川中紀行/コピーライター

広告の文章を書く仕事をしています。仕事も趣味も書くことですが、Jリーグは3チーム(清水…

川中紀行/コピーライター

広告の文章を書く仕事をしています。仕事も趣味も書くことですが、Jリーグは3チーム(清水エスパルス・ガンバ大阪・湘南ベルマーレ)を応援し、いずれのチームでもゴール裏に立ちます。 仕事の強みと実績はWEBサイトで→https://kawanaka-copywriter.com/

マガジン

  • ソウ感ジタ。

    生活しながら感じたこと、考えたこと、体験したこと、について書きます。

  • レトリカル食レポ

    レトリック(言葉の組合せによる文章表現の工夫)を駆使した、食レポ(料理の味わいと感動を伝えるレポート)にチャレンジします。 ※あくまでレトリック優先の創作です。仕事でメニュー説明も行ってきましたが、その場合はここまで誇張いたしません。

  • コピーライティングにおける「書く」ということ。

    せっかくなので、広告文(コピー)を切り口に、「書くこと」を見つめてみました。 noteであまり見ない「文体」についても考察します。

  • 歌のある風景

    美景ばかりではありませんが、外出先や暮らしのなかで撮った写真に、短歌をつけてみました。

  • いいコトバ

    あらゆるメディアで(インターネットを除く)、巷の会話で、私が「いいな」と思ったコトバについて書きます。

最近の記事

死ぬとは即ち生きること。

■最期まで精いっぱい生きるそう、ある住職に言われたと 倍賞千恵子さんが述懐している (先日の『日本経済新聞』朝刊)。 82歳になる賠償さんは、 「死ぬとは、死ぬまで 生きることなんだ」と考える。 似た言葉を、よく目にする気もするが、 よくよく意味を考えると、 哲学的迷路に入り込む。 ■あなたにとって「死ぬ」と「生きる」は?死ぬ気で頑張れ、 死なないから。 ※「いちばんすきな花」第8話より 死が訪れるときは 予測できないから、 とりあえず生きるしかない。 死ぬとは、死

    • ほんのりとしたラム酒の風味が、どら餡の甘味を濃厚にふくらませ、口では受けとめられないほどの甘美が溢れる、梅月堂「ラムドラ」(鹿児島)。#レトリカル食レポ

      しっとりと、どら餡を 沁み込ませたかのような 薄皮に眼差しが柔らかくなる。 口に運べば、 皮はやんわりと切られて、 あっけなくほぐれ、 押し寄せるどら餡の甘味の中に 溶け込むように折れていく。 そして、 ホワイトオーク樽で熟成された 香り豊かなラム酒として名高い マイヤーズのダークラムを使った ラムレーズンを噛めば、 強く甘い琥珀色の香りが 濃く広がり、 そこに重なるように 北海道大納言小豆を煮立てて 濃厚さを深めたどら餡の 甘美なうねりが、 とろけるような極上の 甘みある

      • 面と向かって「ありがとう」は、ちょっと照れくさいから、これからも一緒に「お疲れ生です」。       ?

        と、缶を片手に松下洸平が語りかける アサヒ生ビールのCM。 これが「夫婦の日」を前に放映されている。 ■言ってはいけない、この言葉「面と向かって『ありがとう」』は、 ちょっと照れくさいから」 というセリフ、 夫婦関係、あるいは男女関係における 固定観念が変化しつつあるいま、 言ってはいけないのではないか。 と、あえて言いたい。 2分に1組の夫婦が離婚し、 離婚予備軍が 中高年を中心に増え続けているいま、 原因の一つは このセリフ背景に隠された、 ご都合主義にある、 と思

        • 「わからないこと」を悩むことはできない。「わからないこと」は考えられるべきである。ところで「人生いかに生くべきか」と悩んでいるあなた、あなたは人生の何をわかっていると思って悩んでいるのですか。

          ■「悩む」と「考える」 かつて「サンデー毎日」に連載していた 「考える日々」を、 私も毎週愛読した 哲学者・池田晶子のこの言葉を 先日の「日本経済新聞」朝刊で紹介していた。           * 手元の「新明解国語辞典」(第三版/1981年発行)によれば、 「悩む」とは、 「負担・苦痛などマイナスの状態をこらえ、 克服しようとして方法が見いだせないでいる」、 「考える」とは、 「経験や知識を基にして、未知の事柄を 解決しようとして頭を働かせる」 とある。 この二つの意味を

        死ぬとは即ち生きること。

        • ほんのりとしたラム酒の風味が、どら餡の甘味を濃厚にふくらませ、口では受けとめられないほどの甘美が溢れる、梅月堂「ラムドラ」(鹿児島)。#レトリカル食レポ

        • 面と向かって「ありがとう」は、ちょっと照れくさいから、これからも一緒に「お疲れ生です」。       ?

        • 「わからないこと」を悩むことはできない。「わからないこと」は考えられるべきである。ところで「人生いかに生くべきか」と悩んでいるあなた、あなたは人生の何をわかっていると思って悩んでいるのですか。

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        • 古今亭志ん朝の口調で読む名作文学
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          みんなのフォトギャラリー1万回達成!「イラスト・写真」はアマチュアなのでお知らせします。

          しばらく前に 私が「みんなのフォトギャラリー 」に登録した イラストと写真を使っていただいた 回数が1万回に達した。 これまで届いていた 「先週特にスキを集めた」云々の お知らせは、 書く仕事を 生業としている身としては むしろ恥ずかしかったが、 まず、 この“1万回”という数字に 驚いた。 単純計算でnoteを始めて以来、 56か月で月平均約180回、 1日平均6名の方に 使っていただいている。 美しさを極めた写真や、 プロの方の巧みな イラストとは違い、 私のギャ

          みんなのフォトギャラリー1万回達成!「イラスト・写真」はアマチュアなのでお知らせします。

          青春と続いていたあなたを、ずっと見つめ続けていた、谷村新司さん。

          私には青春の思い出と結び付いた 「推し」という存在がない、 唯一、古今亭志ん朝さんを除いて (下記投稿の最後に思い出を記しています)、 の、はずだった。 ■真夜中の天才・秀才・バカそんな私が、 谷村新司さんの訃報に胸揺さぶられた。        * 70年代に、この谷村新司さんと バンバン(ばんばひろふみさん)がパーソナリティを 務めた「セイ!ヤング」という文化放送の 深夜放送があって、 「天才・秀才・バカ」は、 そのなかの超人気コーナーだった。 結局、一度も読まれなか

          青春と続いていたあなたを、ずっと見つめ続けていた、谷村新司さん。

          ひとかけ、ひとかけ、一粒、一粒、噛みしめて味わい、飲みこんで、神事の如く我が命に届ける。 

          ■病床を知らぬ男の病床もちろん食べ終わって「何が入ってた」と訊かれ 口にした食材を言えないなどという鈍感な対応は なるべく避けるよう料理に向き合ってきたつもり だったが、この20日ばかりは、それがより鋭敏に 研ぎ澄まされクローズアップされた感覚だった。 約3週前に新型コロナウイルス陽性と告げられた。 感染後は喉が痛く声も出ず薬も飲めなかったが、 それでも「命」なる言葉が大袈裟なのは承知だ。 恐らく命みなぎる元気な自分を追っていたのだ。 ■命綱と思っていたスープ私はこの間

          ひとかけ、ひとかけ、一粒、一粒、噛みしめて味わい、飲みこんで、神事の如く我が命に届ける。 

          noteコメントの善と悪~善(3)メールの文面が優しくなる。

          noteのコメントはよく書く方だと思うが、 ある日、仕事でメールを打つ際の意識が 変化しているのを感じた。 多分それは「noteコメント」の「善」の効果 ではなかったかと思う。                                                          *    ■その前に改めて無為な「批判コメント」について※既に読まれた方は飛ばしてください。 以前、批判的なコメントについて次の2つの投稿を行った。  つまり批判する側には落とし穴が

          noteコメントの善と悪~善(3)メールの文面が優しくなる。

          何もかも全てが、いま始まると思いたい、今朝。

          始まりを乞うとき人はその裏で何かの終わり希みつつ生く

          何もかも全てが、いま始まると思いたい、今朝。

          僕がこの地球に生きてることもね。やっぱり冷暖房の家に住んで、できるだけ旨いもの食って、自分の欲望なりに生きようとして。本来、がん細胞である僕たちが、いつか地球を滅ぼして、自分も死ななきゃならん。それをがん細胞が教えてくれる。

          ■自身の「がん」を客観的に見つめて 自分の中のがん細胞が 肉体を侵すことにより、 自分が死んだ時点で、 がん細胞自身も死んでしまうという関係を、 自分(がん細胞)と地球環境との関係に譬えた 大林亘彦の言葉だ (先月の『最後の講義』)。 1920年に死去する直前の収録で、 足元おぼつかず、あたかも今こそ “地球の死”が近い状況であると 警告を発しているかのような メッセージを含んでさえいた。 ■地球環境を守る意思が希薄な地球社会 大林亘彦の語った通り、 人は生きている限

          僕がこの地球に生きてることもね。やっぱり冷暖房の家に住んで、できるだけ旨いもの食って、自分の欲望なりに生きようとして。本来、がん細胞である僕たちが、いつか地球を滅ぼして、自分も死ななきゃならん。それをがん細胞が教えてくれる。

          できないと思ったら、できない。反対に、やれると思ったことは、やれるんです。

          大谷翔平の登場により、 野手と投手の“二刀流”の元祖として 再び注目されることになった ベーブ・ルースが、 ある神父から言われた言葉だ (先日の『yes!〜明日への便り〜』)。 学校には行かずに、近所の不良仲間と 遊んでいたベーブ・ルースは、 ついに父によって 孤児や罪を犯した不良少年が入る 全寮制の矯正学校に、 7歳で放り込まれてしまう。 勉強ができず、 細かな作業も苦手だった彼は、 同級生にからかわれ、 ここでも喧嘩に明け暮れる日々だった。 そんななか、運動場で野球

          できないと思ったら、できない。反対に、やれると思ったことは、やれるんです。

          「やり方はいくらでもある」と、おばあちゃんは猫でテーブルを拭きながら言った。

          というフィンランドの諺を イラストレーターの金井真紀さんが紹介していた (先月の『NHK短歌』)。 布巾の代わりに猫の体毛でテーブルを拭く という発想には笑うしかないが、 ビジネスの成功者は、 多かれ少なかれ インパクトある常識破りを行ってきた。 恐らくその中には この「猫」レベルの挑戦もあったはずだ。 だからこそ、自らにも問いたい。  

          「やり方はいくらでもある」と、おばあちゃんは猫でテーブルを拭きながら言った。

          自分がすること、選ぶこと、見ること、聞くこと、自分の身に起こること、全て「宝くじを買っている」と考えればいいのではないだろうか。

          と言ったのは、 ヨシタケシンスケさん。 ご近所のカフェで手に取った 「& Premium」(22年5月号)で見つけた。 宝くじが外れても人は それほど落胆しないように、 生きることの全てに ほどほどの期待を抱きつつ、 それが仮に期待外れの結果になっても 過度に反応しない。 むしろ、 災難とも言えるような マイナスな出来事にも 大当たりの期待を込めて、 全てが今後の糧になると思えるくらい 楽観的に臨もう、 と言っているように思える。  

          自分がすること、選ぶこと、見ること、聞くこと、自分の身に起こること、全て「宝くじを買っている」と考えればいいのではないだろうか。

          背中のカーブで老けて見える と日本スポーツ協会公認スポーツドクターでヨガ指導者の高尾美穂氏(先日の『キュレーターズ_マイスタイル×ユアスタイル』)。背中が丸いと肺が膨らまず呼吸が浅くなって自律神経も乱れるとか。タレントも背中のカーブまで気が回らない人が多い。気を付けないと。

          背中のカーブで老けて見える と日本スポーツ協会公認スポーツドクターでヨガ指導者の高尾美穂氏(先日の『キュレーターズ_マイスタイル×ユアスタイル』)。背中が丸いと肺が膨らまず呼吸が浅くなって自律神経も乱れるとか。タレントも背中のカーブまで気が回らない人が多い。気を付けないと。

          チョコレートとカシスムースが織りなす、とろりとした陶酔の「グルマンディーズ」。at KUDOU Minamirinkan Head store

          艶やかなチョコレートの 上からフォークを 真っ直ぐに入れて、 サクリとした切れ味を 指から胸へと受け止めながら、 鮮やかな色彩の対比を 瞳に、そして口に、 頬張っていく。 厚みのあるチョコレートの シルキーでなめらかな 舌ざわりを感じながら、 カカオ感ごと、 スカーレットの層とが 織りなす 味覚にまかせれば、 チョコレートと バレリーナが踊りだしたかのような 華やかなカシスムースの酸味は、 もしも油絵で表現したら こうなると 思わせるような、 とろりとした濃味で、 うっとり

          チョコレートとカシスムースが織りなす、とろりとした陶酔の「グルマンディーズ」。at KUDOU Minamirinkan Head store

          俺の上にね、もう一人、俺がいるんですよ。

          ■俺の上にいるもう一人の俺 七代目立川談志のこの言葉を 弟子の立川志の輔師が紹介していた (先日の『インタビュー 達人達(たち)』)。 これは、 噺の中の登場人物が、 いま正にその人物を演じている自分にも 予測できない出方をするという 不思議な感覚を表している。 しかし私は、 噺家独自のこの感覚を、 万人に通じるある種の体験に 重ね合わせてみたい。 ■自分のなかにいるもう一人の自分 人は、 いや少なくとも私は、 (感覚としては頭脳で考える)自分のなかに、 別の、 (

          俺の上にね、もう一人、俺がいるんですよ。