「なんのはなしです課」に宛てて

拝啓 　「なんのはなしです課」の、 　専任事務を自ら買って出ていらっしゃる、 　コニシ木の子様、 　並びに日々静かなブームを形成している皆様方、 　差し出がましい申し出で恐縮なのですが、 　「創作大賞2024」応募作品２種を含めて、 　毎週３種の長編連載小説を、 　今現在投稿まっしぐらな、 　私の作品内容と、 　この行動そのものが、 　壮大ななんのはなしですかではないでしょうか。 　試みに冒頭の一話ずつでも、 　流し読みしてみて下さいませ。 　毎週日曜日：『姦淫の

連休だとて今年の掃除内職は、中間の平日ががっぷし空いたために通常通り行われたのだが、それでも連休明け初日は黄砂だか花粉だかPMうんたらなんだかで、ノドはイガるし頭は痛むし腹は壊すし、点訳ボランティアの本日分も終えた夕刻、クロコ分裂時みたいにやさぐれてきた♪ かえって楽しいっ♪

隠し玉のつもりはないが

　はじめましての人も、 　前から知ってる方も、 　ごきげんよう。 　偏光です。 　創作大賞に二作品を突っ込んだ事で、 　Pixivで公開してきためぼしい小説は、 　ほぼ全てnoteに移した事になる。 （文字数：約1200文字） 　　改めまして今現在、 　　毎週日曜：『姦淫の罪、その罰と地獄』 　　毎週火曜：『張山光希は頭が悪い』 　　毎週金曜：『唱え奉る河内國春乃井学園御詠歌部』 　　の３作品中火曜と金曜の２作品を、 　　Pixivから移設校正投稿しまくり中でござ

『張山光希は頭が悪い』第6話：大事な役目

第1話（末尾に全28話分のリンクあり） （文字数：約4700文字） 第6話　大事な役目 　全国大会、と言っても申請したら出られるわけだし、もっと子供の時から日頃やって来た事の延長だし、特に緊張しなければ、大した高揚感も無い。 「いろは唄？」 　曲目を聞いたらおっさんは何か思い当たる事があったみたいに、一階の自分の部屋に引っ込んで、しばらくしてから戻って来た。 「あったあった。これ、参考になると思うからあげるよ」 　光希に渡して来たそれは、『いろは唄』の楽譜の裏に書かれたメ

『張山光希は頭が悪い』第5話：声と舞

第1話（末尾に全28話分のリンクあり） （文字数：約5900文字） 第5話　声と舞 「小石川？」 　訊ねて来た笑みにもう含みを感じた。 「もしかして、お父さんの名前ヒカル？」 「違います」 「あれ」 　と細い金属フレームの丸メガネを掛けた、丸顔の三年男子が首を傾げる。イスに座ったまま腕を伸ばして棚から年季の入ったノート、ーー表紙に「活動記録」と書かれたヤツーーを取り出して、 「この御詠歌部の初代部長が、小石川、日の下に光で、晃って言うんだけど、知らない？」 　頬の端まで笑

【片付け棚卸し進捗】5/6「今やっとこう」でいいのよ

　あよーーー♪ 　相変わらずのお慰み、 　クロコちゃんでーっす♪ （文字数：約1100文字） 　余談なんだけどっ、 　「クロちゃんですっ。わーわーわぁ♪」 　ってやったら配偶者から厳かに、 　「やめて」って言われる。 （偏光：表向きクロコちゃんじゃねぇからな。「ゆきこさん」だからな。そりゃ配偶者からは違和感があるよ） 　ところでとっくに出来てる方には今更が過ぎてちょっと何言ってるのか分かんない事言っちゃうかもしれないけど、 「今やりたい」事か、 「今やっとこう」って事

真夜中万華鏡マリリン【毎週ショートショートnote裏お題】

「普段何を着て寝ていますか？」 　という問いに対して、 「シャネルの５番」 　と答えた逸話はあまりにも有名だが、 　服を着る、も、身に着ける、も、英語の動詞では等しくwearだからこそ成り立つ小粋な回答なのであって、そんな知識なんぞさっぱり持たない九州の酔いどれ親父どもは、 「香水だけ付けて素っ裸で寝てんだなぁ😍🍺😍🍶😍」 　と鼻血噴きそうなほど興奮しまくりやがってたんだ。いやマジでマジで。それも一人や二人じゃないから誰一人勘違いだと気付きもしやがらねぇ。 　何ならシャネル

放課後ランプご当地CM【毎週ショートショートnote】

　３時のおやつは文明堂、が全国的には有名なのだろうが、長崎において文明堂は、丸山花街御用達である福砂屋からの暖簾分け、という認識で、本家福砂屋、老舗松翁軒、と肩を並べるに至った存在、なんだ。 　そもそも『文明』という屋号からして創業は明治以降と察せられるよな。 　それはともかく今回は、お題から頭に浮かびまくってどうしてもご紹介したいご当地CMナレーションがある。放課後帰り着いた、薄赤い夕陽が差し込む居間のテレビにこれが流れると、幼心になんとも切ない心持ちになったものだ。 　記

【小説】『姦淫の罪、その罰と地獄』罰ノ四（1/5）

　明治時代の新米密偵、楠原と田添の一年間。 　罰ノ四：仕事の嫌さ加減がこれでもか。 　　　　　ところで楠原には遊び相手のお姉さんもいます。 　　　　　一方で静葉との仲は店の側からも承認されるが、 　　　　　有難いからと言って喜ばしい事態でもない。 イントロダクション 序説　　罰ノ一　　罰ノニ　　罰ノ三　　罰ノ四 （文字数：約2700文字） 罰ノ四　耳が汚れる 　この色だ、と子供は父親の顔を見上げながら思っていた。 「出て行け」 　入らせてもらった兄の部屋で、いつの間

『唱え奉る河内國春乃井学園御詠歌部』イントロダクション

　はじめましての人も、 　前から知ってる方も、 　ごきげんよう。 　偏光です。 　ならばやってみる。 （文字数：約800文字） 文字数最大14万字に 　　『張山光希は頭が悪い』の、 　　親世代を書いた作品が、 　　本編の本筋部分を取り出したら、 　　ギリ14万字に収まりそうだ。 　　ならばやってみる。 　　私にしては珍しく、 　　「学園恋愛もの」として書いたので、 　　創作大賞2024に、 　　「恋愛小説部門」で応募してみよう。 と言うわけで作品内容 　

『唱え奉る河内國春乃井学園御詠歌部』第2話

第1話（末尾に全16話分のリンクあり） （文字数：約5400文字） ２　若者が　お唱えしたとて　構うまい 　ゴエイカって、何ですか？　 　なんて基本的すぎる質問は、人に訊く前に検索しろ、それが礼儀だ、とか鼻で笑いながら返されても当たり前みたいな気持ちでいたけど、 「うん。良い質問だ。まずは答えよう」 　部長は堂々と、これ以外に正解は無いみたいな笑顔を見せて言い放った。 「分からない」 　同い年なんだって、今ここにいる全員に知られても良かったら「禅問答？」って返している

『唱え奉る河内國春乃井学園御詠歌部』第1話

（文字数：約4600文字） 唱え奉る河内國春乃井学園御詠歌部岡埜由木古 １　ハルヤマは　スプリングじゃない　じゃあ何だ 　僕は信じているんだけど、人生なんて、これっぽっちも平等じゃない。 　両親に、兄や妹から遠く離れて、田舎で一人だけ祖父母と暮らさなきゃならなかったのも、勉強にも体育にもついて行けるだけの体力が無くて、同級生からも先生達からも、落ちこぼれだってひどくいじめられたのもいじめられているのを助けてもらえなかったのも、 　人生が、本当に平等だなんて思っていたら