十四回目の最終回)よいこのおえかき|お客様都合による返品不可の大団円

十二時に始まったイベントは、焼きそば片手の観客に囲まれて賑わっていた。

小夜さんが「山笠の人はこんな場所で?祝い唄と一本締めってやってもいい感じなんですね。」と聞いてきた。
私が「まぁ、男の社会はメンツの社会ですから。何をやっても怒られるでしょう。」と答えておいたことが真理だった。それ以上でも以下でもなかった。

つまり、論理的には私が小夜さんに伝えたこと…「やらずに怒られるより、やって怒ら

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十三回目)よいこのデザイン|崖からジャンプ

私は気分的には捨て鉢で「もう、どうせ退職ですからね。イベント、どうせ失敗するなら、全力で崖から飛びます!崖の途中の岩肌や木に引っかかって切り刻まれるくらいならどれだけ高い水柱立てられるか記録を狙います。このクソイベと一緒に!小夜さん、このクソイベ、なんで冬場に夏の出し物持ってきてやがるんですか?しかもこんな地味な…。」と罵った。

小夜さんは頭を掻き毟る私をニヤニヤしながら見て「しりませんよ。想像

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十二回目)よいこのおえかき|窮鼠と噛まれた猫

小夜さんは、ベローチェで魔法の言葉を言えば部長は抑えられると言った。
「気持ちがさだまったと思いますので、おえかきさんに特別に最強の呪文を授けます。よく聞いてくださいね…。」と、勿体ぶった言い方をして話した呪文の効果は抜群だった。

彼女が教えてくれた呪文の一つ目は
「見積もりは同じ会社からふたつもらうんですか?」という言葉。

相手が怯んで、大声を出そうとしたら、今度は「特に印刷会社から

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十一)よいこのデザイン|サイコパス預言者と生贄の仔羊

私は、小夜さんがお見舞いにきてくれたあと、土日を挟んで二日程寝て風邪は回復、出社することができた。事務所のドアを開ける時に、多少ドキドキした。敵前逃亡して戻ってきた兵士の気分だった。私が休んでいる間に皆が歴戦の勇者になっていたらどうしよう…と、ビクビクでドアに手をかけて考えた。

だが、現実にはそこに歴戦の勇者などは居らず、そこはやはり魔窟のままで陸軍の下っ端養成所みたいな怒声が飛び交う場所だった

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六回目)よいこのデザイン|レベル上げスライム認定?

天神は福岡という街では華やかな街。
百貨店やファッションビルなどの商業施設が高度に集積した九州最大の繁華街で博多駅周辺から福岡市地下鉄で数分の距離にあり、博多との間には全国的にも有名な歓楽街の中洲・南新地がある。

大丸や、三越、パルコ、ソラリアステージ、イムズという、カタカナのビルが乱立していて、私もよくケーキの食べ放題のスイーツパラダイスには、つきいち行くのが日課なのだけれど。

こんなお店が

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はたらくを自由に、なんて

社員グループのラインで、
「(ある物件が)Goになりました。
 みなさん、進めて下さい」
と連絡がくる。
みんなの既読はつくが、だれも
「了解しました」とは打たない。

「「了解しました」って言ったら、やらなきゃいけないもんねー(笑)」と同僚が話す。
もちろん、最後にはみんな、責任もって仕事するけど、それぞれ、手持ちの仕事もたくさん抱えているからなー。

うちは、社員十数人の小さな会社。
おしゃべ

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Thank you♥️
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新刊「親王殿下のパティシエール」ハルキ文庫

久しぶりの更新です。10月下旬から12月下旬まで帰国しておりまして。仕事やら健康診断、取材に旅行とあっというまに二ヶ月が過ぎてゆきました。

さて、滞在中の12月16日に、角川春樹事務所のハルキ文庫から、新シリーズが刊行されました。

清朝18世紀末の北京を舞台に、第十七皇子の永璘邸宅で、欧亜ハーフの少女、マリー・趙が糕點厨師(菓子職人)の見習いとして働く、歴史時代&お仕事青春小説です。

時は乾

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【掌編小説】ひとりじゃないよ

「幸せになりたいだけなのに、なんでこんなにしんどいんだろう」

最近、仕事はトラブル続き。対応に追われている結果、友人とのランチはもう何度も延期になっている。半年前にプロポーズしてくれた彼氏も最近になって少しずつ様子が変化し、前回のデートで婚約を破棄したいと伝えられた。一つ上手くいかないことがあるとすべてが連鎖して上手くいかなくなる……。

こんな負のオーラが蔓延しているのを見かねた、同僚の亮太が

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よければまた来てください^^
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【ほぼ毎日エッセイ】揺蕩う

【2019/07/06】
「はっ」と目覚めたのは午前4時過ぎだった。
朝と呼ぶには早すぎるし、夜と呼ぶには遅すぎるというなんとも言えない時間に目を覚ましてしまった私は、二度寝の準備に取り掛かる。
とりあえず起き抜けに水を一杯飲んで、体内から黄色い液体を放出させたら、数秒前いた場所に元いた形で寝転がった。

次に目を開けたのはそれから2時間ほど経った後で、枕元から覗く窓の先に映る景色は少し明るい。

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【小説】耳を傾ける 第4話

※一話完結ですので、お気軽にご覧ください。

雪深い地方都市にある喫茶店『中継点CAFE』に、話を聞くことが得意な人がいるらしい。みんな自分が悪いんだと泣いてる人や誰も私を分かってくれないと怒り狂っている人を見つけたら、『中継点CAFE』を知る人たちは通りすがりに言います。「百坂さんのところに行ってみたら?」ーー。

 CAFEって言うくらいだから、たまにみんなと奮発して、模試の打ち上げみたいな時

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嬉しいです。コメントもください🙏
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