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呟)自宅から歩いて十分あまりにある毘沙門天詣りも年明けから十二回となってござる 行きは緩い登り坂なれば呼吸を整えるが精一杯でござってその戻りは下りの坂なれば 早足に狂言の台詞を繰る余裕も出てまいりまする 昨日は遠道して狂言『伯母ヶ酒』をひと通りお稽古して帰ってござる

呟)小さな頃から好きなエッシャーの絵を観に佐川美術館へ参ってござる 狂言師の茂山宗彦さんから教えてもらいまして一人ぶらっと訪れました これまで詳しく知らなかったエッシャーと云う芸術家に触れて わたくしの画心も激しゅう刺激されましてござる 狂言面打ちに狂言画描きに活かしましょう

呟】十月掛かり 急に冷え込んだ朝がござって その朝夏布団も何も被らずにあったためか喉を痛めてござる 続きハナがグズり出し咳と洟が続いてござる こうなるとお稽古で声を張れぬ 謡となれば声が枯れて続きませぬ ずいぶん治まってはござるが 本調子には今少し掛かるようにござる

呟】論語に曰く 之れを知る者は之れを好む者に如かず 之れを好む者は之れを楽しむ者に如かず ’之れ‘を狂言とすればわたくしは当に愉しむ者でござる 狂言を愉しむことに勝ち負けも善し悪しもござらぬが 愉しんでいることが何より 悦んでいることが何よりと 思うてやっているのでござる

秋は狂言の季節

呟】同じ狂言を観ても そこから感じとることは 百人百通り以上あろうと存ずる ゆえにどう思ったか訊きとうござる 人は誰一人として 同じモノを同じように観ることも感じることも叶わぬ 感じたことを言葉を尽くしても 同じゅう感じることはならず それでも 思いを分かち合うことが大事と存ずる

狂言のお稽古に終わりはござらぬ

呟】明日はいよいよ狂言社中発表会「かぶら会」でござる 昨日は島田洋海社中の最終お稽古 八年目で初めて披露する狂言小舞『祐善』は和傘を持って舞うのが特徴でござる 後ろには四人の玄人が並んで地謡をしてくださるそうで その謡の力を借りて 力強く優雅な舞を目指してござる

呟】近頃は時短やタイパなどと申して少しも早く効率よいことをもて囃す気分がござる わたくしにとって狂言のお稽古は その対極と云うて好いモノかもしれませぬ 急いで覚える道も有りましょうが身に沁み口に馴染まねばお稽古の甲斐が感じられませぬ 遠回りなりとても 古人の心を感じとうござる

呟】京都の観世流の能舞台で開催の能舞台めぐり 鳴滝の杉浦能舞台へは初めて訪れましてござる 鏡板の松は墨一色で描かれ趣きの異なる舞台 午後はお稽古にもお借りしている嘉祥閣へ 舞台に纏わるお話を聴き仕舞を観ながら一部一緒に謡わせてもらえて満足でござる

呟】狂言のお稽古であれ 謡のお稽古であれ一番好きな処はお腹から声を出す快さでござる 最初の頃の鸚鵡返しも 徐々に覚えてのお稽古も 少々の間違えには構わず お腹から身体を響かせるように 声を出すこと 全身が上手く響かせられると 帰り道の足取りが軽くなるのでござる

呟】転職に伴って狂言に再會し 自ら狂言のお稽古を始めた2010年より 一昨年には狂言面を打ち始め 今年からほぼ毎週舞台に立つようになって 生活に占める狂言の割合は弥増してござる さりながら画を描くことや文具漫画読書映画ドラマ等等続いている趣味もござる 狂言に織り交ぜられば尚嬉しい

呟】七月になると京都はあちこちで祇園囃子が聞こえ始めまする 春三月よりこの祇園で舞台に出る機会を賜り 祇園がいっそう身近に感じられてござる 観光で来られる方も弥増すようで 今年の祇園祭は連休と重なりますれば さぞかし賑やかなものでござろうと存ずる 心和やかに愉しまれますよう

呟】お稽古年数が長くなり 後から始めた方が多くなるにつれ人の狂言につい一言云いたくなってしまうことがござる ちょっとした動きのコツなれば 好うござるが 自身が師より受けた指導をそのまま伝えることは厳に控えるよう氣をつけてござる 夫々にタイミングがあり それを図るは難しゅうござる

呟】先月岡山で狂言を披露して半月あまり 次のお稽古まで十日ござる 自身が主となる狂言小舞は観たことはあれど全く手付かず アドで参加する狂言口真似は奉納で演ったことがござるによって 浚いますれば幸い大方思い出せましてござる あとは細部に集中してお稽古重ねまする

今年の狂言の目標

呟】昨夜は狂言島田洋海社中お稽古日でござった 四月に披露する狂言萩大名 動きのタイミングや台詞の緩急に 少しずつ直しをいただいて とぼけた愛らしい大名が形作られてまいりまする 普段独りで台詞をお稽古するのと違うて動きながら相手の言葉を聴き対応することが力になってござる

呟】狂言は独特な抑揚で台詞を発声いたしまする 狂言のお家によっても違いがござるが 茂山千五郎家のことばは京言葉が基礎にあろうと思うてござる なんとなく和らいだ雰囲氣がござって狂言そのものも柔和でござる 家ごとに狂言の言葉にも違いがござる これも方言と云えましょうか

呟】いろいろと緩やかになりつつあり先週には久しぶりに社中の新年会も開けてござる 四月の発表会に向けたお稽古もいっそう精度を上げての指導をいただけて有り難いところでござる 動きや視線運びをそのまま習うより どんな理由があってそうなるのかを慮っての所作指導は身に着いてござる

呟】子どもの頃から歯性が好うござらぬ 年末年始で二度に渡り詰め物が外れ歯医者に通うてござる 歯並びは声の出に影響が出まする 前歯にあった隙間を治してしばらくは 声が口の中へ跳ね返されるようで台詞が上手く出せなくなってござる 舞台が近い時には 歯はなるべく触らぬようにしてござる