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新しい社会

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#経済

数学に音を、色をつける。そして歪める

数学に音を、色をつける。そして歪める

人工的に共感覚を再現することにより、故意に私たちの日常の認識を歪め、私たちが生きていると錯覚しているこの日常を、この社会を別のスライスから見たい

ファイナンスを専攻している身分として、日々数学に多く触れているのですが、「数学は静かだな」と常々思っています。これは、数学を「解く」過程で「感情を必要としない」ゆえか。または、公式に従う場合「想起(イメージ)しづらい」ゆえでしょうか。

「共感覚」とい

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私がコロナにかかる可能性を概算してみた

私がコロナにかかる可能性を概算してみた

4行まとめ:今回は、ロンドン在住の私がコロナにかかる確率を概算してみた。私がコロナに感染する確率は、約0.65%。しかし、この値は、過去のデータに基づく統計値でしかなく、「私が将来コロナにかかる可能性」ではない。その可能性はあくまで、私個人及び他の人々の行動様式、感染リスクに対する捉え方、そして、何より相手方であるCOVID-19ウイルス自身の今後の動きや変異によって大きく変わる。

動機今回は、

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プロジェクト・メコンとかえるとび

「リープフロッグ現象」とは
リープフロッグ現象(leapfrogging)という「カエルとび」現象をご存知でしょうか。これは、

通常、技術変化に伴い社会が常に「段階的」に変化していくのに対し、既存の社会インフラが整備されていない発展途上国において最新技術が導入されることで、最新のサービスが導入され、一段階前の発展を飛び越し、飛躍的発展を遂げることです。

アフリカにおいて、銀行システムが未発達だ

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金融市場を脅かすグリーンスワンの存在 (環境金融)

金融市場を脅かすグリーンスワンの存在 (環境金融)

最近米ハイテク株の上下乱が「クジラ(後にソフトバンクや追随した個人投資家と判明)」によっもたらされたとの話が話題になっているが、金融市場には他の動物も時々現れる。その中でも近い将来いつか、金融市場に「グリーンスワン(緑色の白鳥)」が現れるのではと囁かれている。

グリーンスワンとはグリーンスワンとは、地球温暖化等の気候変動が将来、私たちの生活を大きな悪影響を及ぼし、金融市場を大きく乱す金融リスクの

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気候変動リスクと新しいGDP

気候変動リスクと新しいGDP

「今年のGDP予想は...」等のニュースがすでに出回っている。GDPは私たちが経済状況を鑑みる上で外せない重要な経済指標の一つである。

GDPといっても実際は色々なバリエーションがある。しかし、近年それらの従来のGDPを大きく変える「環境インパクトを考慮したGDP」がOECDより提唱されている。そこで今回は、OECD等のデータを基に少し「環境インパクトを考慮したGDP」の日本の現状について調べて

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学びに「方向性」は必要か

学びに「方向性」は必要か

「考える芦」として私たちは日々考え、学んでいる。しかし、私たちの学びには一定の方向性が必要なのだろうか。

今回は「学問分野における方向性」「個人の学びにおける方向性」の二つのレベルで考えていきたい。

学問分野における方向性
大学には様々な学問分野がある。しかし、それらには事前に決定し合意された方向性があるのだろうか。

大枠はあると思う。しかし、最終目標はどこか。帰着点はあるのか。あるとしたら

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SDGsとイスラム金融

SDGsとイスラム金融

3行要約:イスラム金融とは、シャリア(イスラム教における規範や法)に基づいた金融システムである。イスラム金融は、その概念自体が倫理的ビジネスを重視した金融のあり方を説いている。そのため、SDGs(持続可能な開発)との相性が良く、持続可能な開発のための有効なファイナンス手段として近年、期待されている。

ダラム大学イスラム経済金融研究所 (Durham Centre for Islamic Econ

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食べて感情を昇華できるお金

食べて感情を昇華できるお金

日々の生活における、資本主義中心の現代社会への行き場のない憤りを「お金」に投影して「消化」したい

日経未来面×COMEMO お題「20年後、どんな『延長線上にない変化』が起きる?」に関連し、「食べるお金」のコンセプトを考えてみる。

「お金」は今日の資本主義のシンボルだとして、アイロニカルに、お金を食べることで、資本主義を競争社会の辛い経験や記憶を昇華し、消化することは可能だろうか。

「昇華」

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今年の景気は何度なのか?

今年の景気は何度なのか?

今年の夏も暑くなってきていますが、景気の方はどうでしょうか。「コロナのお陰で今年は景気が悪化している」と繰り返し報道されていますが一体、私たちはどの程度「景気」たるものを理解し、影響を受けてるのでしょうか

そもそも「景気」とは日本において「景気」を感じる手段としては、月例経済報告(景気についての政府の公式見解)や景気ウォッチャー、日本銀行による短観、景気動向指数等があります。

「景気」のはかり

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なぜ私たちは、給付金10万円を受け取る前に使ったのか

なぜ私たちは、給付金10万円を受け取る前に使ったのか

「特別定額給付金」10万円が話題になっておりますが、今回は「臨時収入」について経済学的な視点から考えていきたいと思います。

「10万円」を振り返る
問1: 受け取った皆さんはいつ使ったでしょうか?

1.「特別定額給付金」10万円の給付が話題になった時

2. 「特別定額給付金」10万円の給付が決定した時

3.「特別定額給付金」10万円が実際に手元に届いた時

問2: 受け取った皆さんはどれく

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お金は「記憶」を持ちたいのか

お金は「記憶」を持ちたいのか

先ほど私が使った100円玉は「どんな経路を経て私の元に届き」そして「どこに向かっていくのか」

私たちにとって、(1) 今、私たちのお財布に入っているお金達の「記憶」を辿ることは可能か (2) もし可能ならば、私たちはその「記憶」を辿るべきかの二点を考えていきたいと思う。

1. 「お金」と私たちの「記憶」「お金」は常に私たちと日常を共にしている。だからこそ私たちの生活は、時たま「お金」と引づけら

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コロナは「環境と経済」の関係性を私たちに伝えてくれるのか

コロナは「環境と経済」の関係性を私たちに伝えてくれるのか

コロナによる経済活動の収縮に伴い、今年の二酸化炭素の排出量は少なくなるのだろうか?

コロナの感染拡大の最中、連日ニュースでは「経済活動か医療(感染対策)か」というトレードオフのような構図が煽られているが、実はもう一つよくトレードオフではないかと議論される「環境と経済」に関してはまだそこまで関心を集めていないように思われる。よって今回、あっさりとこの関係性について考えてみたい。

*先にこの記事が

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霞ヶ関ファイナンスのさらなる可視化は可能か

霞ヶ関ファイナンスのさらなる可視化は可能か

「政治とお金」はいつの時代においても良くも悪くも頻繁に議論されるトピックである 政治面では多く取り扱われているものの、果たしてその存在は「金融」という側面からより深く思考されたことはあるのだろうか。

今回は、「政治とお金」を「ファイナンスの可視化」という新たな面から考えていきたいと思う。

*先に、この記事は一切現在の政治を批判したりある種の政治的志向を押し付けたりすることを意図していない旨留意

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Noteは「相対的需要」か「絶対的需要」か

Noteは「相対的需要」か「絶対的需要」か

あなたは私の記事を前後の記事のタイトルと比較して選んでくれたのか。それともスポットで「これだ」と直感でタップしてくれたのか。

Noteを5日間続けてみて、少し振り返っていきたいと思う。しかし、自身の記事に関する内省というよりは (1)「Note における需要とは何か」と(2)「その需要をみることは可能か」の二点に着目して思考探索していくううう!

私のNoteに需要はあるのか?あったとしてその

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