君と作る、朝ごはん

「…何?お前朝ごはん作れんの?」 「つく、れる……!」 そう意気込んでみたはいいが、キッチンに立ってかれこれ30分。 彼が起きてきたのは1分程前。 とりあえず、ゆで卵でも。と、冷蔵庫から卵を取り出してみたはいいものの、茹で時間が分からずに頭を抱えてしまった。 え?3分?10分?……それと…

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2ページ漫画「通り魔(女)」

和菓子の恩 6.16

「ねえ、今日いったん家に戻ってからこれ持ってきたの」高校生の今治美羽は制服姿のまま。バックから店の名前が入った紙に包まれた箱を出す。「うん、何、饅頭か?」見当もつかず適当に答えたのは、学校は違うが、同じ年の尾道拓海。彼も制服姿だ。幼馴染で、今は付き合っているふたり。今日は学校が終…

これでも女なのですが……

「なあ、絶対この人男やんな?」 「……。たぶん男やな」  私は真後ろの男女のカップルは小さい声で会話をしているつもりなのだろうが、私には聞こえているのである。今はソーシャルディスタンスなので人と人とが離れているのは常識となっているが、このころはそんなことお構いなしの時代。  私は…

つま先で歩く月の影道

高度のさしてないあの月が ピンクに映える画面を覗き込んで笑うみたいな ナイターの光らない夜のスタンドの赤色 塗り直されたばかりのベンチの赤色 澄み切っては広がり続ける藍色の空が 私たちを冷えさせてはまた高く 円弧を描く月の道 五月が来て思う憂いある旅路に 抱き寄せて鼓動の願う儚さ…

知らない日々

今日も疲れた。 外にはほとんど出てないけど 一日中文字を打っていた。 連載中のショートショートをひとつ。 毎日新聞の4ページ目。 毎週水曜日。 新しいレシピサイトのオープニングイベントに リモートで出演した。 思い出の料理について聞かれた。 そんなものないので 適当にごまかした。 am2:00…

大☆成☆功!

今日は、色々あり投稿はやめておきます。 よって本日の投稿は、お休みとさせていただきます。 勝手を言って、申し訳ないです。 ……と見せかけて。 「テッテレー!」 (おふざけが過ぎてしまい…

自分が書いた短編を自分で朗読する「宇宙人による地球人の観察記録」

金縛り

「最近、なんかおかしいんだよね……」  近藤結衣が女子グループの中で話しているのが聞こえてきた。登校したときからずっと彼女の動向を探っていた祐介は、耳を澄ませる。 「夜寝てるとね、急にぱっと目が覚めるの。今まで夜中に起きちゃうことなんてなかったのに。で、びっくりするんだけど、そう…

ダッシュ

 小学生のころ、俺の家はものすごく貧乏だった。父親がある日突然帰ってこなくなったからだ。母親に父さんはどうしたんだとたずねると、「あんなもん、もうあんたの親父でもなんでもない!」と怒鳴られた。俺のあずかり知らないところでいつの間にか話し合い、離婚していたのだ。  父親がいたころも…