見出し画像

同じストーリーでも流派で「読み方・表記・演目名」が違う曲をご紹介!

能の演目は同じ内容でも、シテ方五流によって「読み方」や「表記」が違う演目があります。
今回はよく上演される演目をピックアップしてみました。

1、同じ漢字で読み方が違う演目

どの流派も漢字表記はおなじですが、読み方が違う場合があります。
「半蔀」と「卒都婆小町」をあげてみました。
ちなみに「卒都婆小町」の「卒都婆」は「塔」ではなく「都」です。

(左)金剛流謡本特製一番本 (右)観世流大成版謡本特製一番本

「半蔀」
『源氏物語』「夕顔」の巻に描かれる光源氏と夕顔の上の恋物語に取材した能。(あらすじ・見どころはこちら

「卒都婆小町」
平安時代前期の歌人・小野小町を描いた曲で、「美しさ」と「老い」や愛憎など人生の栄枯の様々な要素が小町の中に凝縮されて描かれている。(あらすじ・見どころはこちら

2、同じ読み方で漢字が違う演目

読み方は同じでも、漢字の表記が違う演目はたくさんあります。
「そうしあらいこまち」については、「そうしあらい(草紙洗)」だけで小町を表記しない流派もあります!

また、「やしま」は実際にある土地の名前で「屋島」と表記しますが、能では「八島」が多数派なのも不思議ですね。

「屋島/八島」
源平合戦の「屋島合戦」を題材にした義経がシテの能。
屋島合戦での戦いの様子や修羅道でなおも戦っている様子を語ります。
(あらすじ・見どころはこちら

3、同じストーリーで演目名が違う

同じストーリーでも演目名が違うこともあります。
観世流と喜多流は異なる事が多いですね。

公演の番組をご覧になるとき、流派によって演目の読みかたや漢字が違う場合があるということを思い出してみてくださいね!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?