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Bicerinが教えるイタリアの歴史と食文化

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Bicerin広報担当者が皆さんにご紹介するイタリア食文化。 郷土料理やイタリア人の日常に根付いたあるあるまで、色々ご紹介して行きます。
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2022年6月の記事一覧

Bicerinを愛した偉人 作家 イタロ・カルヴィーノ

Bicerinを愛した偉人 作家 イタロ・カルヴィーノ

イタリアを代表する小説家、児童文学作家であるイタロ・カルヴィーノ。
キューバ生まれの彼は2歳の時にイタリアに移住。20歳からトリノ大学農学部に通っていたため、Bicerin本店にもよく訪れていたそうです。

1945年に小説家としてデビューした彼は、『まっぷたつの子爵』『木のぼり男爵』『不在の騎士』『柔らかい月』などのファンタジー小説を次々と発表。
その後1954-56年にかけては、「グリム童話集

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〜モンターニャ〜 ジェラートには熱々のチョコレートソースを!

〜モンターニャ〜 ジェラートには熱々のチョコレートソースを!

以前紹介したアフォガート。
その兄弟分としてBicerinで根強い人気を誇るドルチェ【モンターニャ】をご紹介します。

アフォガートがバニラジェラートに熱々のエスプレッソをかけるのに対し、モンターニャにかけるのは熱々のビチェリンソース!
Bicerin秘伝の濃厚なカカオとバニラのハーモニーをお楽しみ下さい。

アフォガート同様、Bicerin ROPPONGI HILLSとBicerin HAKA

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Bicerinを愛した偉人 マリオ・メルツ

Bicerinを愛した偉人 マリオ・メルツ

1960年台のイタリアで「アルテ・ポーヴェラ=Arte Povera(貧しい芸術)」という名で呼ばれた芸術運動がありました。その運動の先駆者でもあり、世界的な彫刻家だったマリオ・メルツ。
トリノを本拠に活動していた彼ですが、数々の表彰歴があり2003年には高松宮殿下記念世界文化賞も受賞した、イタリア現代アートの巨匠です。

そんな彼もBicerin本店の常連客の一人でした。
彼のお気に入りの席は

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ラビオリのバリエーション 〜イタリア国内編〜

ラビオリのバリエーション 〜イタリア国内編〜

ラビオリ。
平く伸ばした生地の中に詰め物をした、餃子のようなパスタのことです。

さて、このラビオリですがイタリア各地でさまざまな形のものがあり、それぞれ呼び方が違ったりしますので、本日はそんな話題です。

ラビオリ(ラビオローニ)

通常、ラビオリは四角や丸型の型で抜いて作られ、一口代のサイズで平く作られたものを言います。
また、これらのラビオリの大きさに対して少し大きめのサイズのものもよく食べ

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Bicerinの料理教室 〜ズッパイングレーゼ〜

Bicerinの料理教室 〜ズッパイングレーゼ〜

以前ご紹介したペレグリーノ・アルトゥージのレシピ本『La scienza in cucina e l'arte di mangiar bene』に載っているドルチェで、フィレンツェの豪商メディチ家のパーティで振る舞われたとてもクラシックなお菓子です。

このお菓子を作るのに欠かせないのがアルケルメス!
詳しくはこちらの記事でもご紹介致しましたが、古くから修道院で作られるこの真紅のリキュールが欠かせ

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芸術家に捧げるカクテル 〜ティントレット〜

芸術家に捧げるカクテル 〜ティントレット〜

ティツィアーノ同様、ベリーニ3兄弟の従兄弟分のティントレット。こちらもベネチア派の巨匠の名を冠するカクテルです。

【ティントレット】Tintoretto
スプマンテ+ザクロジュースというとてもシンプルなレシピのことカクテル。
気軽に作るなら市販の瓶のジュースでももちろん美味しく作れますが、一手間かけるならフレッシュのザクロを絞るのもオツな味わいです!

先日ご紹介したルネサンス期のヴェネチア派の

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トリノの観光 自動車工場見学 Maserati

トリノの観光 自動車工場見学 Maserati

1914年にボローニャでマセラティ兄弟が創業し、市販車のレーシングチューンから始まったマセラティ。
1926年にはオリジナルレーシングカー「ティーポ26」がデビュー戦優勝という華々しいスタートを飾りました。第二次大家後はコンシューマー向けのスポーツカーメーカーとして、現在でも高級イタリア車として人々の憧れとなっています。

そんなマセラッティですが2013年よりトリノ市内に生産工場を増設。
マセラ

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トリノの観光 教会編 〜サン・ロレンツォ教会〜

トリノの観光 教会編 〜サン・ロレンツォ教会〜

トリノの教会でもとても人気のあるこちらのサン・ロレンツォ教会。
サヴォイ王宮と目と鼻の先にあることから、世界中の観光客が訪れています。

実在したキリスト教の聖人を祀っており、258年8月10日にローマで殉教したと伝えられています。
本屋、図書館員、ガラス職人ステンドグラス職人、消防士などの守護聖人であるほか、料理人やお菓子職人の守護聖人でもあることからBicerin にもとてもつながりが深い聖人

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6月10日 【時の記念日】

6月10日 【時の記念日】

本日6月10日は日本で初めて時計による時の知らせが行われたことを記念して制定された【時の記念日】として国に制定されています。ただし記念日ではあるものの祝日にはなっていないので、あまり知られていなかったりします。

その歴史は西暦671年6月10日に天智天皇が「漏刻」と呼ばれる水時計を使い、日本で初めて時を刻んだとされていることが由来となっています。
これは日本書紀にも記載があり、詳しい図解もされて

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トリノの観光 教会編 トリノのドゥオーモ 〜サン・ジョバンニ・バティスタ大聖堂〜

トリノの観光 教会編 トリノのドゥオーモ 〜サン・ジョバンニ・バティスタ大聖堂〜

【ドゥオモ】Duomo
大聖堂を意味するイタリア語です。
カトリックの国イタリアではほとんどの都市にそれぞれのドゥオモがあり、それぞれの聖人が祀られ、人々の心の拠り所になっています。
もちろんトリノにもドゥオモはあります。15世紀末に建てられ、キリストの聖骸布(キリストの亡骸を包んでいた布)が保管されています。通常はレプリカが公開されており、実物は見ることができません。実物の公開時期はローマ教皇に

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バニラとエスプレッソのハーモニー 〜アフォガート〜

バニラとエスプレッソのハーモニー 〜アフォガート〜

【アフォガート】
カフェやイタリアンレストランなどで定番のドルチェなので、皆さんも聞いたこともあると思います。
難しいものではなく、バニラアイスに淹れたてのエスプレッソをドバッと掛けて頂く、あれのことです。

アフォガートとはイタリア語で「affogato=と溺れた」という意味!
アフォガードではなくアフォガートが正しいスペルです。

Bicerinでも定番のドルチェとして各店舗でご提供しておりま

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ビチェリンを愛した偉人 カルロ・プロミス

ビチェリンを愛した偉人 カルロ・プロミス

カルロ・プロミスは1800年台後半に活躍したイタリアを代表する建築家であり、イタリア各地のさまざまな歴史的建造物を設計しました。
そんな彼はトリノ出身でBicerin本店にも足繁く通いました!

そして現在のBicerinは1856年に今の建物に建て替えられたのですが、カルロ・プロミスによって設計されました。

扉を開けた途端、まず目を惹くのが当時のままの白い大理石のテーブル。壁には鏡とランプで装

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芸術家に捧げるカクテル 〜ティツィアーノ〜

芸術家に捧げるカクテル 〜ティツィアーノ〜

スプマンテカクテル3兄弟の仲間ではありますが、メジャー度合いから行くとこちらのカクテルはさしずめ従兄弟といったところでしょうか。

【ティツィアーノ】Tiziano
スプマンテを赤葡萄ジュースで割ったバージョン。
ベッリーニと同様、ヴェネツィア派の巨匠の名前がついています。
日本では巨峰のジュースなどで作ると、とてもノーブルな味わいの大人の食前酒となります。

盛期ルネサンスのベネチア派で最も重要

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