記事一覧
二度目のモラトリアムは星屑のように消えた。【前職決別編-下-】
名前というものは厄介だ。一度知られると、それを消すことは難しい。名前を変えても個人を知られてしまえば、それは尚更だ。その名前から想像できる中身が悪い印象であればあるほど、人間はどんどん自由を封じられる。
自分が壊れかけているものの、そのまま3ヶ月ほど経って、部署MTGが行われた。全て終わった後、他のメンバーがまだ聞いている場で「こないだのミスが騒ぎになったから、上野さんにも共有しておくことになっ
二度目のモラトリアムは星屑のように消えた。【前職決別編-上-】
弱さというものは厄介だ。自分で持つことを選んだわけでもないのに、攻め込むための標的だ、と言わんばかりに他人は扱う。生きているとそういうのは尽きないから、特に弱さがなにも悪さをしない時は視界からドロップアウトさせるのが楽だ。だが周囲はそうと認識してくれない。一度欠点だと思われたら最後、気付いたら己の核にまで他者の攻撃が行きついていた、なんて恐ろしい結末を迎えることも珍しくない。
では弱さとは永遠に自
二度目のモラトリアムは星屑のように消えた。【ディープインパクト編】
中途半端な自分は永遠に何者にもなれない。何者かを名乗ろうとすると、対になる片方の属性が「置いていくな」と足を引っ張る。だがそんな半端者でも受け入れてくれる人が居るという事実は心強い。私が何者かにならなくても、なれなくても、私自身の普遍的な気質を評価して肯定してくれる人がいるというのは、賞レースで優勝するよりも難易度が高い幸運だ。
佐々木さんや佐藤さんのおかげで緊張や恐怖が溶けかけてきた自分には、
二度目のモラトリアムは星屑のように消えた。【職業訓練校初日編】
パワハラで仕事を辞めて死にそうになっても、人間とはしぶとくて狡猾な生き物だ。嫌になるくらい醜くて、それでも美しいのが生きるということだ。
命が芽吹く春は死に向かっていたのに、生き物にとどめを刺すような夏に私は外との関わりを再開した。奇怪なv字回復を遂げた私は、朝の爽やかな青空の下、酔い潰れたホストが転がる繁華街を闊歩していた。目指すは繁華街を抜けた先にある職業訓練校。
因みに、繁華街を通らなく
二度目のモラトリアムは星屑のように消えた。【起死回生編】
「モラトリアム」という言葉を聞いて、大学生の頃を思い出す人は多いのではないだろうか。
時間が有限だということを忘れ、好きなだけ友人とバカ騒ぎした放課後。ストロング缶片手に駅までのリミットを楽しみながら過ごした帰り道。そして「また会おうな」が物理的にできる、からりとした別れ。社会という巨大な有象無象に飲み込まれる少し前の、たった4年間の人生の夏休み。大学生という身分や時間の流れは、本当に不思議なも
3.11 無理やり被災地に連れて行かれた
3.11に被災した身からして、ここ数日の空気感は本当に気が参ってしまうものです。
まず、今回被災された方には心から早く安穏な日々が戻って欲しいと願うばかりです。その一方で被害が比較的軽かった方も、しんどい思いをしてまで情報を入れる必要はないと思います。それでPTSDになる人もいます。私がそのうちの1人です。ここ最近落ち着かず、明日も仕事だと言うのに睡眠薬が効かずに眠れないので吐き出させてください
デブが痩せて美人になれたら摂食障害に片足突っ込んで死にたくなった話
蝉の声を聞くと、ダイエットに成功して男性に復讐の真似事をしていた20歳の夏を思い出す。
7年前、私は167cm 63kgだった。ぽっちゃりだった私が直面してきた扱いは、思い出すだけでもそれはそれは悲惨なものだった。
卒業アルバムの撮影で、女子皆が「かわいい」と言われる中私だけ誰もなにも言わなかったり。下宿先の大学生に「ブス」と言われ続けたり。なにか褒められるときは身体能力や頭脳のことだったり。