ハナ

ハナは少し変わっている

生後ハイハイをすることより早く歩行を覚えた。

ハナは少し変わっている

小学生の頃ちょっかいをかけてきた男子に前日テレビで見た護身術をみようみまねで使い病院送りにしてやった。

ハナは少し変わっている

友達と遊ぶことより本を読んだり、1人で空想にふけることを好んだ。

ハナは少し変わっている

人から陰口を言われてもちっとも寂しくなかった。

ハナは少し変わっている

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天の川デルタ

「父さん見て! 星が綺麗だよ」
『ほんとだな! 天の川も見えるぞ』
「すごーい。あそこで彦星と織姫が会うんだよね?」
『一年にいちど、七夕の夜にな』
「ろ、ろ、ろまんちっくだね」
『タカシ、そんな言葉知ってるのか』
「国語で習ったんだよ」
『そうかそうか、ちゃんと勉強してえらいぞ』

「あ、あれは何?」
 息子が指差したのは端の方、天の川が枝分かれした場所だった。
『あれはな、天の川のデルタだよ』

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ありがとう!!お茶どうぞ 🍵
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鞄 【短編note】

体からはみ出た、二回り大きな鞄。

最近、彼女の「宝物」が一つ増えた。家の彼女の宝物スペースには、自分と同じくらいの背丈ほどある、黄色い熊のぬいぐるみと、茶色の皮でできた真新しい皮の鞄が、壁にそっと寄りかかるような配慮を保って、丁寧に立てかけられて置いてある。

真新しい皮の鞄。

先の事

真新しい鞄には何が入っているのか、今日も、明日も、似たようなものを入れて帰ってくるのか、新しい出会いや、最

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嬉しいです。
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「第十一夜」『夢十夜』より

「第十一夜」

 こんな夢を見た。

 ばちん。耳元でプラスチックが割れる音がすると共に、耳たぶに痺れるような痛みが広がっていく。続いてそのままかちゃかちゃと何かを弄られる。僕の隣には女の子がいる。僕と同じくらいの年の。この子が僕の耳にピアスをあけたらしい。続けてまだ弄られているのは、ピアッサーから耳に通ったファーストピアスをはずすためのようだ。

「ピアス、あいたよ」

 僕の耳元から手が離れ、

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最終決戦!

勇者ヨシオはとうとう魔王の城の前までたどり着いた。ヨシオは台風で雨風が叩きつける中、最後の町を出発し、そして魔王の城の前にある小島でしばしの休息をとることにした。ヨシオはテントを張って中に入ると最終決戦に備えた心の準備をはじめた。テントの中でヨシオは目を閉じてこれまでの苦難を振り返る。この長い旅路でいろんなことがあった。死にかけた事は何度もある。怪しいぱふぱふ娘に誘惑され魔物にされかけたことだって

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愛…いただきました
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日常

人と会うことが生活の救いだった

大好きな喫茶店でクリームソーダをつつきながら向かい合って話す時間がどれだけ自分にとって必要な時間だったか

休日の特別感が薄れてしまって、日々の延長が続いている

お金を使わなくなったからって一人で買って帰るスタバだって君と飲まなきゃ、ただのフラペチーノなんだよ

人と会うことをためらってしまうこと、本当に悲しい

行きたかった場所も、見たかった景色も本当は今すぐ

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憎しみのイコン

「ベランダで踊ってたら、隣の人に見られた…」

何でベランダで踊ってんの?とは敢えて聞かなかった。夜中の二時、寝付けずキッチンに行くと兄が汗みどろに息を弾ませていたのだ。

「何か言われた?」
「多分」
「何て」

兄は首を振る。苦情だろうか?踊った時の音が煩いとか?俺は煙草を吸いにベランダに出る。敵意があるなら俺の喫煙にも難癖を付けるだろう。その時謝ればいい。ハイライトを燻らせ大袈裟に咳をし

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「さあ、永遠の道行きを」#stayhome一人芝居

#stayhome一人芝居 vol.29
「さあ、永遠の道行きを」(上演時間 約15分)

出演・演出 福来
脚本    今井夢子

「お前さんたち、わっちらはね、必死に生きて、必死に死んだんですよ。真実ただ、恋のもとに、生きて死んだのです。お前たちはどうせそこで、それをただ、握り飯を喰ったり、酒を呑んだり、大声で笑い散らかしたりしながら、羨ましく見ているだけだろう。安全な場所から、他人面で。目に

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君の人形 ep.2

あれから、六年、七年、と経って私と高野君の関係は名前のつかないものになった。付き合おう、といって数回デートを試したものの、どれも退屈で、お互いに一緒にいることは楽しいものではない、ということがわかってしまった。でも、それが別れた原因ではなかった。デートらしきものはしなかったけど、私と高野君はよく、「人形ごっこ」を楽しんだし、それはある意味で恋人がするもののようにみえた。
 別れた方がいい、という結

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ありがとうございます…!

バック・トゥ・ザ・バック小説『とあるバックパッカーのノーパンパプリカニューギニアの冒険。』

(1)

私はバックパッカーである。とあるバックパッカーである。名前はまだ皆無。言い訳なんて必要ない。単純に言うと、最高に気持ちいい日常ニルヴァーナを求めて旅する聖地巡礼の日常ニルヴァーナ・アルピニストなのだ。今日は、そのワンシーンを読者諸兄に真空パックのラリパッパに箱詰めしてお届けする純度の高い私小説だ。なお、この物語は、フィクションである。

(2)

「ガサゴソ、ガサゴソ。」

マハラジャ砂

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