川中紀行/コピーライター

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川中紀行/コピーライター

広告の文章を書く仕事をしています。仕事も趣味も書くことですが、Jリーグは3チーム(清水エスパルス・ガンバ大阪・湘南ベルマーレ)を応援し、いずれのチームでもゴール裏に立ちます。 仕事の強みと実績はWEBサイトで→https://kawanaka-copywriter.com/

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    生活しながら感じたこと、考えたこと、体験したこと、について書きます。

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記事一覧

僕がこの地球に生きてることもね。やっぱり冷暖房の家に住んで、できるだけ旨いもの食って、自分の欲望なりに生きようとして。本…

■自身の「がん」を客観的に見つめて 自分の中のがん細胞が 肉体を侵すことにより、 自分が死んだ時点で、 がん細胞自身も死んでしまうという関係を、 自分(がん細胞)と地…

できないと思ったら、できない。反対に、やれると思ったことは、やれるんです。

大谷翔平の登場により、 野手と投手の“二刀流”の元祖として 再び注目されることになった ベーブ・ルースが、 ある神父から言われた言葉だ (先日の『yes!〜明日への便り〜…

「やり方はいくらでもある」と、おばあちゃんは猫でテーブルを拭きながら言った。

というフィンランドの諺を イラストレーターの金井真紀さんが紹介していた (先月の『NHK短歌』)。 布巾の代わりに猫の体毛でテーブルを拭く という発想には笑うしかないが…

自分がすること、選ぶこと、見ること、聞くこと、自分の身に起こること、全て「宝くじを買っている」と考えればいいのではないだ…

と言ったのは、 ヨシタケシンスケさん。 ご近所のカフェで手に取った 「& Premium」(22年5月号)で見つけた。 宝くじが外れても人は それほど落胆しないように、 生きる…

背中のカーブで老けて見える

と日本スポーツ協会公認スポーツドクターでヨガ指導者の高尾美穂氏(先日の『キュレーターズ_マイスタイル×ユアスタイル』)。背中が丸いと肺が膨らまず呼吸が浅くなって自律神経も乱れるとか。タレントも背中のカーブまで気が回らない人が多い。気を付けないと。

チョコレートとカシスムースが織りなす、とろりとした陶酔の「グルマンディーズ」。at KUDOU Minamirinkan…

艶やかなチョコレートの 上からフォークを 真っ直ぐに入れて、 サクリとした切れ味を 指から胸へと受け止めながら、 鮮やかな色彩の対比を 瞳に、そして口に、 頬張ってい…

俺の上にね、もう一人、俺がいるんですよ。

■俺の上にいるもう一人の俺 七代目立川談志のこの言葉を 弟子の立川志の輔師が紹介していた (先日の『インタビュー 達人達(たち)』)。 これは、 噺の中の登場人物が、…

ミラーボールのように多面的な顔を見せるのが人間だ。

と、実に5度の直木賞候補となっている 柚木麻子さん (先日の『100分de名著』)。 「ほとんど住家と云うものを 持たないで暮して来た。 どこへ行っても木賃宿ばかりの 生活…

古今亭志ん朝の口調で読む芥川龍之介「鼻」(4)。~あっけらかんと訪れる奇跡

人並み外れて長く垂れ下がった「鼻」を持った僧侶・内供の 顛末を描いた芥川龍之介の小説を、二代目古今亭志ん朝の口調で綴る 4回目は、いよいよ弟子の僧が京で教わったと…

生きていくのは大変だ。人はみんな泣きながら生まれてくる。笑いながら出てくる赤ん坊なんていねぇ。生きるって、泣くことだ。で…

■(1)人生は甘くない 夫であるスリランカ出身の クマさん(オミラ・シャクティ)が 在留資格を失って、 国に帰されてしまうという 人生の断崖絶壁に立たされた 娘・ミユキ(…

自分の道を歩め。他人には好きに語らせろ。

この「岡本太郎の言葉」のような 力強いメッセージを700年くらい前に放っていたのは、 かのダンテでした (先日の『哲学的街頭インタビュー』)。 この番組で「何のために生…

I do not seek, I find.[訳]私は探さない、見出すのだ。

パブロ・ピカソのこの言葉を、 絵本作家の荒井良二さんが紹介していた (先日の『ACROSS THE SKY』)。 そこには、 既にある何かを探す(ネット上の この言葉の解釈にある 『…

何か、あぁ自分ここまでだなって思うよりも、分かんないからちょっと行ってみよう、みたいな。行ってみたら行けるかも、って思え…

10年ぶりの舞台「綿子はもつれる」の 稽古を行うなかで、 改めて演技を模索する 安達祐実さんの言葉だ (先日の『情熱大陸』)。 トライしないであきらめるより、 壁にぶち…

俺が赤って言っても、みんなの赤のイメージが違うから、俺が具体的に赤を示すんだ。

という蜷川幸雄の言葉を、 彼の薫陶を受けた 勝村政信さんが紹介していた (先日の『FOOT×BRAIN』)。 小学生から高校生までの子供たちに サッカーを教える際に、 キーとな…

パンダを想像しないで。

と目を閉じた人に言うと殆どパンダの姿を想像するから、保育では「走っちゃダメ」でなく「静かに歩いて」と言うと、てぃ先生(先月の『TIME AND TIDE』)。「正しい方法を根気強く言う」という考えに、ビジネス書の依頼も来るとか。その方がスッキリする。

涙が出そうになるくらいに生きろ。

という アルベール・カミュの言葉を 先週の「yes!〜明日への便り〜」で 紹介していた。 この言葉、 「涙が出る」という状況を、 感動の涙と受け取るか、悔し涙と捉えるか…

僕がこの地球に生きてることもね。やっぱり冷暖房の家に住んで、できるだけ旨いもの食って、自分の欲望なりに生きようとして。本来、がん細胞である僕たちが、いつか地球を滅ぼして、自分も死ななきゃならん。それをがん細胞が教えてくれる。

僕がこの地球に生きてることもね。やっぱり冷暖房の家に住んで、できるだけ旨いもの食って、自分の欲望なりに生きようとして。本来、がん細胞である僕たちが、いつか地球を滅ぼして、自分も死ななきゃならん。それをがん細胞が教えてくれる。

■自身の「がん」を客観的に見つめて

自分の中のがん細胞が
肉体を侵すことにより、
自分が死んだ時点で、
がん細胞自身も死んでしまうという関係を、
自分(がん細胞)と地球環境との関係に譬えた
大林亘彦の言葉だ
(先月の『最後の講義』)。

1920年に死去する直前の収録で、
足元おぼつかず、あたかも今こそ
“地球の死”が近い状況であると
警告を発しているかのような
メッセージを含んでさえいた。

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できないと思ったら、できない。反対に、やれると思ったことは、やれるんです。

できないと思ったら、できない。反対に、やれると思ったことは、やれるんです。

大谷翔平の登場により、
野手と投手の“二刀流”の元祖として
再び注目されることになった
ベーブ・ルースが、
ある神父から言われた言葉だ
(先日の『yes!〜明日への便り〜』)。

学校には行かずに、近所の不良仲間と
遊んでいたベーブ・ルースは、
ついに父によって
孤児や罪を犯した不良少年が入る
全寮制の矯正学校に、
7歳で放り込まれてしまう。

勉強ができず、
細かな作業も苦手だった彼は、
同級生

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「やり方はいくらでもある」と、おばあちゃんは猫でテーブルを拭きながら言った。

「やり方はいくらでもある」と、おばあちゃんは猫でテーブルを拭きながら言った。

というフィンランドの諺を
イラストレーターの金井真紀さんが紹介していた
(先月の『NHK短歌』)。

布巾の代わりに猫の体毛でテーブルを拭く
という発想には笑うしかないが、
ビジネスの成功者は、
多かれ少なかれ
インパクトある常識破りを行ってきた。

恐らくその中には
この「猫」レベルの挑戦もあったはずだ。

だからこそ、自らにも問いたい。
 

自分がすること、選ぶこと、見ること、聞くこと、自分の身に起こること、全て「宝くじを買っている」と考えればいいのではないだろうか。

自分がすること、選ぶこと、見ること、聞くこと、自分の身に起こること、全て「宝くじを買っている」と考えればいいのではないだろうか。

と言ったのは、
ヨシタケシンスケさん。
ご近所のカフェで手に取った
「& Premium」(22年5月号)で見つけた。

宝くじが外れても人は
それほど落胆しないように、
生きることの全てに
ほどほどの期待を抱きつつ、
それが仮に期待外れの結果になっても
過度に反応しない。
むしろ、

災難とも言えるような
マイナスな出来事にも
大当たりの期待を込めて、
全てが今後の糧になると思えるくらい
楽観的

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背中のカーブで老けて見える

と日本スポーツ協会公認スポーツドクターでヨガ指導者の高尾美穂氏(先日の『キュレーターズ_マイスタイル×ユアスタイル』)。背中が丸いと肺が膨らまず呼吸が浅くなって自律神経も乱れるとか。タレントも背中のカーブまで気が回らない人が多い。気を付けないと。

チョコレートとカシスムースが織りなす、とろりとした陶酔の「グルマンディーズ」。at KUDOU Minamirinkan Head store

チョコレートとカシスムースが織りなす、とろりとした陶酔の「グルマンディーズ」。at KUDOU Minamirinkan Head store

艶やかなチョコレートの
上からフォークを
真っ直ぐに入れて、
サクリとした切れ味を
指から胸へと受け止めながら、
鮮やかな色彩の対比を
瞳に、そして口に、
頬張っていく。

厚みのあるチョコレートの
シルキーでなめらかな
舌ざわりを感じながら、
カカオ感ごと、
スカーレットの層とが
織りなす
味覚にまかせれば、
チョコレートと
バレリーナが踊りだしたかのような
華やかなカシスムースの酸味は、
もし

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俺の上にね、もう一人、俺がいるんですよ。

俺の上にね、もう一人、俺がいるんですよ。

■俺の上にいるもう一人の俺

七代目立川談志のこの言葉を
弟子の立川志の輔師が紹介していた
(先日の『インタビュー 達人達(たち)』)。

これは、
噺の中の登場人物が、
いま正にその人物を演じている自分にも
予測できない出方をするという
不思議な感覚を表している。

しかし私は、
噺家独自のこの感覚を、
万人に通じるある種の体験に
重ね合わせてみたい。

■自分のなかにいるもう一人の自分

人は

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ミラーボールのように多面的な顔を見せるのが人間だ。

ミラーボールのように多面的な顔を見せるのが人間だ。

と、実に5度の直木賞候補となっている
柚木麻子さん
(先日の『100分de名著』)。

「ほとんど住家と云うものを
持たないで暮して来た。
どこへ行っても木賃宿ばかりの
生活だった。」

「放浪記」に自らの生き方をこう記し
同棲と別離を繰り返した
著者・林芙美子の奔放さと、
養子・泰に見せる母の顔との
落差などを踏まえた発言だが、
正に人間は
相対する人によって、
時間によって、
立場によって変わ

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古今亭志ん朝の口調で読む芥川龍之介「鼻」(4)。~あっけらかんと訪れる奇跡

古今亭志ん朝の口調で読む芥川龍之介「鼻」(4)。~あっけらかんと訪れる奇跡

人並み外れて長く垂れ下がった「鼻」を持った僧侶・内供の
顛末を描いた芥川龍之介の小説を、二代目古今亭志ん朝の口調で綴る
4回目は、いよいよ弟子の僧が京で教わったという
「鼻を短くする方法」にチャレンジする。

■鼻を茹でる?

さてその方法と言いますのが、ただ、お湯で鼻を茹でて、その鼻を人に
踏ませるという、至極、簡単なもので。
お湯はお寺の銭湯で、毎日沸かしてますんで、弟子の層は、もう指も入れら

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生きていくのは大変だ。人はみんな泣きながら生まれてくる。笑いながら出てくる赤ん坊なんていねぇ。生きるって、泣くことだ。でも、生きていくなかで、笑うことを覚えて、いつか人に優しくできるよーさなる。

生きていくのは大変だ。人はみんな泣きながら生まれてくる。笑いながら出てくる赤ん坊なんていねぇ。生きるって、泣くことだ。でも、生きていくなかで、笑うことを覚えて、いつか人に優しくできるよーさなる。

■(1)人生は甘くない

夫であるスリランカ出身の
クマさん(オミラ・シャクティ)が
在留資格を失って、
国に帰されてしまうという
人生の断崖絶壁に立たされた
娘・ミユキ(優香)らに向けて、
マツコ(余貴美子)は山形弁でこう言った
(先日の『やさしい猫』最終回)。

この
「生きるって、泣くことだ」という
マツコの人生哲学は、
昨今の「つらい世の中」という安易な
言い方を一蹴する。
そもそも「人生

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自分の道を歩め。他人には好きに語らせろ。

自分の道を歩め。他人には好きに語らせろ。

この「岡本太郎の言葉」のような
力強いメッセージを700年くらい前に放っていたのは、
かのダンテでした
(先日の『哲学的街頭インタビュー』)。

この番組で「何のために生きているか」と問われた
10代、20代の若者たちは、
多少の恥ずかしさと
ふてくされ感を
ないまぜにしながら、
「楽しければ」
と答えていました。

別に、人生哲学など語らなくていい。
楽しく生きられれば最高じゃないか。

他人が

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I do not seek, I find.[訳]私は探さない、見出すのだ。

I do not seek, I find.[訳]私は探さない、見出すのだ。

パブロ・ピカソのこの言葉を、
絵本作家の荒井良二さんが紹介していた
(先日の『ACROSS THE SKY』)。

そこには、
既にある何かを探す(ネット上の
この言葉の解釈にある
『捜す』は誤り)
のではなく、
私自身がまだ見ぬ価値を見出すのだ、
という強い主体性を感じる。

「おすすめ」に従うのではなく、
自分の価値観で正解を選びたい。

もちろん、人生も。
いや、人生だからこそ。

何か、あぁ自分ここまでだなって思うよりも、分かんないからちょっと行ってみよう、みたいな。行ってみたら行けるかも、って思える方が面白くないですか? 何か、日々が。行き詰まるところまで行ってみないことには分からないですよね、そこになんか、何があるかっていうか。

何か、あぁ自分ここまでだなって思うよりも、分かんないからちょっと行ってみよう、みたいな。行ってみたら行けるかも、って思える方が面白くないですか? 何か、日々が。行き詰まるところまで行ってみないことには分からないですよね、そこになんか、何があるかっていうか。

10年ぶりの舞台「綿子はもつれる」の
稽古を行うなかで、
改めて演技を模索する
安達祐実さんの言葉だ
(先日の『情熱大陸』)。

トライしないであきらめるより、
壁にぶち当たってもいいから、
踏み出してみる。
      *
彼女はこの誰もが認めるであろう
人生の恐らくは真理を、
ステレオタイプではなく、
言葉を懸命に探しながら、
自らの胸から一語ずつ紡ぎ出した。

最近の私のテーマは、
「ぶつか

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俺が赤って言っても、みんなの赤のイメージが違うから、俺が具体的に赤を示すんだ。

俺が赤って言っても、みんなの赤のイメージが違うから、俺が具体的に赤を示すんだ。

という蜷川幸雄の言葉を、
彼の薫陶を受けた
勝村政信さんが紹介していた
(先日の『FOOT×BRAIN』)。

小学生から高校生までの子供たちに
サッカーを教える際に、
キーとなる用語の定義を明らかにし、
意味を分かったうえで共有する
J1リーグのサガン鳥栖アカデミーの指導法を
受けて言った言葉だ。

演技指導には、サッカー以上に
誤解を生まない的確な表現が
必要だろう。
           *

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パンダを想像しないで。

と目を閉じた人に言うと殆どパンダの姿を想像するから、保育では「走っちゃダメ」でなく「静かに歩いて」と言うと、てぃ先生(先月の『TIME AND TIDE』)。「正しい方法を根気強く言う」という考えに、ビジネス書の依頼も来るとか。その方がスッキリする。

涙が出そうになるくらいに生きろ。

涙が出そうになるくらいに生きろ。

という
アルベール・カミュの言葉を
先週の「yes!〜明日への便り〜」で
紹介していた。

この言葉、
「涙が出る」という状況を、
感動の涙と受け取るか、悔し涙と捉えるかで
意味が大きく違ってくる。
                               *
人生に涙が出る機会は少なくはない。
だから、あえて「涙が出そうになるくらい」と
言ったのは、
感動の涙を流せるくらいの人生を生きろ、

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