杜若(かきつばた)

40代の会社員(男性)です。 美術館や伝統芸能、最近は演劇に関心を持っています。鑑賞記…

杜若(かきつばた)

40代の会社員(男性)です。 美術館や伝統芸能、最近は演劇に関心を持っています。鑑賞記録をつけていますが、時間が無かったり、理解不足だったりで、メモにとどまっていることもあります。 もっと文献を読んで勉強していきたいです。 どうぞよろしくお願いします。

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記事一覧

【読書・演劇】神(シーラッハ)

 2024年7月22日(月)、下北沢の駅前劇場で、劇団ワンツーワークスの舞台『神[GOTT]』を鑑賞しました。記録を残します。 ■観劇・読書したきっかけ(1)私の問題意識 …

【読書】アンジュと頭獅王

 2024年8月14日(水)、吉田修一さんの小説『アンジュと頭獅王』を読み終わりました。  本作は、フォローさせて頂いている三太さんの紹介記事から読んだものです。三太さ…

【読書・歌舞伎】ゆうれい貸屋など(2024年8月歌舞伎座第1部)

 2024年8月12日(月・祝)、歌舞伎座で第1部を観劇しました。演目は、『ゆうれい貸屋』と『鵜の殿様』でした。  『ゆうれい貸屋』は、山本周五郎の短編小説を原作として…

【読書・演劇】葉桜、命を弄ぶ男(女)ふたり(岸田國士)

 2024年7月、岸田國士作の演劇を観て、戯曲を読む機会がありました。記録を残します。 ■はじめに(きっかけなど)(1)きっかけ  今年の7月、近くの大学の学生による…

【狂言】昆布売・瓜盗人(親子で楽しむ狂言の会)

 2024年8月3日(土)、国立能楽堂で「親子で楽しむ狂言の会」に参加して来ました。夏の親子企画の一つです。  私は一人ですが、初めに、親子参加の方がチケットを購入す…

【ミュージカル】ピーター・パン(ホリプロ)

 2024年7月、ブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』東京公演に行きました。東京公演は、2024年7月24日(水)から8月2日(金)までです。その後、愛知、広島、魚津…

【雑記(問題意識)】文章の書き方と分類

 noteに文章を書き始めて、2年程が経ちました。読み易い文章が、少しずつ書けるようになってきたように思うのですが、少し最近迷う部分が出てきたこともあり、雑記を書く…

【朗読劇】偐紫田舎源氏

 2024年7月21日(土)、浜離宮朝日ホール@東京で行われた「偐紫田舎源氏」の朗読会に行ってきました。感想を残します。 ■はじめに 『偐紫田舎源氏』は、江戸時代、柳亭…

【能楽】忠度・三輪

 2024年7月27日(土)、国立能楽堂で、能の『忠度)』と『三輪』を鑑賞しました。記録を残します。 ■はじめに 通常、能楽の公演は、能と狂言が組み合わされて催されま…

【演劇】『三人でシェイクスピア』(劇団鳥獣戯画)

 2024年7月23日(火)、池袋のシアターグリーンにて、劇団鳥獣戯画の『三人でシェイクスピア』を観ました。感想などを記載します。 ■『三人でシェイクスピア』とは シ…

【オペラ】蝶々夫人(東京二期会)

 2024年7月21日(日)、上野の東京文化会館で東京二期会のオペラ『蝶々夫人』を鑑賞しました。今回は、演出の違いなどを中心に感想やメモを記載しました。※4階席からの鑑…

【演劇】猿女版 火の鳥 〜鳳凰篇〜(サルメカンパニー)

 2024年7月20日(土)、21日(日)に、池袋の東京芸術劇場シアターウエストで『猿女版 火の鳥~鳳凰篇~』を観劇しました。感想を残します。  4日間の公演で21日(日)が…

【演劇・感想】江戸時代の思い出(ナイロン100℃)

 2024年7月16日(火)、下北沢の本多劇場で、ナイロン100℃の『江戸時代の思い出』を観劇しました。記録を残します。  東京公演は、7月21日(日)までで、その後、新潟、…

【読書】ちいさな死神くん

 2024年7月15日(日・祝)、絵本の『ちいさな死神くん』を読みました。メモを残します。 ■絵本『ちいさな死神くん』について(1)絵本の概要  講談社から出版されてい…

財布に新しいバージョンのお札が混ざっていて、海外の紙幣や偽札を掴まされたのかと(←表現が悪くてすみません)驚きました。駅で切符を買う機械に入れて使えることを確認。安心した次第です。

【演劇】正三角関係(野田地図)

 2024年7月13日(土)19時の回に、野田地図の『正三角関係』を観劇してきました。公演は7月11日(木)に始まったばかりです。メモや感想を残します。  本作は、ドフトエ…

【読書・演劇】神(シーラッハ)

【読書・演劇】神(シーラッハ)

 2024年7月22日(月)、下北沢の駅前劇場で、劇団ワンツーワークスの舞台『神[GOTT]』を鑑賞しました。記録を残します。

■観劇・読書したきっかけ(1)私の問題意識

 『神』は、ドイツの作家、フェルディナンド・フォン・シーラッハによる作品です。安楽死を扱っています。
 「政治」と「文学」の関係(接点)というのも難しい問題ですが、例えば、様々な時代の政治状況の下、どのような文学作品が生み出

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【読書】アンジュと頭獅王

【読書】アンジュと頭獅王

 2024年8月14日(水)、吉田修一さんの小説『アンジュと頭獅王』を読み終わりました。
 本作は、フォローさせて頂いている三太さんの紹介記事から読んだものです。三太さんの記事はこちら(↓)です。

 三太さんの記事にもあるように、本作は、説経節「山椒大夫」をもとに、吉田修一さんが、オリジナルストーリーを加筆した作品です。
 以下、感想と説経節についてのメモを少し記載します。

■感想(1)文章の

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【読書・歌舞伎】ゆうれい貸屋など(2024年8月歌舞伎座第1部)

【読書・歌舞伎】ゆうれい貸屋など(2024年8月歌舞伎座第1部)

 2024年8月12日(月・祝)、歌舞伎座で第1部を観劇しました。演目は、『ゆうれい貸屋』と『鵜の殿様』でした。
 『ゆうれい貸屋』は、山本周五郎の短編小説を原作としており、図書館で借りて読んでもみたので、読書記録も合わせて記載します。
 後半、ネタバレがあります(その箇所に記載あり)。青空文庫のリンクもつけておりますので、先に原作を読んだ方がよいかもしれません。

■『ゆうれい貸屋』(1)はじめ

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【読書・演劇】葉桜、命を弄ぶ男(女)ふたり(岸田國士)

【読書・演劇】葉桜、命を弄ぶ男(女)ふたり(岸田國士)

 2024年7月、岸田國士作の演劇を観て、戯曲を読む機会がありました。記録を残します。

■はじめに(きっかけなど)(1)きっかけ

 今年の7月、近くの大学の学生による舞台発表(自主上演実習)がありました。
 大学生が戯曲を書いたグループもあれば、プロの劇作家の作品をもとに上演するグループもあり、その中に、岸田國士の作品が2本ありました。『葉桜』と『命を弄ぶ女ふたり』(「命を弄ぶ男ふたり」をアレ

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【狂言】昆布売・瓜盗人(親子で楽しむ狂言の会)

【狂言】昆布売・瓜盗人(親子で楽しむ狂言の会)

 2024年8月3日(土)、国立能楽堂で「親子で楽しむ狂言の会」に参加して来ました。夏の親子企画の一つです。
 私は一人ですが、初めに、親子参加の方がチケットを購入する期間があり、その後、席が空いていれば、一般の人も購入出来ます。次項に書きますが、私はある理由・計画があり参加しました。

■山本東次郎さんのおはなし 狂言が2つ催されますが、その前に、狂言方大蔵流の山本東次郎さんの「おはなし」を聞く

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【ミュージカル】ピーター・パン(ホリプロ)

【ミュージカル】ピーター・パン(ホリプロ)

 2024年7月、ブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』東京公演に行きました。東京公演は、2024年7月24日(水)から8月2日(金)までです。その後、愛知、広島、魚津、大阪と公演は続きます。
 記録を残します。

■はじめに 『ピーター・パン』は、イギリスの作家・ジェームス・マシュー・バリーの作品を元にしたミュージカルです。公演プログラムによると、1904年に戯曲として発表されたそうです。

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【雑記(問題意識)】文章の書き方と分類

【雑記(問題意識)】文章の書き方と分類

 noteに文章を書き始めて、2年程が経ちました。読み易い文章が、少しずつ書けるようになってきたように思うのですが、少し最近迷う部分が出てきたこともあり、雑記を書くことにしました。

■問題意識(これまでと現在)(1)これまで

 過去に自分が書いた記事を振り返り、当時の問題意識を見てみると、観劇や読書の「感想」を書くか、「紹介」の要素を強めるかということでした。明確な結論は出さず、もう少し様子を

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【朗読劇】偐紫田舎源氏

【朗読劇】偐紫田舎源氏

 2024年7月21日(土)、浜離宮朝日ホール@東京で行われた「偐紫田舎源氏」の朗読会に行ってきました。感想を残します。

■はじめに 『偐紫田舎源氏』は、江戸時代、柳亭種彦によって書かれた『源氏物語』のパロディのような作品です。

 私は、実際、手にとって読んだことはありません。しかし、懐かしく思う部分があります。
 学生時代、友人たちと、「日本文学史」の年表を見ながら、「『偽紫』って、どんな作

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【能楽】忠度・三輪

【能楽】忠度・三輪

 2024年7月27日(土)、国立能楽堂で、能の『忠度)』と『三輪』を鑑賞しました。記録を残します。

■はじめに 通常、能楽の公演は、能と狂言が組み合わされて催されますが、今回は能が2本の公演でした。「女性能楽師による」と題名がつけられた女性のシテによる企画公演です。概要を記載します。

『忠度』、観世流、シテ:鵜澤久さん、使用した能面:笑尉、中将、95分

『三輪』、宝生流、シテ:松田若子さん

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【演劇】『三人でシェイクスピア』(劇団鳥獣戯画)

【演劇】『三人でシェイクスピア』(劇団鳥獣戯画)

 2024年7月23日(火)、池袋のシアターグリーンにて、劇団鳥獣戯画の『三人でシェイクスピア』を観ました。感想などを記載します。

■『三人でシェイクスピア』とは シェイクスピア(1564〜1616)は、イギリスの劇作家・詩人・俳優です。説にもよると思いますが、執筆した戯曲数は37本と言われています。
 その37本の戯曲を、三人の俳優が90分の芝居に凝縮して紹介するのが、『三人でシェイクスピア』

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【オペラ】蝶々夫人(東京二期会)

【オペラ】蝶々夫人(東京二期会)

 2024年7月21日(日)、上野の東京文化会館で東京二期会のオペラ『蝶々夫人』を鑑賞しました。今回は、演出の違いなどを中心に感想やメモを記載しました。※4階席からの鑑賞で記載が曖昧な部分があります。

■はじめに 先月は映画館で、オペラ『蝶々夫人』を鑑賞しました。下(↓)は、その際のリンクです。参考として添付します。

 そのため、同作を生(ライブ)で観る必要まではないのではないかと、自分でも思

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【演劇】猿女版 火の鳥 〜鳳凰篇〜(サルメカンパニー)

【演劇】猿女版 火の鳥 〜鳳凰篇〜(サルメカンパニー)

 2024年7月20日(土)、21日(日)に、池袋の東京芸術劇場シアターウエストで『猿女版 火の鳥~鳳凰篇~』を観劇しました。感想を残します。
 4日間の公演で21日(日)が千穐楽でした。

■はじめに 本作は、手塚治虫(1928〜1989)の漫画『火の鳥〜鳳凰篇〜』を原作としています。本公演の公式HPにも『火の鳥』連載70周年記念とありました。公演団体としては、「サルメカンパニー」と「ハピネット

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【演劇・感想】江戸時代の思い出(ナイロン100℃)

【演劇・感想】江戸時代の思い出(ナイロン100℃)

 2024年7月16日(火)、下北沢の本多劇場で、ナイロン100℃の『江戸時代の思い出』を観劇しました。記録を残します。
 東京公演は、7月21日(日)までで、その後、新潟、兵庫、北九州と続くようです。

■はじめに ナイロン100℃は、ケラリーノ・サンドロヴィッチさんが主宰する劇団です。作風を人づてに聞いたり、調べたりすると「ナンセンスコメディ」とありました。
 しかし、私は、あまり「お笑い」に

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【読書】ちいさな死神くん

【読書】ちいさな死神くん

 2024年7月15日(日・祝)、絵本の『ちいさな死神くん』を読みました。メモを残します。

■絵本『ちいさな死神くん』について(1)絵本の概要

 講談社から出版されている絵本です。作:キティ・クローザー、訳:ときありえ、とあります。
 下に、①講談社の絵本のページと、②キティ・クローザーさんのWikipediaのページのリンクを貼ります。絵本の裏表紙にも記載があり、それによると、クローザーさん

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財布に新しいバージョンのお札が混ざっていて、海外の紙幣や偽札を掴まされたのかと(←表現が悪くてすみません)驚きました。駅で切符を買う機械に入れて使えることを確認。安心した次第です。

【演劇】正三角関係(野田地図)

【演劇】正三角関係(野田地図)

 2024年7月13日(土)19時の回に、野田地図の『正三角関係』を観劇してきました。公演は7月11日(木)に始まったばかりです。メモや感想を残します。

 本作は、ドフトエフスキーの小説『カラマーゾフの兄弟』をベースとしています。同小説の流れを知っていると(知らなくてもよいかもしれませんが)、入りやすかったように思います。
 また、この記事の後半にもネタバレ箇所が出て来ると思いますが、これからご

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