マガジンのカバー画像

人と組織をつくる哲学 ―マネジメントと教育の「共通解」―

926
マネジメント=管理とは「兵站(生産・物流・調達部門)を通じて限りある資源(ヒト・モノ・カネ・トキ)を把握・分配し、適時適切に適所で活かす」ことである。古来より兵站を軽んじ、人材や…
運営しているクリエイター

#コラム

子どもに怒るのと叱るのは違うと考えるのは危険

子どもに怒るのと叱るのは違うと考えるのは危険

少し前に話題になっていてネットで目にしました。子どもが何か問題行動をした時に

怒るは感情が入っているからダメで叱るはしつけだけだから良い

みたいな話でした。色々な議論がなされていましたが、私はこういう考えはとても危険だと感じています。なぜなら一番大切なことが抜け落ちているからです。それは、

子どもから見たらどっちも一緒

っと言うことです。怒られようが叱られようが子どもからしたら一緒ですよ。

もっとみる
人員配置替えのデザイン

人員配置替えのデザイン

 いわゆる新年度が始まってひと月が経ちましたね。この春に転居されたという方もいらっしゃることでしょう。一年で最も引っ越しが多い時期が過ぎました。
 入学や初就職を機に、という事例が真っ先に思い浮かびますが、それ以外にありがちな「季節的」の事例は、被雇用先での『異動』でしょうか。それをテーマにして記事を書き始めると膨大な内容となってしまいますので、今回は出来るだけ簡潔に表面の要件のみを、と思っていま

もっとみる
仕事への尊敬と成果を出すことへの期待で繋がっているチーム、侍ジャパンが羨ましい

仕事への尊敬と成果を出すことへの期待で繋がっているチーム、侍ジャパンが羨ましい

私は永久管理職が牛耳っている組織にいるから、侍ジャパンを見て「若い」なのに「大人」で、羨ましいと思った。
打率が2割程度の村上選手に対し、私が見る限り「そのポディション、自分に譲れ」という選手はなく、チームメイトが打ってくれという期待と懇願の思いで見守っているように感じた。
侍ジャパンの四番、五番を「我こそは」と思う選手がいて、ここでレギュラーの座を奪おうと足を引っ張る選手がいても当然と思うにもか

もっとみる
たった一社だが存在した。ハラスメントのない風通しが良い職場

たった一社だが存在した。ハラスメントのない風通しが良い職場

大学院生のとき、試験結果が出るまでの3週間だけ働きたくて、大手百貨店のお中元カウンターでのバイトを申し込んだ。人員募集を締め切ってはいたが、面接をしてくださることになった。当日、私は店長さんを見たときに、決まったと感じた。
「今は人が決まっていて募集してませんが、少し考えてハガキで返事をします。」
と言われ、2日後、採用通知がとどいた。
……………
全員が20才以上年上のおばちゃん達で初日から兎に

もっとみる
人の時間を奪うな、に感じる息苦しさ

人の時間を奪うな、に感じる息苦しさ

昨今、他人の時間を奪うな、という主張をよく耳にします。

・無駄に電話をしてくる
・結論から話さない
・人に聞く前に自分で調べない
・時間を守らない
・1人で行動できない

実はこれらはすべて「他人の時間を奪う行為」なんだそう。

最近だと、人に質問をするときは「私いまこんな状況なんですけどどうすればいいですか?」などと前提条件を揃えてからするべき(単発の質問では会話のラリーが延々続いてしまう)だ

もっとみる
リーダーに必要な好奇心と解像度

リーダーに必要な好奇心と解像度

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。

「よいリーダーとはなにか?」というのは、昔から議論がたえないテーマです。わたしも今現在においても常に自問自答しているテーマであり、他のリーダーから学びたいと思っています。

リーダーシップとはなにかと問われたときに、いつも思い出すフレーズがあります。前職のCEOが1on1のときに説明してくれたものです。

Leadership is inspiring

もっとみる

戦略と作戦の違いを説明できますか?

本来は純粋な軍事用語だったはずだが、ビジネスの世界で用いられるようになったので、日常的な用語として「戦略」「作戦」「戦術」という言葉を聞くことがある。

この中で、最もよく用いられるのが「戦略」かもしれない。しかし、同時によく言われるのが、一般的な職場で「戦略」と言われているものの多くは、戦略ではないということだ。これらの言葉の違いについて少し考えてみたい。


 
「戦略」の辞書を引いてみる

もっとみる
仕事に人をつけるか、人に仕事をつけるか

仕事に人をつけるか、人に仕事をつけるか

仕事に人をつけるか、人に仕事をつけるか。

どちらがいいんだろう。

分業化された大きい組織で働くようになってから、考えるようになった。

明確に定義された仕事があってそこに人をつける。米国的なジョブ型の雇用体系の会社では、ジョブディスクリプションが明確になっていて、ジョブ(仕事)に人をつける、という考え方が主流だ。

まず、最初に仕事があって、そこに人をつける。そのためには、仕事内容が標準化され

もっとみる
時間軸

時間軸

人と話したり、仕事をする時に気を付けていることがあります。
それは
『時間軸が違う』
ということです。

マウスの使い方なんて……ぼくは良く忘れてしまうのですが……経験は人によって違うものです。

昔、システムエンジニアの時に先輩に対して行った失敗を今でもよく思い出します。

それはぼくが担当したシステムの『使い方』を先輩に説明した時の事です。
当時そのシステムは完成していてエンドユーザーへの引き

もっとみる
家事ができない人は仕事もできない。

家事ができない人は仕事もできない。

ぼくは「家事」ができない人は仕事もできないと考えています。
もっと具体的に言いますと、家事を行って人に引き継ぐことができない人は仕事も引き継ぐことができないと考えています。

▼誰かの代わりに家事をして・・・「家事」そのものができないからと言って「仕事」がまるきりできないかと言われればそうではないと感じています。

「家事」が苦手でも「仕事」はバリバリできる人というのはたくさんいらっしゃいます。

もっとみる
怠け者を許容するアリの生態

怠け者を許容するアリの生態

道家思想の書『荘子』に〝無用の用〟という言葉があります。一見すると役に立たないように見えても、役に立たずという役に立つという、逆説のロジックなんですが。アリにも、日頃は働いていないように見える怠け者にも、ちゃんと理由があったという記事が、東洋経済オンラインにアップされていました。組織論や社会論の観点からも、非常に重要な指摘ですね。平成不況で、アレも無駄コレも無駄と潰しまくった結果、余裕がなくなった

もっとみる
大き過ぎもしない、小さ過ぎもしない。期待値の適切なサイズ。

大き過ぎもしない、小さ過ぎもしない。期待値の適切なサイズ。

期待値の適切な大きさは意外と難しいんだな、と思います。
大き過ぎても小さ過ぎても問題に発展してしまうケースがあります。今回は期待値の適切なサイズについてつらつら考えてみました。

勝手に期待して勝手に傷ついた過去恥ずかしい話ですが、僕は勝手に期待して勝手に傷ついていた過去があります。当時を考えると本当に未熟でした。。
おそらく相手に過度な期待をしてしまう傾向があったんだと思います。

仕事の依頼を

もっとみる
第272号『この世は儀式で出来ている』

第272号『この世は儀式で出来ている』

これは別に宗教的な意味ではありません。

この場合の『儀式』は仕事上での儀式を指しています。

順にいきますね。

先日こんなことがありました。

*****

弊社内の新人スタッフの中に目まぐるしい成果を上げている人間がいて、それは周りもみんな実力を認めていて久しぶりに「アイツはいいね、これから間違いなくエースになるね」なんて言われるほどの実力者でした。

あまりにも能力が高くそして同年代の他の

もっとみる

男性オーナーの小さな店で、女性スタッフとふたりきりで仕事せざるを得ない場合に気をつけるべきこと

うちの店は今、週に1、2日ほど出勤できる女性の学生アルバイトをひとり雇用しています。

私がもう少しすると産休に入ることもあり彼女のことは頼りにしているのですが、一方で、オーナーである旦那とふたりきりで仕事をする時間ができることに、いくつか懸念事項も出てきました。

それを考えるけっかけとなったのは、先日おこったある出来事です。

「体調不良」の中身は言うのが義務?
実は彼女、ある病気で治療中で、

もっとみる