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いいなあ!とか、おもしろい!!と思った記事を集めてます。書いてくださったnoterさんに感謝。
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#人生

文学に賭けるって、なかなか言えない

文学に賭けるって、なかなか言えない

覚悟って
意外にできない。そう簡単なものじゃない。

「覚悟を決める」、「これに殉じる」、「結果に従う」
言うなれば、自分が決めたことに責任を持つってことだけど。

どうしても、歳を重ねると、結果を想定して、あれこれ安全策を講じたり、
逃げ道を造っておいたりと、決断に対する、潔さが消えていく。

どちらかというと、うじうじ悩み、あれこれ意見を聞き、その上で覚悟っぽいことでごまかす術を覚えていく。

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ファッションの好きな二十歳の君へ

ファッションの好きな二十歳の君へ

私は、どこかで道を間違えたのだろう・・・
ミャンマーの空をながめ、そんな気持ちになった。

海外での服作りに疑問はありましたが
それはビジネスと、割り切っていました。

この路線を走り続ければ、何が起こるか
想像はできますが、この産業構造から
・・・ 離れる勇気はありませんでした。

しかし、何が 私を変えたのか・・・

ミャンマーの若者から受けた、たくさんの愛情
それ以外は、考えられません。

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今は、今しかない。動かなければと思った。

今は、今しかない。動かなければと思った。

西加奈子さんの「i」を読了した。

読み始めてすぐに、音楽を消した。
無音で読むのは久しぶりだった。
この小説は、あの事も語るのか。
すぐに理解した。

世界のどこかで、悲劇が起きようとも自分がそこの当事者にならなければ自分の事として考えられない甘い奴。それが僕。

人より不幸の自分の方が、自己説明がつく。
助けになりたい、救いたい。雄弁に語れる。
到底、本当の自己とは分離した自分との対話だ。

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汝、月灯りに照らしだされ、ジャカルタの酸性雨に濡れし黒衣を纏ひて、来たる

汝、月灯りに照らしだされ、ジャカルタの酸性雨に濡れし黒衣を纏ひて、来たる



連作:3

連作:4

汝、月灯りに照らしだされ、ジャカルタの酸性雨に濡れし黒衣を纏ひて、
来たる

INDONESIA

NORTH JAKARTA

Pantjoran Chinatown PIK

ON THE ROAD

8

18:30

そこが日本であれ、あるいは海外であれ、初めて歩く、あるいは、初めて乗り物でその道を通過するときに、わたしはいつも
〈ここを通るのは初めてだな〉と

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ドリアン助川 ~人生相談の名手2

ドリアン助川 ~人生相談の名手2

変わった名前の芸能人のようですが、もともとは90年代にパンクロックバンド「叫ぶ詩人の会」のリーダーとしてかなり有名だった人です。

その当時、NHKの特集番組で一度だけ彼のライブを見ました。名曲「抱きしめたい」を聞いたときには、不覚にも涙する自分がいました。ロックといっても「歌わないロック」と言われ、社会的メッセージ性の強い詩に音とリズムをつけて彼が朗誦するパフォーマンスという感じでした。

バン

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スマラン、世界の静かな中心

スマラン、世界の静かな中心



前編

Pamplona、SPAIN 2018-2019.
過去



 その日、旧市街のEL GAUCHOでLuisとRita夫妻と出会い、遅くまで真冬のテラス席で一緒にお酒を飲んだ

それはわたしの人生のなかでも、おそらくは最も不思議な夜だった
特別な夜だったと言い換えてもよい

わたしのことを「息子」と感じている老齢のRitaと、そのRitaを福岡の実母にそっくりだと感じているわたし自

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サラティガ、月

サラティガ、月



INDONESIA

 昨年の暮れから今年にかけて、わたしはここインドネシア、首都ジャカルタの高層ホテルの一室で、ただ茫然と日を送り続けていた

その小さな旅はもちろん、誰に命じられたわけでもなく、自分の意志で年末年始の休暇を過ごすために、航空券と中央ジャカルタのデザイナーズホテルを押さえておいたのだ

 だが、結局、いったい何をしに、あるいは何を観に来たのかが自分でもわからないままだった

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「年を重ねることはおもしろい」

「年を重ねることはおもしろい」

「年を重ねることはおもしろい。苦労や不安の先取りはやめる」吉沢久子著 さくら舎

 今までに、吉沢久子さんの書かれた本を何度読んだだろうか。人生で何か悩み事があるといつも優しく励ましてくれる大先輩のようだった。
 先日、珍しく体調を壊し、「年を重ねる」って、これからどういうことが起こるのかな・・・と、以前にも読んだこの本を改めて読んでみた。
 著者の吉沢久子さんは、101歳で亡くなるまで多数の本を

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祝福とは

祝福とは

ガソリンスタンドの壁に貼ってあった詩を何気なく読んでみた。
そして、とても感動してメモしてきた。

『神の慮り(おもんばかり)』
大きな事を成し遂げるために 
力を与えてほしいと神に求めたのに  
謙虚を学ぶようにと弱さを授かった  

より偉大なことができるようにと健康を求めたのに 
より良きことができるようにと病弱をあたえられた 

幸せになろうとして富を求めたのに
賢明であるようにと貧困を授

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映画『マルタのやさしい刺繍』

映画『マルタのやさしい刺繍』

スイスの小さな村を舞台にした心温まる映画『マルタのやさしい刺繍』は、大好きな映画であり、そして初めて父と2人で観に行った映画です。

父はふだん映画など観ない人で、母とも映画館など行ったことのない人ですが、今から14年前、わたしと2人で初めて映画館に行ってくれました。
そのときのわたしが、抜け殻のように半年間実家に引きこもっていたからです。
おそらく父は、いい年をして人生の危機を迎えた娘が少しでも

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カルトの中のカルマ

カルトの中のカルマ

人生もそうだが、必ず手本となる存在があり、真似たり手本にし、自分なりの解釈を交えて実行に移す。
一般的にそれらを正論と称されるのだろうか?

いや、ちょいと違うかな…
まぁ、それはさておき、人生には道標となる教科書が不可欠となる。

で、ヒントとなるかは別として、邦題「不思議惑星キン・ザ・ザ」という作品は、笑いながら多くのものを学べる映画だと勝手ながら思うのである。
因みにこの作品はSF映画の金字

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夢は叶っても叶わなくてもどっちでもいい

理想と現実。
ここの狭間をどう生きるか。生きていくとはそういうことかもしれない。

どこかで折り合いをつけるもよし、理想を追い続けるもよし。生き方はそれぞれだ。

ここの狭間で上手に自分なりのバランスを取ることができればいいが、苦しむ人も多い。それが自死につながったりしてしまうこともある悲しい世の中だ。

この「理想(夢)と現実の狭間でどう生きるか」という問いが、一つ僕の人生のテーマだろうと最近思

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未来から流れる時間2

未来から流れる時間2

保育士になることを勧めてくれたのはミツヨさんだった。
障がい児の放課後デイサービスに異動になり、そこで働いていたのがミツヨさんだ。
青森出身で訛りがあり、色白で優しく、明るくて、ソーラン節(南中ソーランもよっちょれソーランも!)を生き生きと踊る50代の女性。お嬢さんも保育士をしていた。

運転免許すらない、何も資格のない私を心配し、この先のために一年と決めて、資格を取るといいと言ってくれた。一年と

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ネガティブな感情の時に読む物語 No.2

ネガティブな感情の時に読む物語 No.2

私は、祖母が亡くなった時、悲しい・辛いという気持ちより、後悔の中に居ました。昨日祖母のそばにいて手を握ってやれなかったこと、朝顔をみておはようと言わなかったこと、祖母が優しくしてくれたのに意味もなく毛嫌いしたこと。

私は自分がこの世で一番悪いこをした人ではないかと考えるくらいに、自分のしたことを悔やみました。自分の無力さを感じました。

そんな後悔を感じて悶々とした日々を過ごしていた時のこと、訪

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