川中紀行/コピーライター
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ほんのりとしたラム酒の風味が、どら餡の甘味を濃厚にふくらませ、口では受けとめられないほどの甘美が溢れる、梅月堂「ラムドラ」(鹿児島)。#レトリカル食レポ
しっとりと、どら餡を 沁み込ませたかのような 薄皮に眼差しが柔らかくなる。 口に運べば、 皮はやんわりと切られて、 あっけなくほぐれ、 押し寄せるどら餡の甘味の中に 溶け込むように折れていく。 そして、 ホワイトオーク樽で熟成された 香り豊かなラム酒として名高い マイヤーズのダークラムを使った ラムレーズンを噛めば、 強く甘い琥珀色の香りが 濃く広がり、 そこに重なるように 北海道大納言小豆を煮立てて 濃厚さを深めたどら餡の 甘美なうねりが、 とろけるような極上の 甘みある
「わからないこと」を悩むことはできない。「わからないこと」は考えられるべきである。ところで「人生いかに生くべきか」と悩んでいるあなた、あなたは人生の何をわかっていると思って悩んでいるのですか。
■「悩む」と「考える」 かつて「サンデー毎日」に連載していた 「考える日々」を、 私も毎週愛読した 哲学者・池田晶子のこの言葉を 先日の「日本経済新聞」朝刊で紹介していた。 * 手元の「新明解国語辞典」(第三版/1981年発行)によれば、 「悩む」とは、 「負担・苦痛などマイナスの状態をこらえ、 克服しようとして方法が見いだせないでいる」、 「考える」とは、 「経験や知識を基にして、未知の事柄を 解決しようとして頭を働かせる」 とある。 この二つの意味を
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僕がこの地球に生きてることもね。やっぱり冷暖房の家に住んで、できるだけ旨いもの食って、自分の欲望なりに生きようとして。本来、がん細胞である僕たちが、いつか地球を滅ぼして、自分も死ななきゃならん。それをがん細胞が教えてくれる。
■自身の「がん」を客観的に見つめて 自分の中のがん細胞が 肉体を侵すことにより、 自分が死んだ時点で、 がん細胞自身も死んでしまうという関係を、 自分(がん細胞)と地球環境との関係に譬えた 大林亘彦の言葉だ (先月の『最後の講義』)。 1920年に死去する直前の収録で、 足元おぼつかず、あたかも今こそ “地球の死”が近い状況であると 警告を発しているかのような メッセージを含んでさえいた。 ■地球環境を守る意思が希薄な地球社会 大林亘彦の語った通り、 人は生きている限
チョコレートとカシスムースが織りなす、とろりとした陶酔の「グルマンディーズ」。at KUDOU Minamirinkan Head store
艶やかなチョコレートの 上からフォークを 真っ直ぐに入れて、 サクリとした切れ味を 指から胸へと受け止めながら、 鮮やかな色彩の対比を 瞳に、そして口に、 頬張っていく。 厚みのあるチョコレートの シルキーでなめらかな 舌ざわりを感じながら、 カカオ感ごと、 スカーレットの層とが 織りなす 味覚にまかせれば、 チョコレートと バレリーナが踊りだしたかのような 華やかなカシスムースの酸味は、 もしも油絵で表現したら こうなると 思わせるような、 とろりとした濃味で、 うっとり