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呟】三年目を迎えた狂言面打ち 明日から京都市文化博物館で作品展が始まりまする 本日はその準備のため午後休を取り展示会場へ参ってござる 作品展参加も三回目 準備も少しずつ慣れてきてござる 明日から三日間自由に観ていただけまするによって ご来場を待ちつつ愉しみまする

呟】十四回目の毘沙門堂詣も恙なく終えてござれば 今日は狂言面福の神の最終仕上げでござった 全体を研いてのち溝と云う溝へ汚しを掛けてござる その上より薄く伸ばした膠液を霧のように撒き掛けて和らかに留めてござる 間に合うかどうかと思ったこともござったが余裕をもって仕上がってござる

呟)狂言面打ち福の神の彫りが終わり胡粉と膠で下地塗り 少し磨いて下色を付け さらに磨いてから上色を叩いてござる この辺りから細かな石を混ぜて表面に凹凸を施しそこに陰影を着ける濃い色を振り掛けてござる さらに濃い色を重ねたあと 墨で毛を描いてまいりまする 完成が見えてきてござる

呟)よくよく視較べてみれば 細かな違いばかりか 明らかな容貌の違いも目に付いてござる 彫りを終え色を付けていく内 改めて手本の面に目を凝らせば 口の開き額の曲面頬の凹凸目の開き加減鼻の孔の向き… さりながらこれらの違いを含んでなお私独自の面となっているとも云えると存じまする

呟)小さな頃から好きなエッシャーの絵を観に佐川美術館へ参ってござる 狂言師の茂山宗彦さんから教えてもらいまして一人ぶらっと訪れました これまで詳しく知らなかったエッシャーと云う芸術家に触れて わたくしの画心も激しゅう刺激されましてござる 狂言面打ちに狂言画描きに活かしましょう

呟】十月はなかなか面を打ちに行くことが成らず 十一月に入っても予定通りには参りませぬが ようやく福の神さまらしい容貌も現れてきたようで嬉しゅうござる まだかなり厚みがあって 何層も削り進めるとは思いまするが この面差しを保ちながら調和しつつ打って参るのでござる

呟】論語に曰く 之れを知る者は之れを好む者に如かず 之れを好む者は之れを楽しむ者に如かず ’之れ‘を狂言とすればわたくしは当に愉しむ者でござる 狂言を愉しむことに勝ち負けも善し悪しもござらぬが 愉しんでいることが何より 悦んでいることが何よりと 思うてやっているのでござる

呟】日曜は朝から狂言面『福の神』打ちの続きでござった 毎度持ち帰るモノの自宅ではなかなか進めることができずにおりまする 打つ場所や時間を予定として確保する必要がありましょう 次回お稽古までに一回 これは自身との約束でござる

呟】狂言面『福の神』五月二回目に参ってござる 先に来ていた大先輩は今年既に四面目の仕上げ彫の最中 粗彫できるところは自宅で彫り 師の作業場で手本を見て仕上げるそうでござる わたくしは縦型を合わせるための高さを整え 持ち易くする為裏面を粗繰り 思い通りやや早めに進んでござる

呟】今日から狂言面打ちも三年目 前回は彫りに時間が掛かり彩色がイコウ短うなってござる 賢徳、空吹に続く三面目は 狂言福の神に遣う狂言面『福の神』でござる 遣う檜材は小面と同じ最も小さいモノ 福の神の面は女面並に小さいようでござる 序盤は大胆に細部は慎重に彫り進みょうと存ずる

今年の狂言の目標

呟】狂言面打作品展まで一カ月を切ってようやく塗りに入ってござる 仕上げ彫りは自身でキリをつけねばなかなか終えぬものでござる 自作は五割増しで まず裏面下地塗り赤多め 確りと乾かせた上から カシューを薄めて塗布してござる しばし乾燥して次回は表の塗りでござる

呟】立春すぎて今年狂言の舞台に狂言面打ちに披露める活動にいっそう取り組む意欲が満ち満ちてござる 二月に入って三度目の狂言面空吹の仕上げ彫り 頬を削ぎ顎を細めればだんだん歳嵩が増してきてござる 後は額の皺を深くし 眼に光を増して参れば仕舞いに近づきまする

呟】狂言面空吹の仕上げ彫も佳境に入り 手本面と見比べながら 耳から頬、目玉から小鼻と 氣に入った容が出るまで打ちとうはござれども どこかで切りを付けねば いつまでも終わりませぬ 最後は顔全体を観た印象 舞台で自身が掛けて出たならば 確と狂言面になっているかを想うて留めてござる

呟】狂言面打ち 空吹の顔つきも徐々に手本に近づいてきたようにござる 口元と顎、頬を調えると 随分好くなってござる 目と鼻を調える前に全体にヤスリを掛けてから微調整 色を入れる前に裏を彫りまする 今月中に上げる予定でござる

呟】仕上の彫りでは手本の面をいろんな角度から見比べ 曲がり加減や深さ形、長さや厚さを測って調えまする 手本は師匠の写し面なれば持ち帰って打つこともできるのでござるが未だ借りて帰ったことはござらぬ 今後少しも早く仕上げるには自宅で打つ時間を融通する必要があると感じてござる

呟】狂言面空吹 昨日口元と顎、そして頬骨を調え こんにった休憩中に紙やすりを掛けてござる 彫り痕の凹凸をなくすと 随分すっきりした面差しになってまいった 四月二十一日からの作品展まで二ヶ月余り できるだけ精度を高めてまいろうと存ずる

本年は狂言面をも打ち励みょうと存じまする

呟】今月二回目の狂言面打ち 先月進められなかった分 今月は高頻度で伺いまする 額の形と皺成型が半分後半は耳の成型に集中してござる 左耳が七割👂の出来右耳は厚み角度など未だ三割未満でござる 部分毎に八割ほど進めては隣接部位へ移ってまいります 今月中には彫り終えたいと存じまする

呟】狂言面空吹を打って半年 容貌は整ってきてござるが 手本の面を視ては削り また視ては削る 額の皺を深くしては表面を整え 角張った額から丸みを帯びさせてまいりまする 耳周りの膨らみを削ぎ出したところで今日はお仕舞い 少しでも打つ回数を増やしてまいろうと思うてござる