川中紀行/コピーライター
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僕がこの地球に生きてることもね。やっぱり冷暖房の家に住んで、できるだけ旨いもの食って、自分の欲望なりに生きようとして。本来、がん細胞である僕たちが、いつか地球を滅ぼして、自分も死ななきゃならん。それをがん細胞が教えてくれる。
■自身の「がん」を客観的に見つめて 自分の中のがん細胞が 肉体を侵すことにより、 自分が死んだ時点で、 がん細胞自身も死んでしまうという関係を、 自分(がん細胞)と地球環境との関係に譬えた 大林亘彦の言葉だ (先月の『最後の講義』)。 1920年に死去する直前の収録で、 足元おぼつかず、あたかも今こそ “地球の死”が近い状況であると 警告を発しているかのような メッセージを含んでさえいた。 ■地球環境を守る意思が希薄な地球社会 大林亘彦の語った通り、 人は生きている限
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記事をすべて見る すべて見るチョコレートとカシスムースが織りなす、とろりとした陶酔の「グルマンディーズ」。at KUDOU Minamirinkan Head store
艶やかなチョコレートの 上からフォークを 真っ直ぐに入れて、 サクリとした切れ味を 指から胸へと受け止めながら、 鮮やかな色彩の対比を 瞳に、そして口に、 頬張っていく。 厚みのあるチョコレートの シルキーでなめらかな 舌ざわりを感じながら、 カカオ感ごと、 スカーレットの層とが 織りなす 味覚にまかせれば、 チョコレートと バレリーナが踊りだしたかのような 華やかなカシスムースの酸味は、 もしも油絵で表現したら こうなると 思わせるような、 とろりとした濃味で、 うっとり
生きていくのは大変だ。人はみんな泣きながら生まれてくる。笑いながら出てくる赤ん坊なんていねぇ。生きるって、泣くことだ。でも、生きていくなかで、笑うことを覚えて、いつか人に優しくできるよーさなる。
■(1)人生は甘くない 夫であるスリランカ出身の クマさん(オミラ・シャクティ)が 在留資格を失って、 国に帰されてしまうという 人生の断崖絶壁に立たされた 娘・ミユキ(優香)らに向けて、 マツコ(余貴美子)は山形弁でこう言った (先日の『やさしい猫』最終回)。 この 「生きるって、泣くことだ」という マツコの人生哲学は、 昨今の「つらい世の中」という安易な 言い方を一蹴する。 そもそも「人生」は、泣くことを 覚悟して生きていかねばならぬほど つらく、厳しく、不条理な体験
何か、あぁ自分ここまでだなって思うよりも、分かんないからちょっと行ってみよう、みたいな。行ってみたら行けるかも、って思える方が面白くないですか? 何か、日々が。行き詰まるところまで行ってみないことには分からないですよね、そこになんか、何があるかっていうか。
10年ぶりの舞台「綿子はもつれる」の 稽古を行うなかで、 改めて演技を模索する 安達祐実さんの言葉だ (先日の『情熱大陸』)。 トライしないであきらめるより、 壁にぶち当たってもいいから、 踏み出してみる。 * 彼女はこの誰もが認めるであろう 人生の恐らくは真理を、 ステレオタイプではなく、 言葉を懸命に探しながら、 自らの胸から一語ずつ紡ぎ出した。 最近の私のテーマは、 「ぶつかる」だ。 大相撲の“ぶつかり稽古”の場合、 ぶつかる側は、多くが 首を押さえつ