助手

博士は、とにかく真面目で有名だった。ただ優秀なだけでなく、己の利益を度外視して社会のためにひたむきに研究を続けられる人だった。

 今日も博士は研究に没頭している。最近開始した、ワクチン開発のための研究だ。世界的に大流行し多くの死者を出している、あるウィルス感染症をなんとか食い止めようと、寝る間を惜しんで実験を続けていた。

 そこへ、医大生を名乗る男から「私を助手として使ってくれませんか」という

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ありがとうございます!もっと短い話もあるので、ぜひ!
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永久に本が読み終わらない

IT専門学生のふじさわです。

私ももう大人だし、あと1年足らずで社会人になるので、最近は特によく本を読むようにしています。

が、問題なのは本を読む時間が確保できないこと。

厳密に言えばゼロではありませんが、私の中の読書の優先順位を踏まえるとなかなか読むタイミングがこないんですよね…

通学中の電車内は立ってつり革を掴んでいるので読めず、帰宅後はプログラミングをしていて気がついたら1日が終わっ

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ありがとうございます!いっぱい嬉しい~!
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仕事の関係・2

仕事で付き合いのある女性と6月に会った時にこんな話になった。

「来月あたり、うまい日本酒でも飲みに行こうか」
「いいですね。ぜひぜひ」

これを社交辞令と受け取る人もいるだろうが僕は常にチャレンジャー。たとえ社交辞令だとしても、とりあえずこちらの意志はぶつけてみる。ダメならダメでハッキリしてくれた方がいい。

7月に入り、僕は彼女にLINEを送った。

「さて7月です。日本酒の美味しそうなお店、

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ありがとうございます!ぜひフォローを!
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私の鞄の中には、いつも折りたたみ傘が入っている。

最近の天気の変化の激しさは、傘を持って出かける習慣を私につけさせた。

今日もまた、炎天下の中、汗を拭きつつ仕事場に向かう。

もう、ワイシャツは、汗で濡れている。アスファルトの道路を歩くのは、熱中症対策が必要だ。などと思っていたところ、雲行きが怪しい。そのうち、ゴロゴロ雷鳴が聞こえだし、ポツポツ雨粒が顔に当たる。

そのうち、ポツポツが、どんど

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つたない文章ですが読んで頂きありがとうございます。
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何でも比べてしまう日の話

やっぱりどうしても、誰かと自分を比べてしまうときはある。

 あの人の方が上手い、あの人よりは上手い。

 あの人よりは仕事できる、あの人には勝てない。

 そういうことが続いてしまう日はある。そんな日が何よりも嫌いだ。

 アタシはアタシなの、アタシのペースがあって、アタシのやり方があるの。なんて思えない。

 だってあの人の方がよく見えるから。だってあの人の方が出来るように見えるから。

 あ

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ありがとうございます、あなたの話も聞かせてください。

〇〇〇だもの episode7

「美人?ですか?えー?ありがとうございます。なんか照れちゃいますね。全然、言われた事無いですよ。声を掛けられる事?それもほとんど無いですね。こうやってバーで一人で飲む事も多いんですが、話し相手になってくれるのは今みたいにバーテンさんばっかり。一度くらい「あちらのお客様から」みたいなのも経験してみたかったんですけどね。「お隣よろしいですか?」って声掛けてもらうとか。でも、そんなの物語の中だけのお話だ

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【ショートショート】自分だけの誕生日

豊潤に香るコーヒーを片手に、普段は高くて頼めないモンブランを口にそっと運ぶ。ぼくは今日25歳の誕生日を迎えた。お洒落な店内では、Billy Joelの『Honesty』が流れている。そうだ、ぼくは人生を誠実に生きてきた。だから、今日という日を迎えることができたのだ。

「なぜ自分が生まれた日がやってくると、人は1つ歳をとるんだろう」

 そう疑問に思ったのは、ぼくが10歳の誕生日を迎えたときだった

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スキありがとうございます!
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たべること

あまり摂食行動に興味が湧かない。

腹は減るし、食欲もあるのだが、ただ摂食行動に興味がない。

摂食行動に興味がわかない話をしても、理解されることが少ないので「食べるのがめんどう」「美味しくない」などと言って誤魔化している。

だが、実際のところ、何かを食べるという行為に興味がないのだ。

ぼくにとっては、ラーメンを食べるのも、おにぎりを食べるのも一緒だし、美味しいも美味しくないもない。

強いて

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ありがとう!!
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転校生のスミくんはいつもたんてきに話す。

「僕のことを端的に申し上げますと、つまり、たん的に話す人です。」

クラスのみんながキョトンとした目で見ている。

担任の先生が困ったような表情を一瞬して、微笑みながら、その場の空気を明るくさせようと口を開いた。

「スミくんはきっと、とっても頭の良い子なのね、好きな教科はなにかしら?」

「国語です。たんてきに申し上げますと、この本は面白いだとか、つまらないだとか、読んだ人によって、感想が異なり

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