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(日常で思うこと)彼女の好きな唄と孤独感
妻と子どもが寝静まった頃、BSでエレカシの宮本さんが出演している特集番組とフェスの演奏を立て続けに観た。
このバンドの曲を聴くようになったのは、社会人になって2年ほど経った時のこと。きっかけは忘れたが、不器用な男のもがいている姿が実直に語られていて、それを自分自身と重ねることが多かった。
あの頃、ぼくは毎日のように怒鳴られ、貶され、学生時代に作り上げてしまった無駄に高い自尊心を踏みつけられていた
【小説】傷に触れない (サラとの1か月間~6日目~)
そもそも誰かを好きになったり、愛おしく想ったりすることなんてあるのだろうか。
随分前に巷に流れていた
ーー別れた後も、あなたのことを今でも思い続けている
なんて、ラブソングもただ煩わしいだけだという印象しか持てなかったし、記憶をなくしていく恋人との葛藤を描いた映画がヒットしたのも、いまいち理解できないでいた。
「面倒くさい」と、つぶやくサラの体温をぼくは背中で感じていた。
「感動できるこ
【小説】ハンバーガーと棺
マクドナルドの店内は、火葬場とよく似ている。
制服に身を包んだ従業員たちの動きをカウンター越しに眺めて、コウキはそんなことを思った。
サッカーのフォーメーションのように、対角線上に配置されている人員。
人間工学に基づいて設計された厨房内で、次々と入ってくるオーダーを規定通りに
……というよりも、機械的に処理する光景。
それは一切の無駄が省かれた洗練された建築物のような魅力があった。
彼は、いつ
【日常で思うこと】夢の父
こういったことを記すのも憚れるかもしれないが、父の命はそう長くない。
今年の春に癌が見つかり、今では病室のベットで寝たきりの日々。
食べることも話すこともできず、ほとんど寝て過ごし、たまに目を開けるが虚空の天井を見上げているばかりだ。
大食漢で自転車や山登りを好むエネルギーの満ちた父には、もう会えない。
でも、大きな身体と太い腕に捕まって遊んでいた幼少期の記憶がこびりついていて、枯れ枝のように
【日常で思うこと】去っていくひと
またか……
前の部署で一緒に仕事をしていた後輩から連絡がきた。
どうやら会社を辞めるらしい。
人材不足、転職ブームとかの影響で、
ここ2、3年で社内の親しい人たちが次々と去っていく。
純粋にキャリアアップを目的とした退社なら喜ばしいけど、
彼女の場合は少し違うみたいだった。
「専門知識を活かせる業務を狙っていたんだけど、なかなか上手くいかなくて……」
オフィス近くのカフェで、彼女は話してく
ようやく、まとめました
久しぶりの投稿です。
先月まで連載していた小説『白い世界を見おろす深海魚』をマガジンでまとめました。多少、読みやすくなったと思うので、覗いてみてください。
今まで、記事に直接リンクを貼っていましたが、マガジンがした方が楽でしたね。
いまだnoteを使いこなせていませんが、引き続き作品を投稿していきたいと思います。
なかなか頭の中のストーリーがまとまらず、苦戦していますが……
現在、短編と長編を
【小説】白い世界を見おろす深海魚 87章(白い世界)
【概要】
2000年代前半の都内での出来事。
広告代理店に勤める新卒2年目の安田は、不得意な営業で上司から叱られる毎日。一方で同期の塩崎はライター職として活躍していた。
長時間労働・業務過多・パワハラ・一部の社員のみの優遇に不満を持ちつつ、勤務を続ける2人はグレーゾーン(マルチ)ビジネスを展開する企業『キャスト・レオ』から広報誌を作成する依頼を高額で受けるが、塩崎は日々の激務が祟り心体の不調で退職
【小説】白い世界を見おろす深海魚86章(灰色の世界を見上げる)
【概要】
2000年代前半の都内での出来事。
広告代理店に勤める新卒2年目の安田は、不得意な営業で上司から叱られる毎日。一方で同期の塩崎はライター職として活躍していた。
長時間労働・業務過多・パワハラ・一部の社員のみの優遇に不満を持ちつつ、勤務を続ける2人はグレーゾーン(マルチ)ビジネスを展開する企業『キャスト・レオ』から広報誌を作成する依頼を高額で受けるが、塩崎は日々の激務が祟り心体の不調で退職
【小説】白い世界を見おろす深海魚 85章 (水色のマフラーの温もり)
【概要】
2000年代前半の都内での出来事。
広告代理店に勤める新卒2年目の安田は、不得意な営業で上司から叱られる毎日。一方で同期の塩崎はライター職として活躍していた。
長時間労働・業務過多・パワハラ・一部の社員のみの優遇に不満を持ちつつ、勤務を続ける2人はグレーゾーン(マルチ)ビジネスを展開する企業『キャスト・レオ』から広報誌を作成する依頼を高額で受けるが、塩崎は日々の激務が祟り心体の不調で退職
【小説】白い世界を見おろす深海魚 84章 (弱い生きもの)
【概要】
2000年代前半の都内での出来事。
広告代理店に勤める新卒2年目の安田は、不得意な営業で上司から叱られる毎日。一方で同期の塩崎はライター職として活躍していた。
長時間労働・業務過多・パワハラ・一部の社員のみの優遇に不満を持ちつつ、勤務を続ける2人はグレーゾーン(マルチ)ビジネスを展開する企業『キャスト・レオ』から広報誌を作成する依頼を高額で受けるが、塩崎は日々の激務が祟り心体の不調で退職
【小説】白い世界を見おろす深海魚 83章 (白と灰色)
【概要】
2000年代前半の都内での出来事。
広告代理店に勤める新卒2年目の安田は、不得意な営業で上司から叱られる毎日。一方で同期の塩崎はライター職として活躍していた。
長時間労働・業務過多・パワハラ・一部の社員のみの優遇に不満を持ちつつ、勤務を続ける2人はグレーゾーン(マルチ)ビジネスを展開する企業『キャスト・レオ』から広報誌を作成する依頼を高額で受けるが、塩崎は日々の激務が祟り心体の不調で退職
【小説】白い世界を見おろす深海魚 82章 (暗転)
【概要】
2000年代前半の都内での出来事。
広告代理店に勤める新卒2年目の安田は、不得意な営業で上司から叱られる毎日。一方で同期の塩崎はライター職として活躍していた。
長時間労働・業務過多・パワハラ・一部の社員のみの優遇に不満を持ちつつ、勤務を続ける2人はグレーゾーン(マルチ)ビジネスを展開する企業『キャスト・レオ』から広報誌を作成する依頼を高額で受けるが、塩崎は日々の激務が祟り心体の不調で退職