呟】十四回目の毘沙門堂詣も恙なく終えてござれば 今日は狂言面福の神の最終仕上げでござった 全体を研いてのち溝と云う溝へ汚しを掛けてござる その上より薄く伸ばした膠液を霧のように撒き掛けて和らかに留めてござる 間に合うかどうかと思ったこともござったが余裕をもって仕上がってござる
観)こんにったおうみ狂言図鑑のためJRと近江鉄道バス乗り継いで滋賀県日野町へ 狂言二人袴でシテの聟はおうみ狂言初出演の虎真師、熱演の可愛いお聟さんでござった 狂言真奪では残念な太郎冠者のあきら師がこれまた可愛いことでござった 新作狂言七つ道具では千五郎師の乙女がこれまった😆
呟)自宅から歩いて十分あまりにある毘沙門天詣りも年明けから十二回となってござる 行きは緩い登り坂なれば呼吸を整えるが精一杯でござってその戻りは下りの坂なれば 早足に狂言の台詞を繰る余裕も出てまいりまする 昨日は遠道して狂言『伯母ヶ酒』をひと通りお稽古して帰ってござる
呟)よくよく視較べてみれば 細かな違いばかりか 明らかな容貌の違いも目に付いてござる 彫りを終え色を付けていく内 改めて手本の面に目を凝らせば 口の開き額の曲面頬の凹凸目の開き加減鼻の孔の向き… さりながらこれらの違いを含んでなお私独自の面となっているとも云えると存じまする
呟)毘沙門堂詣りも今年七度目 いつもは一人狂言の台詞を繰りながら、時に歌いながら謡いながら 息弾ませて詣りまする 昨日は友だちとお喋りしながらでござった 特段願掛けの意図もござらぬが また次回も健やかに和らいだ心でお詣りできるようにと 感謝を込めてござる