕の叶姉妹公式ラインからの挨拶の他には、誰からも連絡のこない日々……わかおは、気が狂う前に、おいしいラーメンを求めて独り旅立った。

誰に会うわけでもないのにキチンとした格好をして電車に乗り、書い

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わかおの日記157

わかおの日記157

去年くらいから、なぜか夏になると家族で軽井沢に行くことになっている。半日以上弟と一緒にいるとストレスで口内炎ができるぼくとしてはそこまで前向きな気持ちにはなれないのだが、親の金でいいものを食べられたり、なにか買ってもらえたりするので、結局ついていっている。

いつもと違って家族だけでなく、母の親友(以下ビッグ・マムと呼称)とその娘(以下ギャルと呼称)も一緒に来た。

話は変わるがぼくは中3のときこ

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わかおの日記156

わかおの日記156

弟がキャンプに行った(行かされた)ので、我が家には久しぶりに平和な空気が流れている。母親とにこやかに談笑しながらバイトの原稿を進め、「午後からやることないな〜」なんて言いながら冷凍のパスタをすする。ヤツがいる場合には決して実現することのない、理想的な午前中の過ごしかたである。

犬がかわいい。ぼくが落とした水グミを食べちゃって本当にやらかしたと思ったけど、どうやら大事ないようでよかった。

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わかおの日記155

わかおの日記155

昨日Kが家に来て、料理をしてもらって食べた。

うんざりするほどエビフライと唐揚げを食べた。友達と家でご飯を食べるのはとても楽しい。知らない人との飲み会はあれほど辛いのに。でも世の中には知らない人との飲み会が楽しいという人種もいるのだから不思議だ。ぼくたちは分かり合えない。とても酔っ払って、ぼくが来客に必ず見せている永野のコントを見せて、「面白いでしょ〜😏😏」という得意気な顔をして寝た。

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わかおの日記154

わかおの日記154

それなりに忙しくて(嘘だ、全く忙しくない)、バイトの原稿を2日サボってしまっていたので、今日こそは書こうと思って、甲子園を見ながら原稿をやっていた。ぼくの野球人生とそれに付随する青春みたいなものはあまりにもショボかった。せいぜい彼女が見てる前でヒットを打ったことくらいしかこれといって取り上げるような出来事はなく、ブラスバンドともチアリーダーとも無縁だった。夏の大会でコールド負けをして、トホホ……み

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わかおの日記153

わかおの日記153

高校以来女性恐怖症をこじらせているぼくだが、本当に数少ない女友達がいる。小学校以来の付き合いの彼女とは、全く気を遣わずに喋ることが出来る。ふつう女の子と喋っているときは余計な邪念や見栄などが頭をよぎり生きた心地がしないものだが、彼女と喋っている時は、母親と喋っているときと同じくらいリラックスできる。これはとてもめずらしいことだ。

そんな女友達と夕方、神宮のバッティングセンターに行った。一応かまし

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