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単純に知って欲しい躁鬱の辛さ。

双極性II型を患っているのでメンタルクリニックに通っています。毎日睡眠薬とブロナンセリンを飲む傍ら、日中はフルタイムの仕事をしています。

大学生の頃から病院に通っていたので、選択肢には障かい者雇用という道もありました。けれど大学院を修了して新卒で入った会社も、転職して現在も勤めている会社でも、自分は躁鬱をクローズにして一般枠で働いています。

理由としては、「世間的にそこまで障がいの程度が重くないから」ということが挙げられます。もちろんひどかった時期もありましたが、「入院した」「発作で倒れて救急車で運ばれた」なんてことは今までの人生で一度もなく、たぶん認識としては「軽度の精神障害者」くらいにあたるんじゃないでしょうか。

そういうわけなので、私を知っている人からは「あの人障害あるけど元気だよね」「本当に病気なのか?と思う時もある」というお声を頂戴しております。また、躁鬱患者が難問とされている人間関係において、一応結婚というものができるくらいには長期の関係を築ける能力もあります。

なんか病気のイメージと違うぞ?と思った、そこのあなた。

気持ちはとてもよくわかるのですが、「じゃあなんで今も病院に通ってるのか?」という話、気にならないでしょうか?

今日のnoteでは、
「あの人本当に病気か?元気そうに見えるけど」
「躁鬱ってなにがつらいの?甘えじゃないの?」
などと思っている方に向けて「ちゃんと具合悪いんだぞ!」という主張をするために書きました(誰得)。

いわゆる精神病ってさっくりとまとめられますが、日常生活にこんな影響があるという個人的な経験を細かく書こうと思います。

極力コミカルにまとめられるといいなあ。

ではどうぞ。

◇ ◇ ◇

【とりあえず自分のスペック】
・女性で20代
・双極性Ⅱ型を患って5年、通院と服薬継続
・昨年大学院から付き合った人と結婚、子供なし
・仕事は新卒で入った会社を一年以内に辞め、現在二社目で勤続一年過ぎたくらい
・知能に問題はない、五体満足

【病気発症のきっかけ】
両親からの虐待、学生時代に無理しすぎ(血を吐いた)、いじめなどを我慢しすぎた、など複合的なものに加え、元の気質もたぶんある
最初に発症したのは高校2年生。過呼吸も引き起こした。
それから治療せず大学進学→生活費等を稼ぐためにバイト三昧、授業も手を抜かずで精神的に疲れて不安定に(ここで初受診)。
継続的に病院に通いつつ大学院進学→教授からのパワハラ、好きな人が他の人と結婚、過労により再発して研究室を休んだ
比較的落ち着いた時期に修了して入社→半年で休職、その後転職→現在

【生活するうえで気になっている点】

1 とにかく寝過ぎ問題
病気の発症前は7時間睡眠でピンピンでした。ですが病気を発症してすぐは、ご飯とお風呂以外ずっと寝てました。
ある程度寝たら回復して普通の生活はできるようになりましたが、頭が疲れやすくなりすぐに眠気が襲ってくる。かとおもえば、夜は薬なしでは眠れない。

ちなみにとある休日の一日はこんな感じです↓
前日22:00~11:00 睡眠(13時間睡眠)
11:00~11:30 ご飯
11:30~14:00 睡眠
14:00~14:30 洗濯が終わっていたので干した
14:30~17:00 スマホを見ていたら寝落ち
17:00~20:00 一旦目が覚めたけどまた眠くて寝た
20:00~20:30 のどが渇いたのか目が覚めて水を飲んでそのまま寝落ち
20:30~22:00 さずがにご飯食べようと思ってご飯、お風呂も入る
22:00~25:30 ごろごろ。ちなみに目は冴え冴え。
25:30~    さすがに寝ようと思って薬を飲んで寝る(次の日正午に目が覚める)

ギャグか?ってくらい寝てますね。書いてて自分でも笑っちゃいました。
計算すると16時間半くらい寝てました。

多分私だけではないのですが、心に障害を抱えてる方は睡眠障害を発症している方が多い気がします。

理由としてはやっぱり心と脳の疲労が蓄積しやすい、があるんじゃないかな。身体がだるいとかももちろんあるんですが、感覚として心だけ明らかに疲弊してるな、と思う時がとても多いです。

ちなみに平日は8時間半寝ています。圧倒的に疲れていて休日だけでは賄いきれないな、という時は平日の睡眠時間を9時間-10時間に延ばします。

人と会うエネルギーや仕事に割くエネルギー、あと家事をするエネルギーとか、とにかく寝て回復させます。

ただ病院があるときや出かける用事がある時はちゃんと起きます。遅刻もなしです。※移動中の電車で寝てるけどね!!!

2 他人を振り回しがち問題
これは最近あまり出てこない問題なのですが、やっぱり人間関係が安定するまでとても苦労しました。

自分の気分で他人の行動に対する感情が変わってしまうんですね、良くも悪くも。

イメージとしては、病気を持たない人が1と感じるものを、躁の時は「1##☆♡( ˊ̱˂˃ˋ̱ )」(みんなめっちゃスキ♡人類皆ともだち!!!)みたいに必要以上にテンション高く受け取ります。

逆に鬱の時は「-∞の方向に発散」(もうこの世の終わりだ、自分なんて居なくていいんだ。生きてるだけでみんなに迷惑がかかるんだ…)みたいに、単純に低いだけでなく取り除くのにエネルギーが必要なクソデカ感情がついてきます。

病気を経て思ったのは、テンションは高すぎても低すぎても辛い。しかも私の場合はそういう時に他人に電話かけて何時間も人の時間を消化させてしまったりと…昔のことながら反省するところが多い。

躁でも鬱でもとてもたくさんの人に迷惑をかけて、その度に人間関係を失いました。その場の勢いで望まない関係を結んだり、気分が落ちている時に碌でもない付き合いをしたりと自分を大切にできていなかったです。今は友人も夫も居ますが、蓋を開けてみると多分過去は悲惨なんじゃないかな。

3 金を使っちゃう問題
これは結構根深い問題です。鬱でも躁でもあまり関係がなくお金使っちゃいます。

躁→好きなもの買うの気持ち良い!!
  いい機会だから買っちゃう!!
  (諭吉バサバサ)

鬱→気分をどうにかして上げたい。
  美味しいもの食べよう…(出前館ポチ)

多分誰でも気持ちが上がったり下がったりして、お金の使い方が変わるのはあることでしょう。でも違うのはその額。一回の食事で3000円から5000円。服で20000円〜。自分的には簡単に手を出したくない額です。

そして必ず後悔。これ結構やりがちです。たしか買い物している時や美味しいものを食べている時は脳から麻薬レベルのホルモンが出る…みたいな話を聞いたんですが、やめてくれ、脳の異常を抱えている躁鬱患者にその刺激は強すぎる。

現在は計画的にお買い物をしているので、衝動買いはとても減りました。でもまだやっちゃう。

ちなみに鬱の時はご飯を無理に食べなくなったので、出前館も減りました(食べられない、が正しい?)
この話は次のトピックで。

4 ご飯が食べられない問題
元々あまり食べないんですが、病状がひどい時は輪にかけて食べられなくなります。

例として、元気な時とそうじゃない時を比較しましょう。

元気な時
朝 おにぎり一個
昼 小さめのお弁当、たまに外食
夜 自炊。米なしでおかず一人前くらい
間食 ブラックチョコとか、クッキーとかが好き

病気辛い時
朝 食べない
昼 蕎麦(半人前)
夜 鍋の中から白菜だけ掬って食べる
間食 なし。飲み物も水のみ。

あんまり差がわからないですね…これは個人の体感による気がする…。
もう少し掘り下げてみましょう。診断前(20歳前)は太っていたこともありかなり食べてました。具体的には夕飯でお米とお味噌汁とおかず食べてからコンビニスイーツ2つとか。体重もいまよりプラス10kgくらい?

途中でダイエットして10kg減り、少し戻ったんですが、今はダイエットしてた時と同じくらいです。

ダイエット当時はお腹がすいていても我慢してサラダだけ、とかだったんですが、今はその感覚とは違います。単純にお腹が空いた感覚が消えて、食べたいという欲がなくなるのが鬱です。

もちろん頑張って食べますが、砂を噛んでいるようで美味しいとは思わない。噛むのに疲れてすぐごちそうさま。

じゃあ食べられる時に食べればいいじゃん?となりますが、もちろんそうしています。例えば旅行の時とか、人と約束をしている時などは、前後の食事を調整して楽しい時間を過ごしています。

ちなみに躁の時限定ですが、たまに好きなように食べたくなる時期がやってきます。そういう時に調子乗って食べすぎると、胃の消化が追いつかなくて気持ち悪くなります(そして鬱に転ぶ)。

少なく見えるかもしれませんが、検討を重ねて調子を崩さない食事量を見つけました。いつかホールケーキを1人で食べられるようになりたい(そして鬱に転ぶ)。

5 活動量が安定しない問題
よく寝ることと関連しているんですが、躁と鬱で活動量がかなり変わってきます。1で挙げた寝過ぎ問題のとある1日は、ちょい鬱くらいの時です(ちなみに本格鬱の時は目が覚めてもご飯食べずそのまま寝る)。

じゃあ躁の時はめっちゃ起きて活動しているの?というとそうでもありません。睡眠時間は大体8時間半-16時間半でばらつきがあるんですが、躁に傾いてる時でも普通に10時間寝る時もあります。起きている時間が長くなるのではなく、単純に普通の人の3、4倍動くんですよ…。

わかりやすく言うと、普通の人が1時間かけて解く問題を20分で解けてしまうような感じです。
頭は冴えよく働き、今にも世界中を飛び回れそうなくらいよく動けます。

ならずっと躁状態でいればよくね?ってなるんですけど、実は躁状態の反動はとても大きい。旅行などで朝5時から動いた次の日、その後2日間寝ないと回復しません。

あと人間関係壊しがち・過剰になりがちなのも躁の時ですね。うまくいかねぇ〜〜〜〜。

6 周りからもう治った?って聞かれる問題
治ってません!!!!てか治りません!!!!
何回でも言いますが、見た目はなんら異常なく見えててもめちゃくちゃ日々ダメージ受けてます。

◇ ◇ ◇

色々主張しましたが、私がこの記事で最も主張したかったのは安定しているようにみえるその裏には多大な努力と苦労があるんだぞってことです。

よく「病気なのに元気そう」とか「鬱だとは思わない」とか聞くんですが、そもそも元気な時にしか人に会えないのでそう見えることは別に珍しくありません。そして目の前の元気な姿も、その人が長い間努力して勝ち取った平穏の一部だったり、何日も前から調整して出せている瞬間最大元気だったりします。

この記事を読んでいただいた方の中には、「これくらい普通じゃないか?」「この程度で努力とか甘えてるだろ」なんて思う方もいるかもしれません。

そういう方は、「他者がどうである」と言及する前に自分をもっと甘やかしてあげることをおすすめします。

私は今回「自分は大変だ!苦労もしている!努力している!それを知って!!」という主張をしましたが、なにもそれを他人にまで適応するつもりはありません。

どのレベルからつらいと感じるか、なにを努力と捉えるかは個人のものですし、そこに他人の介入は必要ありません。他人にとって普通のことが、自分にとっては異常だったりすることも当たり前にある世の中です。

ただ、今回私が挙げたことは「結構大変」だと個人的に感じていることですので、「これくらい普通」「もっと私も頑張ってる」なーんて思う方は、私の認識でとても努力している方です。今なら私が勝手に「あなたは頑張ってる!偉い!」と褒めて回るオプションがついてきます。よろしければこの機会にぜひご利用ください。

辛い人は適度に福祉などを利用して生きていきましょう!では!!


サポートしてもらえたら今後も頑張る原動力になります。よかったらどうですか?