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夢や希望を、あきらめてはいけない。

■人生の暗転(1)母になることを断念

この一見、手垢のついた常套句の如き言い回しが、
女優・洞口依子の口から
放たれたとき、16文字の連なりは、
涙の熱量を持ったエネルギーで心に迫ってくる
(先日の『徹子の部屋』)。                                        

                            *

洞口さんは80年代、それこそ
“時代を表現する”女優だった。
その洞口さんが、
2004年1月、子宮頸癌を告知され、
子宮と卵巣の全摘出手術を受けることになる。
母になることを真剣に考えていたこともあり、
離婚さえ夫に切り出すほどの苦悩のなか、
その夫の助言もあって沖縄県に移住。
この地での暮らしを心から愛し、療養するなかで
ようやく平穏な日々が訪れる。

■人生の暗転(2)後遺症再発

しかし、手術から10年ほど経過したとき、
子宮頸癌に特有の後遺症と医師から注意されていた
リンパ浮腫(皮下のリンパ液の炎症反応で痛みや熱を発する)と
診断される。
「私には来ないのかな」と思っていた、
その矢先だった。
19年から3年間はこの後遺症の痛みに耐えての闘病が続く。                    

                                  *

その一方で、
真田広之プロデュース・主演の
「FX’s SHŌGUN」における正室の役を
オーディションで勝ち取る執念も見せていた。

ところが、

またもそれを断念する
思いに直面せざるを得ない
事態が発生する。

2021年~2022年にかけてカナダの
ブリティッシュコロンビア州で行われる予定だった
撮影に出かける直前、
再びリンパ浮腫が再発したのだ。

■(3)だからこそ夢や希望を

時代劇に求められる特有の所作への不安から
今度は降板覚悟で病状を告げる。
すると、
「この仕事をやりたいと思うなら、
私たちはサポートします」
という
現地スタッフの応援に浴し、
見事、大役を演じ終えた。                                      

                        *

冒頭の見出しの言葉は、
子宮頸癌と、その後遺症による
2度の困難を乗り越えた
洞口さんの言葉だからこそ
人生の重みが濃密に凝縮されている。

夢や希望には、
誰であろうと、
何があろうと、
あきらめると
いう選択肢は
ない、はずだ。


https://note.com/noriyukikawanaka/m/m541166260fea






  



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