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僕が考えていること

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『僕はこう思うよ』っていうのを集めました🫧 Amazonで書籍化しています🗓️
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記事一覧

陽の光と雨の日に歌う歌

陽の光と雨の日に歌う歌

 太陽がぱぁっと煌めいている朝に、カーテンからこぼれてくる眩しい光で自然と目が覚めると、僕はとても幸せな気分になる。「今日も一日頑張るぞ!」という活力が胸の内側からじんわりと湧き上がってくる。

 反対に、ざぁざぁと雨が降っているどんよりした曇りの朝に、人が寝ていることができる時間の限界を迎えたように仕方なく目が覚めたときは、晴れの日ほどの元気が出ずに「今日は残り十数時間も残っているのか」と無気力

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親子の鎖

親子の鎖

これは、『親子のジレンマ』に挑むための物である。

プロローグ『親子の鎖』

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 五歳の男の子が川で溺れている。

 雨がかなり降った後の流れの急な川に、小さな男の子が落ちてしまったのだ。

ロープや体が浮くようなものが周りになく、もし助けるとしたら川に飛び込んで行くしかない。

 流れが強くて助けようとすれば自分が死んでしまうかもしれないからか、誰も助けない。

 一生懸命

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人生は悲劇か、それとも喜劇か

人生は悲劇か、それとも喜劇か

『母への感謝状』
 僕は母に感謝している。まず、「生んでくれてありがとう」と伝えたい。

 嫌なことや辛いこともあるけれど、自分が努力すればいくらでも楽しいことが待っているこの世界に産み落としてくれて、ありがとう。

 反抗したり、衝突したりすることもあったけれど、僕は感謝している。

 特に、ただ生んで育ててくれただけではなく、僕の母はあり得ないほど苦しい状況に置かれても逃げずに僕と妹を育ててく

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芸術と人生 Ⅱ

芸術と人生 Ⅱ

 芸術を深く楽しむために

 芸術が私達の長い人生を楽しく生きていくためには必要だと、無駄を楽しめる心持ちが必要だという話を前半部分(芸術と人生 Ⅰ)でした。

 そこで、後半部分ではより深く楽しむための工夫について話そうと思う。私達は音楽にしろ、映画にしろ、絵画にしろ、あらゆる作品を全然深く楽しめていない。

 芸術作品の楽しみ方は人それぞれだから、僕に細かいことに口出しするような権利はないかも

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芸術と人生 Ⅰ

芸術と人生 Ⅰ

 「近頃の人は面白みが無くなった」と聞いたことがある。利便性や効率を重視し、やたらと無駄を排除しようとする現代。

 本を読まない音楽を聞かない絵画を知らない映画を見ない学問をやらない。面白みが、ない。人々はサイボーグ化しているのではないだろうか。

 人間の遊びをやろうよと、僕は言いたい。

 もちろん全てに触れる必要は無いけれど、そんなに高くない金額で楽しむことが出来る。

 古典的名著である

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周りの人と自分が違うことに気が付いたら

周りの人と自分が違うことに気が付いたら

 最近人間の特徴について名前をよく聞くようになった。

 繊細さん(HSP)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)、自閉症スペクトラム障害(ASD)などなど。

「自分はどこか人と違うな」と思って悶々と苦しんでいたことが、れっきとした一つの特徴として名前を付けて分類されると、少し安心感を覚える。

 自分が異常だったのではなく、ただの人間の特徴の一つなのだと思うと、すーっと心が晴れてい

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君っていい人?

君っていい人?

 人は感情の生き物であり、非常に面倒くさい生き物である。

 その時々の気分によって考えや発言が百八十度変わることがあるし、行動に一貫性なんかありはしない。

 人の目が気になって仕方がないけれど、利己的でありたいし、凄い人だと思われたいという滅茶苦茶な考え方、行動をする変な生き物。

 それが人間なのだ。

「アンビバレンス」という心理学の用語がある。
 相反する特徴を人は併せ持っていることを指

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猫の視点で見てみると

猫の視点で見てみると

吾輩は猫である
 吾輩は猫である、という言葉は誰しも聞いたことがあるだろう。

 僕は高校二年生のときに好奇心で夏目漱石の「吾輩は猫である」を買って読んでみたことがある。

 全部を読み切ることはできずに途中で挫折してしまったけれど、猫視点で人間観察をしているとても面白い作品だった。

 犬や猫たちから見て、人間というのはどういう風に映るのだろうか。

 街中に散歩に出かけたり、電車に乗り込んだり

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初恋ブルース

初恋ブルース

 夏の大三角形、いて座、さそり座、てんびん座、はくちょう座……。

 たくさんの星座が頭上を覆っている。大きなプラネタリウムの半球型スクリーンに、無数の綺麗な星座が映し出されている。

 そして、僕はそれらの綺麗な星空を眺めることなく、隣でスクリーンを眺めている好きな女の子を横目で見ていた。

 無論、星よりも綺麗だったからである。

 チラ見をしていると、目が合った。
 にっこりと笑いかけてくる

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夢を失ったときにじっくり考えること

夢を失ったときにじっくり考えること



やりたいことが見つからない

「夢がない」という悩みは多くの人が持っている。だから、一般的に夢がある人は尊敬の対象になったり羨ましがられたりすることが多い。

 でも、夢があることって、本当に幸せなことなのだろうか? 夢を持つということは、とある思考を持っていないと、かなり危険を伴う行為になる。

 スポーツ選手にとっての選手生命、大学生にとっての学歴、親にとっての子供など、時間をかけてきた

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大人は喧嘩しないって思っていたのに

大人は喧嘩しないって思っていたのに



 幼い頃は、大人はとても立派なものに思えた。喧嘩をしないからだ。小学生の頃、嫌な奴の対処に困っていた僕は、「早く大人になりたい」と思っていた。大人になれば、人間関係のトラブルは無くなると思っていたからだ。

 大人が喧嘩しているところを見たことが無かった。

 大人になりさえすれば、笑顔でみんな会話するし、嫌なことは言わないし、痛いこともしてこない。誰か特定の人を仲間はずれにする人もいない。そ

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反芻世界がぐるぐるまわる

反芻世界がぐるぐるまわる

 僕はよく、前回の記憶のようなものを見る。前世の記憶ではなく、前回の記憶。

 自分が今まで長く続けてきたものや、大事にしたいと思った人達には謎の親近感が湧いていた。そして、それらに触れていた時に、遠い過去にも一度それを体験したことがある感覚をまじまじと感じるのだ。

 よくある「あれ、これなんか前にも見たことあるような気がする」「あれ、ここ前に来たことがあるような……」といった感覚のことを、「既

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嵐の下、青空を目指す

嵐の下、青空を目指す

 そのとき、空はどんよりとした黒い雲に覆われていた。雨が地面を刺すように降っていて、僕は窓からその光景を眺めていた。

 真昼間なのに外は薄暗くて、気分が上がらなかった。もうすぐ、飛行機が飛び立つ。福岡空港から目的地である仙台空港へ向けた、小さな飛行機に、僕は乗り込んでいた。

 先日買った本でも読もうかとカバンからハードカバーの本を取り出してみたけれど、どうにも本を読む気分にはなれなかった。

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集団ゆでガエル

集団ゆでガエル

 子供の頃は「夢を持ちなさい」と言われ、大人になれば「諦めなさい」と言われる。

どうして、こんなにも子供と大人では見えている世界が違うのだろうか。

 大人の世界では、金にならないものは「趣味以下」のレッテルを貼られてしまう。

それどころか、自分の人生に害をもたらすものとさえ思われてしまう。

子供の頃に全員が持つ夢は、基本的にやりたいことが混ざっていると思うが、大人になってから持つ夢は

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