あやとりりい

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あやとりりい

記事1つ1つに伝えたい人がいます〜記事トップは自分で撮ったお気に入りの写真✨ 法務博士号取得、商社にてコンプラ等企業法務に従事している30代✨日経新聞社様主催「天職だと感じた瞬間」入賞、「お金について考える」日経COMEMO賞✨

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  • 致死量の悔恨

    ホラー小説 致死量の悔恨のまとめです。

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致死量の悔恨 第5話 イチョウに乗せた伝言

一  イチョウ並木を歩く。千秋(ちあき)が前に進むたび、山になった落ち葉がカシャカシャと音を立てる。長いようであっと言う間だった。妹の千花(ちか)が校外学習のあった圓山(まるやま)で亡くなったのは3ヶ月前のことだった。  鮮やかな青空と薄く澄んだ空気。幼稚園児から定年後の大人まで楽しそうに駆け上がるここ圓山で、千花が滑落しなければならない出来事は何だったのか、千秋は考え続けた。千花のスマートフォンを見たら何か分かるのではないかとも思ったが、いくら妹のものとはいえどもプライバシ

    • 致死量の悔恨 第4話 息ができない

      一 さざ波を眺めていると、心の中が良いことだけで満たされ、元気ハツラツとしていた自分が過去の者の様に感じる。職場から離れて僅か四ヶ月しか経っていないのに、感じよく働いていた自分は遠い離島に行ったようであった。お腹にいる子供を撫でながら、モヤモヤとした思いを吐き出せない環境を夏海(なつみ)悔しく思った。 二 「夏海さん、おはようございます。」 いつもの取り巻き達と話すおしゃべりの内容は、苦手な部長の話しであった。 「ねぇねぇ、あの咳払い、直らないの?」 一子が言うと

      • 致死量の悔恨 第3話 結婚式の前に(下)

        一 桜子の胸の奥からは、おばあちゃんとの思い出が、赤い景色の中に湧き上がった。一緒にお好み焼きを焼いたこと。 「桜子は卵をかき混ぜるのが上手ねぇ。」 と、指示をするわけではなく、ただ桜子のやり方を尊重してずっと横で見ていてくれた。 部活帰り、遅い時間になると偶然、スーパーの前で鉢合わせる。 「お味噌が足りなくて。」 と笑うおばあちゃんと一緒に帰ったなぁ。 桜子は、それでも自分がカゴとなり、良太郎を外敵から守るには、「おばあちゃんが死んだ」との嘘は仕方なかったと思うことにした

        • ただ素敵で、美しい女性だと思った

          最寄り駅からの帰り道、遠くに緑色の自動車が見える。「明るいな。」と思って目を配ると、「小池百合子、本人が乗っています。」とのアナウンスが聞こえた。 私には支持政党はない。だから特に浮き立つような出来事でもない。しかし、「沢山の候補者がいますが、小池百合子」との声を聞き、そうかもなと何となく思った。彼女は、自分の人生を諦めずに生きているのだと、私には見えたからであった。 私の正面に向かってきた選挙カーは、横断歩道のため偶然、私の横で停車し、本物の小池百合子さんと目がしっかりと

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        致死量の悔恨 第5話 イチョウに乗せた伝言

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          致死量の悔恨 第2話 結婚式の前に(上)

          一、 真っ白な空を映したかのような花びらが、一斉に開花する。春を待てずに粉雪の中、満開となった。 寵愛を望み、手に入れたために、箱の中に沈んでいった。底なし沼の中に居座ったのが桜子(さくらこ)自身の意思であるのに、空を自由に駆ける桜景色はここから出たいとの希望を掻き立てる。 届いたメッセージが結婚の連絡だったから、桜子は、驚いたとともに、安堵した。こんなに喜ばしい連絡が人から来るのは久しぶりだった。3ヶ月前に会った時には、「37歳彼氏なし」と言っていた芽衣(めい)が、よう

          致死量の悔恨 第2話 結婚式の前に(上)

          我慢で生じた歪みを他人に転嫁するくらいなら、直接相手に伝えたい

          お祝儀の額、挨拶してもらった主賓へのお礼、赤ちゃんの参列について、自分の感覚が正解か分からないからググってみる。そうすると、多種多様な意見があるが、記事の殆どは不満ばかり。 親族なのにお祝儀が少なかった義家族への不快感。 挨拶のお礼をしたのに、お礼のお礼がない。 祝う能力がない赤ちゃんが来た。 等々。 きっとこの方たちは、人生に1度しかない結婚式においても、譲って我慢して、破裂したのだろうと感じた。そして我慢を相手に言えないから、ネットに逃げたのだろう。もしかすると知人にもぶ

          我慢で生じた歪みを他人に転嫁するくらいなら、直接相手に伝えたい

          善し悪しは時間が経ってから分かるから、損得勘定なしで選びたい

          「ここの壁が厚いから、月経が重いでしょう。月経が重いからピルを飲んでいたの?」 検査結果の画像を指しながら話す医者の言葉に、驚いた。月経が重いことを分かってくれた医者は初めてで、その根拠を示してくれた人も初めてだったからである。 何より、自分の月経が重いことを思い込みとか、妄想とか言うのではなく、理解してくれたことに救われた。 さらに、 「長年のピルで炎症が抑えられているから、良い治療方法を採ったね。」 と言われたものだから、もっと驚いた。 …………… 私がピルを服用し始めた

          善し悪しは時間が経ってから分かるから、損得勘定なしで選びたい

          致死量の悔恨 第1話 かまくらの中

          あらすじ(300文字)  左肩に乗る黒い人の様な塊が、啓太郎をかまくらの中に押し込み、外界と遮断した。許されない罪が啓太郎を拘束する。啓太郎が生きるために選んだのは自白だった。  息子が夫の価値観に感染しないよう、自分の檻に入れるため、思わずついた嘘が現実になり桜子を追い詰めていく。  日頃の鬱憤を声に出さない他人に向けて、人気者となった夏海が産んだ子供は、人々の怨みを背負った呪いの子だった。  付きまとわれたはずの千花が、イチョウに載って晋太郎を追いかける。千花が感じてい

          致死量の悔恨 第1話 かまくらの中

          主体的に選ぶ環境を相手に与えるから、自分の仕事を選んでもらえる

          コンプライアンス調査を依頼する外注業者は、予算、ノウハウ、秘密保持についての信用性から、一社しかなかった。当該外注業者は、他社の8分の1程の予算であるにもかかわらず、クオリティが劣らない。 よって、会議では該当一社の提案をする。 しかし、この提案がなかなか進まない。他に選択肢がないことは、日を見るより明らかであるにもかかわらず、愚痴や非難で溢れて進まないのだ。正直、どのようなコンプライアンス調査を実施するかが重要で、どの外注業者に依頼するかはさほど重要ではない。にもかかわら

          主体的に選ぶ環境を相手に与えるから、自分の仕事を選んでもらえる

          品格のレベルが異なるということ

          私の前を通り過ぎた取締役は、結婚式のひな壇に座る夫に祝辞の後、名刺を渡して下さる。世界中に何が知れ渡った商社の取締役がその様なお心遣いをして下さるとはゆめゆめ思わなかった私は、お礼の言葉が見つからない。 お色直しで私が離席している間には、私の上司たる部長が、夫との写真を撮りに来て下さったそうだ。 新婦側の主賓席には、現職のみならず、前職の上司、重鎮弁護士等々、個人でご参列下さった方が揃う。しかし、誰にも疎外感を感じさせない。それどころか、披露宴会場、全体を見回し、日本を代

          品格のレベルが異なるということ

          ドタキャンされた方は、比較衡量して納得するのではない

          「子供が泣きやまないから遅刻します。」 ランチの待ち合わせ時間が過ぎても来ない友人の1人からのチャットに、その場の皆が、 「早く言ってよ。」「はじめから来ないでくれたら良かったのに。」と不機嫌な顔を見せる。 確かに、子供は何にも代えがたい存在。だから小学生のご機嫌は、全員が集まれることが数年ぶりの友人のランチより大切なのだろう。しかし、1時間も遅刻された私たちにとっては、ただ遅れて来ただけの人で、「また遅刻」とのレッテルを貼る。彼女にはより大切なものを選んだのだから皆理解して

          ドタキャンされた方は、比較衡量して納得するのではない

          結論を押し付けてはいけない

          約20年、15歳から親しくしていた友人から結婚式ドタキャンのLINEが挙式の2日前に届く。私には、 「ドタキャンするけど、お祝儀払えばよいよね。」 と読めるメッセージに、結婚式に穴を開けることの悲しみを彼女は分かっていないのかと怒りが湧き上がる。抑えられない感情をコントロールするために、この先のやり取りは夫に頼むことにした。 「司会者にもあなたとの思い出エピソードを頼んでいる。プロフィールやエンドロールなども準備しており、困るよ。だから彼女が信頼する相手を代わりの方として呼ん

          結論を押し付けてはいけない

          結婚式〜手紙

          挙式、披露宴に参加できなかった親族に向けて、当日読んだ「家族への手紙」のため、字数が少ないながら有料にしております。日頃から読んでくださっている皆様、無理してご購入されなくて構いません。殆どの記事を無料としていますので、そちらをご閲読いただければと思います。 もちろんご興味を持っていただければ、大変有り難く、幸いです。

          ¥2,000

          結婚式〜手紙

          ¥2,000

          信頼が消えたら、言葉は通じなくなる

          「司会をしながら議事録作成は大変だと思うから。」 委員会での業務の一環として、議事録作成があるが、それを若手に振られる。この時、素直に自身の業務を軽減してもらい有り難いとの思いを抱くことが出来なかった。 人の仕事を獲って自身のチャンスの場に変えたい魂胆があるのではないかと感じるのだ。例え同僚が私のためというパターナリズムに裏打ちした業務分担を行ったとしても、私には嫌がらせにしか見えない。 なぜなら、彼はこれまで他者の企画を自身のものとして名を馳せてきたからである。 ……………

          信頼が消えたら、言葉は通じなくなる

          2人きりだから上手くいく関係、2人きりだと上手くいかない関係

          デートの時にはいつも彼氏の友達がいて、何故か3人になる。3人も楽しいけど、私は彼氏と2人で過ごしたかったから、その思いを伝えて翌日は数カ月ぶりに2人で過ごした。 とてもつまらない。 会話がない、続かない、お互いの目を見ない。だから、いないはずの 「◯◯君、今日どうしているのかな?」 と振るしかない。 この時点からいないはずの◯◯君が2人の間に存在してしまう。 「りりいが来るなって言ったんじゃん。家で寝ているんじゃない?」 と彼氏が返す。それでその日の会話は終了し、翌日から◯◯

          2人きりだから上手くいく関係、2人きりだと上手くいかない関係

          「その人しかいない」という思い、分かるから

          「酷いことされて別れたんでしょ?」 「元彼と仲良くする必要ある?」 彼と別れた直後は、そんな言葉をよく言われたが、私にとって彼の存在は「別れた」とか「付き合っているから」とかではない。私のメンタルの安定には彼が必要で、毎日を楽しむ相談相手としても彼じゃなきゃダメだったのだ。 友達だとか、恋人だとか、そんなカテゴリーは分からない。ただ、頭の整理をして気持ちを安定させて、適切な判断をしてあるべき場所で生きていく。毎日を楽しく豊かに過ごすには、居なくてはいけない人が彼。 だから、カ

          「その人しかいない」という思い、分かるから