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僕が考えていること

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『僕はこう思うよ』っていうのを集めました🫧 Amazonで書籍化しています🗓️
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#振り返りnote

親子の鎖

親子の鎖

これは、『親子のジレンマ』に挑むための物である。

プロローグ『親子の鎖』

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 五歳の男の子が川で溺れている。

 雨がかなり降った後の流れの急な川に、小さな男の子が落ちてしまったのだ。

ロープや体が浮くようなものが周りになく、もし助けるとしたら川に飛び込んで行くしかない。

 流れが強くて助けようとすれば自分が死んでしまうかもしれないからか、誰も助けない。

 一生懸命

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芸術と人生 Ⅱ

芸術と人生 Ⅱ

 芸術を深く楽しむために

 芸術が私達の長い人生を楽しく生きていくためには必要だと、無駄を楽しめる心持ちが必要だという話を前半部分(芸術と人生 Ⅰ)でした。

 そこで、後半部分ではより深く楽しむための工夫について話そうと思う。私達は音楽にしろ、映画にしろ、絵画にしろ、あらゆる作品を全然深く楽しめていない。

 芸術作品の楽しみ方は人それぞれだから、僕に細かいことに口出しするような権利はないかも

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芸術と人生 Ⅰ

芸術と人生 Ⅰ

 「近頃の人は面白みが無くなった」と聞いたことがある。利便性や効率を重視し、やたらと無駄を排除しようとする現代。

 本を読まない音楽を聞かない絵画を知らない映画を見ない学問をやらない。面白みが、ない。人々はサイボーグ化しているのではないだろうか。

 人間の遊びをやろうよと、僕は言いたい。

 もちろん全てに触れる必要は無いけれど、そんなに高くない金額で楽しむことが出来る。

 古典的名著である

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君っていい人?

君っていい人?

 人は感情の生き物であり、非常に面倒くさい生き物である。

 その時々の気分によって考えや発言が百八十度変わることがあるし、行動に一貫性なんかありはしない。

 人の目が気になって仕方がないけれど、利己的でありたいし、凄い人だと思われたいという滅茶苦茶な考え方、行動をする変な生き物。

 それが人間なのだ。

「アンビバレンス」という心理学の用語がある。
 相反する特徴を人は併せ持っていることを指

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初恋ブルース

初恋ブルース

 夏の大三角形、いて座、さそり座、てんびん座、はくちょう座……。

 たくさんの星座が頭上を覆っている。大きなプラネタリウムの半球型スクリーンに、無数の綺麗な星座が映し出されている。

 そして、僕はそれらの綺麗な星空を眺めることなく、隣でスクリーンを眺めている好きな女の子を横目で見ていた。

 無論、星よりも綺麗だったからである。

 チラ見をしていると、目が合った。
 にっこりと笑いかけてくる

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夢を失ったときにじっくり考えること

夢を失ったときにじっくり考えること



やりたいことが見つからない

「夢がない」という悩みは多くの人が持っている。だから、一般的に夢がある人は尊敬の対象になったり羨ましがられたりすることが多い。

 でも、夢があることって、本当に幸せなことなのだろうか? 夢を持つということは、とある思考を持っていないと、かなり危険を伴う行為になる。

 スポーツ選手にとっての選手生命、大学生にとっての学歴、親にとっての子供など、時間をかけてきた

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大人は喧嘩しないって思っていたのに

大人は喧嘩しないって思っていたのに



 幼い頃は、大人はとても立派なものに思えた。喧嘩をしないからだ。小学生の頃、嫌な奴の対処に困っていた僕は、「早く大人になりたい」と思っていた。大人になれば、人間関係のトラブルは無くなると思っていたからだ。

 大人が喧嘩しているところを見たことが無かった。

 大人になりさえすれば、笑顔でみんな会話するし、嫌なことは言わないし、痛いこともしてこない。誰か特定の人を仲間はずれにする人もいない。そ

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反芻世界がぐるぐるまわる

反芻世界がぐるぐるまわる

 僕はよく、前回の記憶のようなものを見る。前世の記憶ではなく、前回の記憶。

 自分が今まで長く続けてきたものや、大事にしたいと思った人達には謎の親近感が湧いていた。そして、それらに触れていた時に、遠い過去にも一度それを体験したことがある感覚をまじまじと感じるのだ。

 よくある「あれ、これなんか前にも見たことあるような気がする」「あれ、ここ前に来たことがあるような……」といった感覚のことを、「既

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集団ゆでガエル

集団ゆでガエル

 子供の頃は「夢を持ちなさい」と言われ、大人になれば「諦めなさい」と言われる。

どうして、こんなにも子供と大人では見えている世界が違うのだろうか。

 大人の世界では、金にならないものは「趣味以下」のレッテルを貼られてしまう。

それどころか、自分の人生に害をもたらすものとさえ思われてしまう。

子供の頃に全員が持つ夢は、基本的にやりたいことが混ざっていると思うが、大人になってから持つ夢は

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二十二世紀へ向けて

二十二世紀へ向けて

生き方には二種類ある

 僕は、生き方には二種類あると思う。

 

地図とコンパスを持ち、足元、数歩先を見て丁寧に足元を踏み固めるようにして生きていく道と、北極星のように同じ位置で変わらずに輝き続けているものを見つめながら生きていく道の2つだ。

要するに、

堅実かつ安全な道を歩む生き方

と、

自分の理想を追いかける生き方

の2つだ。

 どちらが正解かは分からない。

前者は安全な生

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ZERO Gravity

ZERO Gravity

 もし地球が無重力だとしたら、僕は何をしたいだろう

 幼い頃、考えたことはないだろうか
 鳥になって空を飛んでみたいと

 少しでも高いところへ行きたくて
 ブランコを漕いでみたりジャングルジムに登ってみたり
 空の青さに心を落ち着かせていた
 「無重力だったら生きていけないよ」みたいなことを言われても、
 やっぱり僕は空を飛んでみたかった

 もし、地球が無重力だとしたら、宇宙の端まで行けると

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零戦を見たあの日

零戦を見たあの日

 全身に衝撃が走った。

 それは雷が身体に直撃した衝撃というよりは、重たい鈍器で不意に顔を殴られたような衝撃だった。僕はそのとき、ニュージーランドにいた。

「英語を学びたい!」「海外の文化に触れたい!」というキラキラした理由で短期留学に向かい、降り立った地で研修の一環として、戦争資料が保存してある博物館を訪れたのだ。

 目の前には日本兵の人達が特攻していく前に書いていたであろう寄せ書きがあっ

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戦う勇気と逃げる勇気

戦う勇気と逃げる勇気

 未だに夜道を散歩していると思い出す。

 幼き日の母との思い出だ。恐らくこの思い出が、僕が持っている親との思い出の中で一番好きなものだと思う。

「逃げることの大切さ」について親が教えてくれたことを、僕はまだ噛み締めながら生きている。

 戦うのは幸せのため、逃げるのも幸せのため。

 生きていく中で、逃げずに戦うべき局面と、戦わずに逃げるべき局面の二つがある。

 不器用で生真面目な人ほど壊れ

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常人には人を愛せない ー 難しい『愛情論』

常人には人を愛せない ー 難しい『愛情論』


『好き』と『愛している』の違いってなに?

 恋と愛の違いは何かと聞かれたら、あなたはどう考えるだろうか? 

よく「理性が欲望よりも優っているのが愛だ」とか「下心があるのが恋で真心があるのが愛だ」とか「自分本位なのが好きで相手を思いやる感情が愛だ」とか言われているけれど、実際のところどうなのだろうか。

こういった議論が巻き起こされるのは、それだけ好きと愛しているということには大きな隔たり、価

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