俺の上にね、もう一人、俺がいるんですよ。
■俺の上にいるもう一人の俺
七代目立川談志のこの言葉を
弟子の立川志の輔師が紹介していた
(先日の『インタビュー 達人達(たち)』)。
これは、
噺の中の登場人物が、
いま正にその人物を演じている自分にも
予測できない出方をするという
不思議な感覚を表している。
しかし私は、
噺家独自のこの感覚を、
万人に通じるある種の体験に
重ね合わせてみたい。
■自分のなかにいるもう一人の自分
人は、
いや少なくとも私は、
(感覚としては頭脳で考える)自分のなかに、
別の、
(