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批判的思考を失わなければ、未来は変わる。[#未来のためにできること]

■平和の意味を忘れる日本人

「平和がいい」。

平和式典で
レポーターは、
参加者のこんな言葉を
引き出せばお役御免だ。
そしてスタジオの司会者は、
こう結ぶ。

「平和のために、私たちに何ができるかを、
もう一度考えたいと思います」。

「思う」のだから考えすらしない。
「平和」はこんな風に曖昧化され、
日本人は、
平和イベントの中でしか
平和と向き合わなくなった。

■気づけば野放しの防衛費

「平和がいい」と
言った次の選挙で、
殺傷能力のある武器輸出解禁を
議論もせず決めてしまう、
憲法の平和主義をなめた党に
投票して、
未来は平和になると言うの?
日本が戦争を支援する愚行が、
まるで路線バスのように通り過ぎる。
      
いま多くの学生が学ぶ
クリティカル・シンキング、
それは物事を批判的に見つめ
本質的な課題を考え抜くこと。

もしもそのように
政治を見つめていたら、
路線バスは止められて
いたかもしれない。

しかし、
またしても
スタジオの司会者は言う。
「政治と生活の接点が見つけにくい」。

■生活と政治は無縁じゃない

約240万人の介護職員が
必要になる2026年
(厚生労働省『第9期介護保険事業計画』)、
あなたの親あるいは、
あなた自身を介護する担い手が
見つからなければ、
生活は間違いなく崩壊する。

5年以内の補修が必要な
橋とトンネルのなかで、
7041(22年3月時点)が
そのまま残る
(同年の『NHK ニュース』)。
協議のうえ壊すという末路に、
あなたが渡る橋が
含まれていたら、
生活に大きな支障をきたす。

不安でしかない年金額、
不安でしかない食料自給、
不安でしかない大地震対策。
人間の尊厳に関わる
書ききれない数の問題は、
全て政治と関わり、
あなたの生活に影響を及ぼす。
もちろん「平和」も同じだ。

■常に批判的思考で未来を見る

27年度GDP比2%へ
真顔で進む防衛費を
聖域とせず、
ゼロから諸問題を議論すべきなのに
なされていない。

生活に不可避な問題を後回しにして
防衛を叫ぶ党を
批判的な視点で評価し、
自問し続けない限り、
平和も
安心できる未来も
危うい。
                             
政権交代が起きた英国で、
市民の一人が言った。
「(労働党の)お手並み拝見ね」。

選挙で判断を下したあとは、
その行方を、党派を超えて
改めて批判的に見つめ続け、
実効性を評価し続ける。
もちろん安易な処方箋などない。
しかし、
憂鬱な未来を遅らせることは可能だ。




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