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あー言えばこう言う〜話の筋が違っている人との行き先

「あなたの弟にだけ配慮するのではなく、私の弟と同じ扱いにして欲しい。」
と私が夫に話すと、
「僕の弟の不足分の祝儀は、実家で補填するから良いだろう。」
と夫が私に伝える。「ごめん、自分の弟とりりいちゃんの弟の扱いを等しくするね。」と言ってくれたらここで終わる。しかし、夫はあー言えばこう言う人で、しかも話の筋が違ってくるから、トラブルが解決しない。

「旦那君は、私の家族は、実家と、私の弟で祝儀を別々に扱うように指示したよ。にもかかわらず、自分の弟は実家と一括りにするのは優遇だよ。お金の問題ではなく、お互いの弟を等しく配慮して欲しいということだよ。」
と話すが、
「実家で金出せばいいだろう。」
と、抑えられない夫の怒りがヒートアップする。

このやり取りが始まると、あー言えばこう言うのローテーションが終わらない。
結婚前から分かってはいたが、その時に問題となった出来事がクリスマスディナーのドタキャン程度であったから、「そっか、私がごめん」と言って見逃してきてしまった。
しかし、夫の家族優遇で、私の家族を格下に扱われることになると、私としては譲れない。

こうして言葉が通じない夫は、あらゆる場面で義家族優位の体制をとっていった。そして、頑張って伝えても数々の言葉は泡のごとく、消えた。残るのは、亀裂だった。
………………
「お金ではなく、配慮の問題だよ。」と私が言っても、金銭的な損得感情以外の概念を知らない夫には通じない。何度話しても、お金を出せば、私の友人や家族などの大切な人を蔑ろにしてよいという夫のやり方は変わらなかった。
しかし、2人で生きていくという選択肢しかなかったから、新居は2人で建てて、2人で生活したいとの思いを夫に告げた。

そして、夫の親から離婚届けが届く。夫がママに相談したのだろう。
………………
「価値観の不一致」という言葉があるが、私には「価値観の全一致」という人間は存在し得ないので、価値観の不一致は誰と居ても当たり前のことに思う。
その時に、対話が出来るかどうかだろう。
夫と話していても、夫は自らが思い込んだ概念を伝えるだけで、私の言葉は届かなかった。永遠に会話にならない。

最後には、
「どっちが悪いとかじゃない。入籍前に伝えたように、離婚って法定事由がないと出来ないのが原則なんだよ。
気持ちがなくなった、別れよう。というのはお付き合いではあっても、合意できていない以上、離婚事由にはならないよ。」
と言っても、やはり通じない。
「倫理観が低すぎる。」
「性格を変えろ。」
等々の人格を毀損する罵詈雑言で返ってくる。
「人格非難は辛いから辞めて。」
と言えば、ごめん。ではない。
「僕をこうしたのは、りりいちゃんのせいだ。」
と土地狂った様に、流暢に続ける。そして、
「悪口の本を沢山読んで、悪口のストックがあるから使いたくなるだけで、りりいちゃんのことを言ったわけじゃない。」
と締める。
あの寛大で、片時も離れたくないと伝え合った温かった人は、挙式から僅か2ヶ月で見知らぬ人となり、姿を消した。
………………
あー言えばこう言うのではなく、私は穏やかに対話をしたかった。まるで彼自身の空想と話しているかの様な夫に、言葉は届かない。最後まで誠意を持って送り続けても、罵倒しか返ってこない。そして、罵倒した彼自身の言葉が公表された時の恐れから、もはや夫はママを盾にした後、音信不通にして逃げる以外の道がなくなった。

あー言えばこう言うことで対話する労力を端折った怠慢は、当人たちに返り、私と夫は、法の中で人を挟んでの事後処理にあたるしかない。
面倒だから
ムカつくから
マウントを取りたいから
沢山の理由があるだろう。しかし、それでも話すことを辞めた不利益は、夫婦2人に返える。楽しかったのも確かだからせめて憎しみ合いたくないと思っても、永遠の愛を誓ったのにという理不尽な現実に対する悲しみの矛先は、権利の争いに向かう。
……………
義母に、
「協議していないから、離婚届けを送られても、協議離婚は成立しない。協議が必要です。」
と伝えると、
「夫君のこと、まだ好きなの?」
と返ってくる。夫自身の価値観と会話し、人の言葉を聞かない夫の習性は遺伝によるものなのだろうか。結論ありきではなく、まずは2人で話したいの意思は、永遠に伝わらず、どっと力が抜ける。

ただ普通に話しが出来る相手であれば、1つずつ問題を解決し、こうはならなかったと知るほどに、行き着いた言葉を交わせない関係が哀しい。

とても嬉しいので、嬉しいことに使わせて下さい(^^)