男性オーナーの小さな店で、女性スタッフとふたりきりで仕事せざるを得ない場合に気をつけるべきこと

うちの店は今、週に1、2日ほど出勤できる女性の学生アルバイトをひとり雇用しています。

私がもう少しすると産休に入ることもあり彼女のことは頼りにしているのですが、一方で、オーナーである旦那とふたりきりで仕事をする時間ができることに、いくつか懸念事項も出てきました。

それを考えるけっかけとなったのは、先日おこったある出来事です。



「体調不良」の中身は言うのが義務?


実は彼女、ある病気で治療中で、ときどきそれが悪化して学校にすらいけなくなることがあるとは前々から聞いていました。

で、それがつい数日前に現実のものとなり、私の携帯に電話がかかってきたんです。「例のアレで病院に来てるんで、休ませてください」と。


私はもちろんOKしたんですが、電話を切ったあと、これ、伝える相手が私じゃなく旦那だったら辛かっただろうなぁと思ったんです。

っていうのも、その病気がおよそ男性にはいいづらい類のものだったから。少なくとも私がその病気にかかったら、異性にはあまり言いたくありません。


ちなみに最近、女性の生理について男性に理解を求める声がちらほらと聞こえてきますよね。

私も同じように、女性特有のあの苦難について少しでも男性に知ってもらえればいいなとは思います。

とはいえ赤の他人の異性に、自分がいま生理中であることや、口にするのも恥ずかしい部位に疾患を抱えていることなどを言うのはどうしてもはばかられるものです。


しかし思い返してみれば、私がかつて飲食店などでアルバイトをしていたとき、体調不良で休むといえば当たり前のようにその理由を聞かれたように思います。

私はわりと生理痛でも、お腹がいたいとか風邪気味だとか適当なことを言うタイプでしたが、正直に言わないといけないと思っている人にとっては苦痛でしかないはずです。

もうこういう習慣は変えないといけないなぁと思いました。



たとえば風邪でも腹痛でもなんでも、スタッフから「休みたい」と申し出があれば無理して出勤させるようなオーナーさんって今どきいないと思います。

もしかして仮病?と思うこともあるかもしれませんが、本人が「辛くて休みたい」と言うならばそれ以上はなにも言えません。

だったら、体調不良の中身ってなんでも良くないでしょうか。それを根掘り葉掘り聞こうとするのは、ともするとプライバシーの侵害ですよね。

「仕事に穴をあけてるんだからきちんと理由を詳細に報告するべき!」というのは、道理が通らないんじゃないかと思うのです。


そこでうちの店では「体調不良で休むのに詳しい中身を言う必要はなし」とすることにしました。理由はどうあれ、休みは休みなんです。追及することになんの意味もありません。

そんなことしたら仮病で休むと言い出す人が増えるんじゃないの?と思うかもしれませんが、そうした、世の中に一定数いるサボり魔さんは、理由を聞こうが聞かまいがいろんなことを言っては休むもの。

それよりも、頑張ってくれているスタッフがいたしかたない理由で休む場合に、心の負担にならないことを優先するべきだと思いました。



セクハラを疑われないよう細心の注意を


ついでにもうひとつ、小さな店内で男女がふたりきりで仕事をするなら、セクハラを疑われないようにする配慮はまちがいなく必要です。

よく企業なんかでは、密室で二人きりにならないようにする、なるときは扉を開け放しておく、などと注意されているようですね。

ただうちのように小規模な店だと、いくらコロナ禍とはいえ、真冬や真夏にずっと扉を開けっぱなしにしておくのは空調の関係もあって現実的ではありません。カメラを設置するというのも、費用の面から考えると同様に。

そうなると、ひたすら疑われないように気をつけるしかないんですよね、普段から。

たとえば意味もなく至近距離に近づかない、見た目に言及しない、プライベートなことを尋ねない、とか。


あと私は以前「女性をファーストネームで呼ぶことにしてます」という内容の短いエッセイを書いたんですが、これは異性間だとちょっと眉唾ものです。

世の中私のように、おじさんでも誰でも「グミちゃん」と呼ばれれば嬉しい人ばかりではなく、人によっては下の名前で呼ばれることや ”ちゃん付け” に対して、気持ち悪い、セクハラだと感じる人もいるからです。

そういうこともあって、うちの旦那はもう何年も前に、女性スタッフを下の名前で呼ぶことをやめました。

もちろんはじめから「うちはみんな下の名前で呼び合ってます、そういう店なのでよろしく!」と公言したうえでの採用ならいいと思います。

そうじゃなければ、セクハラだと思われるような行動はひとつでも避けておいたほうがいいと思うのです。


こういう話をすると「それってなんか寂しくない?」とか「俺はそういうの許されるタイプだから大丈夫!」っていう人がいます。

たしかに、組織に思いっきりコミットしたい人には寂しく感じるかもしれませんし、ほかの人に言われたらヤだけど〇〇さんならあり!と言われるタイプも中にはいるでしょう。

でもそれって相手が感じることであって、私たち店側の、それも立場のある人間が勝手に判断することではないですよね。

最近の若い人たちってけっこう大人なので、嫌だなぁと思ってもその場ではニコニコしてくれたりするものです。それを額面どおりに受け取るのはちょっと危険かもしれないなと思います。


以上の2点、とくに年配の男性は...要注意かもしれません。もちろん、男女逆でも。うちの旦那ともそのあたり、よーく話し合っていきたいと思います。

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