【短編小説】私は君の声を抱いて眠る。
風香は、キッチンで沸かしたお湯を、ゆっくりと時間をかけて飲む。
体はポカポカと温かくなってくるが、相変わらず眠気は来ない。
もう半年くらい、風香は夜中になぜか目が覚めてしまい、それから数時間寝られない日々を過ごしている。絶対的に睡眠量は足りないが、それでも翌朝は起きて、仕事に行かなくてはならない。
自宅ではノンカフェインの飲料を飲むようにしたり、寝る前にホットミルクを飲んだりと、試行錯誤はしているものの、睡眠障害は解消されていない。
本当は運動した方がいいのかもしれないけ