檜書店

当店は1659年創業の「能狂言の本屋さん」です。 ここでは能楽に関する情報を載せています。 ■WEBマガジン「Noh+」 https://magazine.hinoki-shoten.co.jp/ ■ショップ https://hinoki-shoten.shop-pro.jp/

檜書店

当店は1659年創業の「能狂言の本屋さん」です。 ここでは能楽に関する情報を載せています。 ■WEBマガジン「Noh+」 https://magazine.hinoki-shoten.co.jp/ ■ショップ https://hinoki-shoten.shop-pro.jp/

    最近の記事

    アニメ映画『犬王』の中の演目「腕塚」の題材になった平家の武将、平忠度。 能「忠度」は世阿弥の自信作!

    平忠度は平清盛の末弟で、誉れ高い武士として、また優れた歌人としても有名な武将でした。  『平家物語』には、忠度が歌の師匠である藤原俊成(ふじわらのしゅんぜい)卿に自分の和歌を託したものの、平家が朝敵になったことから、俊成が編んだ『千載和歌集(せんざいわかしゅう)』に「読み人知らず」として載ることになった話(忠度都落)や、源氏の岡部忠澄(おかべただずみ)が忠度を討ち取りますが、箙(えびら・弓を収納する箱状の入れ物)に結び付けられた和歌から、自分が斬ったのは大将平忠度だと知り

    スキ
    19
      • 『鎌倉殿の13人』を振り返ってみよう!【源氏編】

        NHK大河ドラマでは、源平合戦を経て、源頼朝が亡くなり、ついにタイトルの物語が始まりますね。 能は『平家物語』を題材にしている演目が多いため、過去にもいくつかご紹介いたしました。 今回は、それらも含め、改めてご紹介していきます。 ここで少し『鎌倉殿の13人』を振り返ってみましょう! 七騎落(しちきおち)石橋山の合戦に敗れた頼朝一行は船で安房(あわ)・上総(かずさ)を目指して逃亡を計りますが、その人数は八人(源頼朝、土肥実平、土肥遠平、岡崎義実など)。 頼朝の祖父・為義、父

        スキ
        8
        • 世阿弥が書き残した「犬王」

          ミュージカル・アニメーション映画「犬王」はご覧になりましたか? 主役の犬王は観阿弥・世阿弥と同時期に活躍した実在の能役者です。 犬王は観阿弥や世阿弥が活動する大和(現在の奈良県)猿楽ではなく、近江(現在の滋賀県)猿楽の比叡座に所属していました。永徳二年(1381年)北野神社で犬王の能が行われた時、観客が拝殿の屋根にまで上がったという記録があるほど、その芸には人気がありました。 後に道阿弥(どうあみ)と名前を変え、応年20年(1413年)5月9日に亡くなったと言われていま

          スキ
          43
          • 夏といえば「素謡」! その魅力とは

            素謡とは 舞やお囃子が伴わない、謡だけの演奏形式です。  能楽師は舞台で斜めに並んで座って、紋付袴か裃(かみしも)を着て謡います。  通常、一曲まるまる謡う「番謡(ばんうたい)」を「素謡」と呼んでいますが、一部を謡う場合は「独吟(どくぎん)」「小謡(こうたい)」や「連吟(れんぎん)」があります。 また、能ではワキ方が謡うところも、素謡ではシテ方が謡います(ワキ方による素謡の場合は、シテ謡や地謡もワキ方で謡います)。 素謡の魅力 やはり謡だけを聴ける所です!  能の上演中は、

            スキ
            17

            復曲能「重衡」:いま、よみがえる平家の武将

            『平家物語』に登場する、平重衡(たいらのしげひら)のことをご存じでしょうか? 2022年6月9日(木)、15日(水)国立能楽堂にて、復曲能「重衡」が上演されます。 故 浅見真州追善公演 第16回 日経能楽鑑賞会 能「重衡」・狂言「無布施経」 「重衡(別名/笠卒都婆)」は15世紀に成立後、500年あまり上演されませんでしたが、昭和58年(1983年)12月、橋の会で復曲されました(シテ 浅見真州)。復曲とは、現在上演されていない曲(番外曲)を復活して上演することです。 今回

            スキ
            23

            能でみる、木曾義仲の最期とその忠臣たち:「巴」「兼平」「木曽」

            NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で宇治川の戦いのエピソードが放送されました。 木曾義仲の最期は教科書などで知っている方も多いかもしれませんね。 巴御前の格好よさや木曾義仲の生涯に心を打たれた方もいらっしゃると思います。 義仲や巴御前、また忠臣の今井兼平が登場する能の演目があります。 巴(ともえ) 上演回数が多い演目です。巴は女武者として有名ですね。 能では武士が登場する演目を「修羅能」といい、ほぼ男性が主役ですが、修羅能の中で唯一女性が主役の演目が「巴」です。 「巴

            スキ
            33

            古書の整理と虫干しをしてきました!in 北鎌倉

            先週日曜日、スタッフで北鎌倉の倉庫内にある書籍の整理をしてきました。 もともと檜書店は京都で創業し、現在は東京が本社です。 東京に統合する際に、京都の古書を北鎌倉で保管することになりました。 春うららかな日で山桜の花びらが散ってくる中、古書のチェックや虫干しをしました。 室町時代から昭和初期の謡本が多く保管されています。 今回、現行の袖珍本よりさらに小さい謡本を発見しました! 小さい木箱に入って、大切に保管されています。 こういったものが使われていたということは、謡は多

            スキ
            30

            観阿弥の掟「鶯(ウグイス)を飼っちゃダメ!」 

            春告鳥(はるつげどり)とも呼ばれるウグイスの「ホーホケキョ!」の鳴き声、今年はすでにお聞きになられましたか? この鳴き声で知られるウグイスですが、実は一年の大半は「ジャッ、ジャッ」と鳴きながら藪(やぶ)の中で過ごしているので、英語では「bush warbler」と呼ばれるようですよ。 狂言『察化(咲華)(さっか)』にも、「藪のうちを、あちらへはチョイ、こちらへはチョイ、と飛うで面白う鳴く鳥」というセリフが出てきます。 狂言和泉流の『佐渡狐(さどぎつね)』では、狐の鳴き声

            スキ
            16

            能ではいつも割れる殺生石。現実でも真っ二つに!

            先日、栃木県那須町にある、殺生石が真っ二つに割れたというニュースがありました! 縁起が悪いと考える方もいるかもしれませんが、能では殺生石が割れるシーンはお馴染みです。 能の演目に『殺生石』があります。玉藻の前という美しい女性に化けた、狐の妖怪がシテ(主人公)の物語です。 僧の玄翁(げんのう)が、那須野の原を通りかかると、飛んでいる鳥が大きな石の上にさしかかると死んでしまうのを目にします。僧が石に近づこうとすると女が現れ、その石は殺生石といって、昔、帝に寵愛された玉藻の前

            スキ
            20

            「御題小謡(ぎょだいこうたい)」について:80年以上続く新年を祝う小謡

            檜書店では80年以上「御題小謡」を発行しています。 檜書店の「御題小謡」とは、宮内庁から発表される歌会始のお題を小謡の詞章に入れて作詞したものに、観世宗家が節付(作曲)をした新年用の小謡です。 (※歌会始とは 歌会始 - 宮内庁 (kunaicho.go.jp) ) 例えば、1936年(昭和11年)に作られた御題小謡はこちらです。(なんと86年前!) 当時は「勅題」と記載されており、この年のお題は「海上雲遠」でした。 歴史学者・能楽研究者の野々村 戒三(ののむら かい

            スキ
            13

            お正月に演じられる能

            2021年もそろそろ終わり、2022年を迎えます。 年始のおめでたい時期によく上演される演目についてご紹介します! 翁(おきな)お正月などおめでたい時に「翁」は上演されます。 「能にして能にあらず」と言われており、他の演目とは一線を画しています。 「翁」を勤める能楽師は、一定期間、家族と食事を別にするなど、心身を清め穢れのない状態にしてから舞台に立ちます。 また、見所(客席)からは見えませんが、揚幕の奥には、翁面や烏帽子、御神酒などを供えた「翁飾り」と呼ばれる祭壇が設け

            スキ
            19

            秋のお能(2):秋の哀愁を感じられる演目

            前回は、情景として目に映る秋を感じられる演目をご紹介しました。 秋のお能(1):秋の情景を感じる演目 今回は、秋特有のもの悲しさと物語の哀愁を感じられる演目をご紹介します。 『松風』 旅の僧が須磨の浦(現在の神戸市)に訪れると、一本の松を見つけます。 そこは松風・村雨という海女の姉妹にゆかりある場所だと知ります。 日が暮れると汐汲車を引く二人の海女が僧の前に現れます。 僧がその松について話すと、二人は涙を流し「自分たちが松風と村雨の亡霊」だと語ります。 昔、在原行平がこ

            スキ
            11

            秋のお能(1):秋の情景を感じる演目

            能の演目で描かれる季節は、圧倒的に春と秋が多いのをご存知ですか? 今回は秋の情景を感じさせる演目をご紹介します! 作り物(舞台装置)や身に着けるものなどに、視覚で秋を感じられるような演目です。 『紅葉狩』狩りにきた平維茂(たいらのこれもち)が、紅葉狩の酒宴をしている高貴な女性とその侍女たちに出会います。 維茂はこの宴に加わり酔い潰れてしまいます。そして夢の中で、武内の神から太刀を受け取ります。 実はこの高貴な女は鬼だったのです。目を覚ました維茂は襲いかかってきた鬼に立ち向か

            スキ
            18

            上演数の多い演目とその小書をご紹介:公演情報あり

            今回は、よく上演される演目とその小書についてご紹介します。 また、ご紹介する小書がついた公演情報も載せていますので、ぜひ足を運んでみてくださいね。 【杜若(かきつばた)】●恋之舞(こいのまい)観世流の小書です。 杜若の精であるシテが、水面に映る自分の姿を見て「昔男(むかしおとこ)=(在原業平)」を懐かしむ所作が追加されます。 そしてお囃子も通常とは違った演奏になります。 杜若の精が初冠(ういかむり)に梅の花と、日蔭の糸と呼ばれる紐をつけるのも特徴です。序ノ舞を短くする「

            スキ
            15

            能の小書(こがき):能の特殊演出について

            能の小書とは特殊演出の名称です。番組の演目名のところに小さな文字で添え書きされることから「小書」と呼ばれています。 (国立能楽堂8月公演 詳細はこちら) 流派ごとに小書の違いがあり、すべての流派の小書を合わせると750種ほどあります! 扮装や作り物(舞台装置)、人物の詞章(セリフ)やお囃子の変更など様々な演出があります。 今回は、舞台を見ていて比較的わかりやすい小書をご紹介しますね! 【扮装に関する小書】装束や能面、鬘(かづら)など、扮装が変わる小書の紹介です。 ◆

            スキ
            26

            今どきの鑑賞方法(3):字幕サービスを活用した能の鑑賞

            檜書店は数年前から能楽公演の字幕制作に取り組んでいます。 多言語字幕システム「能サポ」についてはこちら 公演の進行に合わせて手元のタブレットやスマートフォンに字幕が表示される、というもので、詞章(セリフ)、解説、多言語、と最大5チャンネルの表示が可能、公演中もチャンネルの切り替えは画面をスライドするだけです。 また、開演前や休憩中は演目のあらすじ・見どころをスクロールして見ることもできます。 (「能サポ」の紹介動画) 初心者だけでなく、障がいをお持ちの方、外国の方に

            スキ
            12